8月16日(土)から「ポーランドの鬼才」ことイエジー・スコリモフスキ監督の未公開作2本と他3本をシネマート新宿他、全国で順次公開される。

1960年代半ば、ポーランド映画界の“新しい波”を代表する若手監督として躍り出たイエジー・スコリモフスキは、戦後世代の声を代弁する私小説的な題材選びと奇抜な視覚的アイディアに満ちた画面作りで、一躍国際的な注目を浴びるが、冷戦時代のポーランドにおいて、反体制的姿勢をほのめかす挑発的なスコリモフスキの作品は問題視され、それを不服とした彼は祖国を離れることを決意した。約半世紀にわたるスコリモフスキの流浪生活から生まれた作品たちは、舞台となる土地も出演者の国籍もそれぞれに違い、かつ内容的にも多様な主題を扱っている。しかし作品を通して観れば、時代と国籍の違いを超えて、そこにひとりの卓越した映画作家の特異な人生の軌跡と、 多彩な作風に内在する一貫した個性的映画作法を見出すことができるはずだ。

今回、1978年カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した鬼作であり傑作『シャウト』、劇場初公開『ムーンライティング』や、日本ではほとんど劇場上映がされていなかった『出発』なども上映されるので見逃せない特集となっている。

イエジー・スコリモフスキ「亡命」作家43年の軌跡


上映作品:出発、シャウト、ムーンライティング、アンナと過ごした四日間、エッセンシャル・キリング
2014.08.16(土) – 09.05(金)@シネマート新宿
2014.09.06(土) – 09.19(金)@名古屋シネマテーク
2014.09.27(土) – 10.10(金)@シネ・ヌーヴォ