今週、「InterFM 897 Tokyo Brilliantrips」と連動してお伝えするのは、今年度のアカデミー賞作品賞にノミネートした8作品の中にも含まれている、マット・デイモン主演の注目作『オデッセイ』。監督は巨匠、リドリー・スコット。数多の映画の中で宇宙を描いてきた彼は、今回、どんな宇宙を我々に見せてくれるのだろうか。
火星に残された一人の飛行士は、希望を捨てなかった。
マット・デイモン演じる、NASAの宇宙飛行士ワトニーが、火星に取り残されてしまうところから物語は始まる。仲間の判断は適切なものだと、一人取り残されたことを冷静に判断するワトニー。そこからワトニーの地球に生きて帰る為の壮大なミッションが始まる。
しかし、生死に関わる壮大なミッションにも関わらず、彼は終始、楽観的に物事をみつめる。「いつ死んでしまうか分からないから」といってまわし始めたカメラに向けて、彼はユーモアたっぷりに状況説明をする。そんな彼のジョークは、私たちを笑わせてくれる上に、彼に迫り来る死を感じさせない。機転の効いた数々のアイディアに、そして彼の生命力に、私たちは彼の救出に希望を見出していく。
劇中、懐かしい曲で物語を盛り上げる場面も注目だ。ドナ・サマーの“ホット・スタッフ”やなど、主人公がシリアスな状況下で、如何に自分なりに楽しんでいるのかが想像できるだろう。またデヴィット・ボウイの“スターマン”が流れるシーンは物語の重要なシーンでもあり、そちらにも注目していただきたい。
今作、実はアメリカのインターネット小説が原作。書き上げたのは、無名の新人作家である。その事実を知った上でこの映画を見ると、物語の緻密さや宇宙飛行士のリアルさなど、驚きをかくせない。
「オデッセイ」で描かれたのは、遠い不毛の土地・火星に一人取り残された宇宙飛行士と、青い惑星、地球にいる数多なスペシャリスト。そして、その間を行き来している、宇宙飛行士の仲間たち。一人の命を救う為に、世界の頭脳が知恵を出し合い、健闘する姿に感動せずにはいられないだろう。壮大な宇宙空間を映しながら、一人の宇宙飛行士の救出劇を華麗に描きだした通常のSFとはひと味違った物語を、ぜひ劇場で体験してみてほしい。
オデッセイ
2016年2月5日(金) TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
20世紀フォックス映画配給
監督:リドリー・スコット
主演:マット・デイモン
(c) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
PROGRAM INFORMATION
Tokyo Brilliantrips
毎週(月)〜(金)
START 09:00/END 11:00
InterFM897
DJ:長野美郷
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text by Rina Kawarai