佐藤快磨監督の劇場デビュー作でありながら、先月開催された<第68回サン・セバスティアン国際映画祭>のオフィシャルコンペティション部門にて最優秀撮影賞を受賞した『泣く子はいねぇが』。今回は、11月20日(金)より全国公開される本作の注目ポイントを紹介する。
映画『泣く子はいねぇが』の見どころを紹介!
本作は、佐藤監督が秋田県・男鹿半島の伝統文化「ナマハゲ」から“父親としての責任”、“人としての道徳”というテーマを見出し、作り上げた映画だ。親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿が描かれている。主人公・たすく役を仲野太賀が演じるほか、吉岡里帆、寛一郎、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎といった実力派俳優が出演している。
本作の見どころは、<サン・セバスティアン国際映画祭>でも評価された男鹿半島の美しい風景だ。佐藤監督は、本格的に制作が始まる前から足しげく島に通い、取材と並行しながらロケハンを重ねてきた。実際にその場に立つことで映像が浮かんでいき、その場所ありきで脚本を書き進めたこともあるという。そして作品の中でも印象的なシーンにおいては、海に面した岩場や広く開けた浜辺などが映し出されている。
そのほか、制作チームの面々にも注目したい。本作は、佐藤監督や主演・仲野太賀に加え、作品を支えるプロデューサーの大日向隼、伴瀬萌、古市秀人といった、平均年齢29歳のチームで制作されている。今を生きる若者の魂の叫びをリアルに描いた本作には、“若さ”という熱いエネルギーが吹き込まれている。プロデューサー・大日向隼と撮影監督・月永雄太のコメントは以下の通りだ。
若者の成長を描いた物語に合わせ、制作のスタッフィングも意図的に若手中心に固めた。佐藤監督はスタッフの意見やアイデアを素直に聞き、良いと思ったことをどんどん取り入れていくことができるタイプの人なので、ディスカッションを楽しみながら、一緒に現場を作っていけるスタッフが良いと思った。
プロデューサー・大日向隼
男鹿半島の海、そして“ナマハゲ”がいる街の景色は強烈で、それを見た時にとても良いものが撮れるのではないかという印象を持ちました。撮影では、そんな男鹿の良さをなんとか出そうと意識し、現地で私が肌で感じたものを形にできればと思っていましたので、それが少しでも皆様に届けばと思っております。
撮影監督・月永雄太
なお『泣く子はいねぇが』は、現在開催中の<第56回シカゴ国際映画祭>のニュー・ディレクターズ・コンペティション部門に出品されている。インターナショナル長編コンペ作品には、河瀨直美監督作『朝が来る』や、西川美和監督作『すばらしき世界』が出品されていることでも話題の本映画祭。受賞結果は日本時間10月24日(土)00:00に発表されるので、是非お楽しみに!
映画『泣く子はいねぇが』本予告 | 11/20[金]公開
INFORMATION
泣く子はいねぇが
11/20(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:仲野太賀 吉岡里帆 寛一郎 山中崇/余貴美子 柳葉敏郎
企画:是枝裕和
エクゼクティブ・プロデューサー:河村光庸
プロデューサー:大日向隼、伴瀬萌、古市秀人
企画協力:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
製作:『泣く子はいねぇが』製作委員会
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会