クエンティン・タランティーノの9作目の長編監督作となる最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の最新予告編が解禁となった。
カンヌ上映後、スタンディング・オベーション!
2015年の『ヘイトフル・エイト』から4年ぶりとなるファン待望のタランティーノ新作は、『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノ監督作初出演となったレオナルド・ディカプリオと、『イングロリアス・バスターズ』で同監督作初主演を果たしたブラッド・ピットの2大スターの豪華顔合わせが注目を集めている話題作だ。
現在開催中の<第72回カンヌ映画祭>のコンペティション部門に正式出品され現地時間21日(火)ワールドプレミアとして世界初お披露目された本作。タランティーノは1994年に『パルプ・フィクション』でパルム・ドールを受賞し、2004年には同映画祭の審査員長を務めているが、コンペ部門出品は『イングロリアス・バスターズ』以来10年ぶりとなり、25 年ぶりに再びパルム・ドール受賞なるか大いに注目されている。
本作はタランティーノからハリウッドへのラブレターと言われているが、今回のコンペへの出品はタランティーノからカンヌへのトリビュートといえる。公式上映で映画本編がついに初お披露目され、同時に解禁された最新予告は全編タランティーノがこだわりぬいて再現した1969年当時の音楽と色彩、そしてハリウッドの街並みを背景に、秘密のヴェールに包まれていたストーリーが垣間見れるものとなっている。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告(8月30日公開)
今回解禁された予告には、ハリウッドで俳優として再び栄光を取り戻そうとしている落ち目の俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、長年彼のスタントマンを務めているクリフ・ブース(ブラッド・ピット)が、アル・パチーノ扮するいかにも映画界の大物風のシュワルツにバーで会うところからスタートする。
また、リックが映画撮影中、演技がうまくいかなくて一人トレーラーの中で毒づくシーンなど、リックが映画界での生き残りを賭けて苦戦しているさまが描かれ、その傍らスタントマンとしてリックと軽口をたたきながらも彼を励ますクリフとの友情も垣間見られる。
50代とは思えないブラッド・ピットの肉体美とブルース・リーのアクション・シーン、当時の実在の映画のポスターやパロディなど、映画ファンにはたまらないシーンも盛り沢山。そして、シャロン・テートを演じるマーゴット・ロビーは「私はシャロン・テート」と名乗り、この直後に悲劇に見舞われることなど予想だにしていないハツラツとした姿をスクリーンに見せている。
「この街では─何もかもが一瞬で変わってしまう」という意味深なリックのセリフは、一夜にしてスターを生む出す一方、残酷なまでの惨劇も生まれ得るというハリウッドの光と影を暗示しているかのようだ。
ほかの出演陣には、先日急逝した『ビバリーヒルズ高校白書』のルーク・ペリー、『ヘイトフル・エイト』のブルース・ダーン、『アイ・アム・サム』で天才子役の名をほしいままにしたダコタ・ファニングのほか、『イントゥ・ザ・ワイルド』のエミール・ハーシュ、『ダイ・ハード 4.0』のティモシー・オリファント、『オーシャンズ 8』のダミアン・ルイスなどの新旧実力派が脇を固めている。日本公開は2019年8月30日(金)予定。アメリカが誇る鬼才の最新作に注目だ。