映画『シェル・コレクター』が、2016年に東京・テアトル新宿、沖縄・桜坂劇場ほか全国で公開される。
同作は、「O・ヘンリー賞」などを受賞しているアメリカの小説家アンソニー・ドーアによる同名短編小説が原作。映画版では、舞台を沖縄の離島に移す。貝類学の世界で名声を獲得し、妻子と離れて孤島で静かに暮らす盲目の学者を主人公に、島に流れ着いた女・いづみの患っていた奇病を貝の毒で偶然治したことをきっかけにして、彼の生活に異変が訪れる、というあらすじだ。
主人公の貝類学者を演じるのはリリー・フランキー。島に流れ着き、学者と同居を始める画家のいづみを寺島しのぶが演じる。さらに主人公の息子・光役に池松壮亮、島の有力者の娘で、いづみと同じ奇病を患う嶌子役に橋本愛がキャスティングされている。監督は、2009年の『美代子阿佐ヶ谷気分』で海外の映画賞を獲得した坪田義史が務める。撮影は全て沖縄で行われ、2月上旬にクランクアップする予定だ。
シェル・コレクター
2016年にテアトル新宿、桜坂劇場ほか全国で公開
監督:坪田義史
原作:アンソニー・ドーア『シェル・コレクター/貝を集める人』
出演:リリー・フランキー、池松壮亮、橋本愛、寺島しのぶ
配給:ビターズ・エンド
リリー・フランキーのコメント
原作、脚本を読んで、かつ、坪田監督の前作『美代子阿佐ヶ谷気分』を観て、日本映画には珍しい絵画的なユニークな作品になると思い、出演を決めました。演じる主人公は盲目ですが、「見える=自由」「見えない=不自由」といった単純な図式では計れないものを、盲目の貝類学者を演じることで表現できればと思います。
各世代の飛び抜けた共演陣の方々と一緒に、沖縄の自然の力を借りて撮影を楽しんでいます。
坪田義史監督のコメント
アンソニー・ドーアの原作にある、盲目の貝類学者が貝を拾うという描写に惹かれ、是非ともこの原作を映画にしたい、と思いました。美しい自然に対峙する人間を描くには、日本では沖縄しかないと思い、全編沖縄に置き換えました。リリー・フランキーさんはじめ、素晴らしく、そして個性的なキャストの方々と一緒に、比類なき作品を創りあげたいと思います。
STORY:
“貝”の美しさと謎に魅了され、盲目ながら貝類学の世界で名を成し遂げた学者。彼は、妻、息子と離 れ、沖縄の孤島で貝を蒐集しながらひっそりと静かな厭世的生活を送っていた。しかし学者の静謐な日々 は、島に流れ着いた女・いづみが出現し、学者とひとつ屋根の下に暮らし始めることで次第に狂い始め る。そして、ある日いづみの患っていた奇病を偶然にも貝の毒で治したために、それを知った人々が貝 毒による奇跡的な治療法を求めて次々と島に押し寄せるようになる…。 そのなかには息子・光や、同じく奇病を患う娘・嶌子を助けようとする地元の有力者・弓場の姿もあった。