昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画21年ぶりの快挙となる最高賞「パルムドール」を受賞し、『万引き家族』が興行収入46億を超える大ヒットとなった是枝裕和監督。世界中から期待の視線が注がれている彼の最新作『真実』の、日本語字幕版と日本語吹き替え版の劇場公開が決定した。
宮本信子、宮崎あおいが吹き替え
カトリーヌ・ドヌーヴが演じる国民的大女優ファビエンヌ役を宮本信子、ジュリエット・ビノシュが演じる、ファビエンヌの娘であり脚本家のリュミール役を宮﨑あおいが担当する。本作の魅力のひとつでもある、母と娘の辛辣かつ軽妙な会話を様々な形を日本語で楽しむことができるよう、是枝監督も熱望した吹替えキャスト陣が吹き替えを務めることが実現した。
リュミールの娘シャルロット役には、『万引き家族』でも注目を浴びた子役の佐々木みゆちゃんが登場。是枝監督は、吹替版でもみゆちゃんには台本を渡さず、従来の口伝えの演出で台詞を収録した。みゆちゃんの感情豊かな声の演技も見逃せない。
是枝監督と各吹き替えキャストからのコメント到着
吹き替えに際して、是枝監督とキャスト本人からのコメントも到着している。
宮本さんの凛とした声と、背筋のピンとした佇まいは、まさにカトリーヌさんにぴったり重なると思いましたし、宮﨑さんは声のお仕事もご一緒させて頂いたことがあるのですが、その繊細な表現力はもう、唯一無二だと思ってましたので、ビノシュさんとの年齢差は気になりませんでした。ダメ元で僕から提案したお二人が、お二人とも、思いがけずお引き受け頂けて、監督としてこんなに嬉しいことはありません。もう一つの『真実』に出会うのを僕自身楽しみにしています。
洋画の吹き替えは初めての事なので、出来るかどうかとても不安で正直悩みました。でも是枝監督からお声掛け頂いたのですから、受けて立たなくては宮本信子はダメだわ!と思いまして。「どうなるか分かりませんが、一生懸命やらせていただきます」とお伝えさせていただきました。真実は一つではないですし、それを『一つであるべきだ』ではなく、色んな風に見られるんだよと言ってくれるような作品だと思います。
初めてのことに、何をどうしたら良いのか不安いっぱいでスタジオに入ったのですが、始まってみたらとても楽しく…自分がジュリエット・ビノシュになったかのような幸せな錯覚を味わいながらの贅沢な時間でした。また新しい形で是枝監督の作品に関わらせていただけたこともとても嬉しかったです。
吹き替えのお仕事をするのは私のあこがれだったので、是枝監督からお話をもらったときはとてもうれしくて不思議だなーと思いました。初めてなので、さいしょはちゃんとできるかな?と心配だったけど、シャルロットちゃんの役ができるチャンスは一回しかないからぜったいやります!と言いました。夢がかなって、今もとても幸せな気持ちです。
シャルロットちゃんは明るくて元気な女の子なので、吹き替えのときもたくさん笑って楽しかったです。
真実
10.11(金)TOHOシネマズ日比谷 ほかにて全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ/ジュリエット・ビノシュ/イーサン・ホーク/リュディヴィーヌ・サニエ
撮影:エリック・ゴーティエ
吹替版演出:鍛治谷功
字幕、吹替翻訳:丸山垂穂
吹替版キャスト:宮本信子/宮﨑あおい/佐々木みゆほか