映画『THE COLLECTORS さらば青春の新宿JAM』が11月23日(金)に公開されました。本作は、東京モッズシーンを代表するバンド・THE COLLECTORS(ザ・コレクターズ)をとらえた初のドキュメンタリー映画。2017年をもって閉店したライブハウス・新宿JAMでTHE COLLECTORSが行ったラストライブを記録するとともに、新宿JAMを拠点に盛り上がりを見せた東京モッズシーンが与えた日本のカルチャーへの影響を浮き彫りにします。

本記事では、東京モッズシーンとは何かを振り返り、当時のバンドブームと、その代表的なバンドや楽曲を紹介してみます。

東京モッズシーンとは?

モッズ(MODS)とはモダーンズ(MODERNS)の略で、1950年代後半から1960年代にかけてロンドンで生まれた音楽やファッションなど、新しい若者風俗のこと。

細身の3つボタンスーツやナロータイ、ミリタリーパーカ(いわゆるモッズコート)といったファッションを身にまとい、ベスパやランブレッタなどのスクーターを走らせ、R&Bやジャズ、スカ、モータウンなどのブラックミュージックを聴く人たちのことを指します。

日本では、THE WHOの『Quadrophenia』(四重人格)を原作にした映画『さらば青春の光』が1979年に公開されたことで、モッズの人気が確かなものになりました(正確にはリバイバルされたモッズのことで「ネオモッズ」という)。そして当時大人気だったイギリスのバンド・The Jamなどの影響を受け、新宿を中心にできあがったカルチャーが東京モッズシーンです。

では、THE COLLECTORSを中心に、シーンを代表するバンドと彼らの楽曲を振り返っていきましょう。

僕はコレクター/THE COLLECTORS

THE COLLECTORSは、加藤ひさし(Vo.)と古市コータロー(Gt.)が中心となって結成されたロックバンド。

1987年、同タイトルのアルバムにてメジャーデビューします。リード曲“僕はコレクター”は、当時は自己紹介的な楽曲としてライブの冒頭でよく披露されました。THE COLLECTORSを知らない人でも《DARI DARIRI DADARI DARIDARA》というポップなサビはどこかで聴いたことがあるかもしれませんね。

TOO MUCH ROMANTIC!/THE BIKE

THE BIKEザ・バイク)は、加藤ひさしがTHE COLLECTORSを結成する前に組んでいたバンド。

“TOO MUCH ROMANTIC!”はTHE BIKE時代の代表曲です。THE COLLECTORS結成後にもよく演奏されました。THE COLLECTORSのデビューアルバム『僕はコレクター』2曲目にも収録。“僕はコレクター”とあわせて、この2曲が東京モッズの原点と言えるかもしれません。

世界を止めて/THE COLLECTORS

いくつも名曲を生み出しているTHE COLLECTORSですが、その全キャリアを振り返っても、この曲を最大の代表曲、オールタイムベストだと考えている人は多いでしょう。

メロディアスなサビ、切なくロマンティックな歌詞、加藤ひさしの伸びのある歌声とファルセット、古市コータローのテクニカルで厚みのあるギター、そしてグルーヴィーなリズム。ブリティッシュ・ロックを正統的に引き継いだ楽曲には、THE COLLECTORSの本質が詰まっています。

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