9月19日(金)、映画『宝島』が全国公開される。原作は第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説『宝島』(講談社文庫)。監督は『るろうに剣心』シリーズや『レジェンド&バタフライ』を手がけた大友啓史。沖縄がアメリカ統治下にあった20年間を背景に、自由と未来をつかもうとした若者たちの友情、裏切り、そして“消えた英雄”の真実をめぐる青春群像劇が、上映時間191分という圧倒的なスケールで描かれる。
青春と革命が交錯する物語
舞台は1950~70年代、アメリカ統治下の沖縄。米軍基地から物資を奪い、住民に分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。
幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)を導いたのは、町の英雄オン(永山瑛太)。しかし、ある夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、消息を絶つ。
残された3人は、それぞれ刑事・教師・ヤクザとして別々の道を歩みながらもオンの行方を追い続ける。やがて時は流れ、彼らが20年越しにたどり着いた真実とは──。
「ここじゃなきゃ撮れないと思うロケーションの連続でした。沖縄の土地が僕らに力を貸してくれた気がします」──妻夫木聡
豪華俳優がぶつけ合う熱量
主演は妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太。世代を代表する4人が、20年の歳月を体現する。
「ヤマコは太陽でいてほしい。物語の軸を持つことで自然と光になれると思いました」──広瀬すず
「レイはアクセルを踏んだら止まれない。危うさをお芝居で見せたいと思いました」──窪田正孝
「自分があの時代にいたら戦果アギヤーになっていたと思う。それほど共感しました」──永山瑛太
塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、ピエール瀧ら実力派キャストも集結し、物語にさらなる厚みを与える。
圧倒的スケールの映像体験
延べ5,000人を超えるエキストラが参加したデモや暴動シーンは、日本映画の常識を覆すスケール。
「喜びも悲しみも追体験できるような、あの時代の沖縄の青春映画を作りたかった」──大友啓史監督
映像だけでなく、Ruth Brown「Teardrops from My Eyes」、The Cascades「Rhythm of the Rain」、ピンキーとキラーズ「涙の季節」などの楽曲、そして沖縄民謡「唐船ドーイ」「祝節」も劇中に響く。映像と音楽が融合し、観客を“その時代”へと誘う。
日本映画の新境地へ
「返還前の沖縄を描かないと本当の意味で物語は完結しないと思っていました」──大友啓史監督
原作者・真藤順丈は「これは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・オキナワ』だ」と評した。
『宝島』は、青春映画であると同時に、日本映画がこれまで正面から描いてこなかった歴史の一ページを鮮やかに描き出す挑戦でもある。過去をどう捉えるかで未来は変わる──この映画が問いかける「本当に大切な宝」とは何か。戦後80年の節目となる2025年に公開される本作を、ぜひ劇場で体感してほしい。
INFORMATION
宝島
2025年9月19日(金)より全国公開
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会