山森めぐみ原作のホラー漫画が、FODオリジナルドラマ『憑きそい』として映像化され、7月28日より第1〜3話が配信開始。それを記念し<「憑きそい」公開記念!全話先行試写会>が8月3日(木)に都内の映画館で開催され、豪華ゲストが登壇した。

本作は、イラストレーター兼占い師でもある山森めぐみが幼い頃からの恐怖体験を綴った漫画をInstagramに投稿したところ、”インスタ最恐”と話題になり書籍化。そのトラウマ系心霊マンガ『憑きそい』(扶桑社)が、フジテレビ公式動画配信サービスFODのオリジナルドラマとして同名タイトルで映像化された。霊感の強い主人公・山川めぐみに降りかかるさまざまな恐ろしい出来事を描く全9話のミニドラマで、4話以降は8月4日以降順次配信。また、8月16日25時25分よりフジテレビ(関東ローカル)で放送されることも決定している。

FODオリジナルドラマ『憑きそい』全話先行試写会レポート!主演山田真歩・円井わん、監督とプロデューサーが撮影秘話を語る report230808-tsukisoi-5
(C)山森めぐみ/扶桑社 (C)フジテレビジョン

今回開催された<全話先行試写会>では、未配信話含む全9話の一挙上映に加え、監督・キャスト・ゲストらによるトークセッションが行われた。

最初に登壇したのは、本作のメガホンをとった曽根隼人監督と山口龍大郎監督。曽根監督は本作について「短い尺でしっかりと怖がってもらえる、タイムパフォーマンスの良いホラー」と語り、山口監督は「日常に潜む恐怖を引き出す最恐ホラー」と自信満々に述べつつも、「怖すぎて私が担当した6、7話まで皆さんが辿り着かないんじゃないか……」と不安を漏らし会場の笑いを誘った。

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(C)フジテレビジョン

続いて本編の第一話「黒い服の人」が上映。15分という短尺の中に迫力満点の恐怖映像が詰め込まれている上、冴えた演出と音響が映画館という環境でブーストされ怖さも倍増。猛暑の中集まった観客の肝を冷やした。

その後予想以上の恐怖に静まり返る中、ゲスト陣が登壇。両監督に加え、本作の主人公・めぐみの3つの異なる時代を演じた3名、山田真歩、円井わん(学生時代役)、櫛田遥流(子ども時代役)が登場し会場のムードはV字回復。

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(C)フジテレビジョン

恐怖が詰まった作品ながら、撮影現場は意外にも明るく和気あいあいとしていたと口を揃えて語るキャストの面々。本作がホラー初出演という主演の山田真歩は「昼間に明るいHIP HOPを聴きながらじゃないと読めないような脚本でしたが、現場は笑いが絶えない楽しい毎日でした」と語りつつ「私は日本でも5本の指に入る怖がりなんです。撮影中はお化けの方たちが怖すぎて毎日泣いてました。二度と体験したくないです」と笑顔で振り返った。円井わんは「撮影中、山口監督が何もしていないのにずっとニコニコしていて、共演者の吉村界人君と”監督はサイコパスなんじゃないか”と話していました」と語り一同爆笑。最年少の櫛田遥流は緊張した表情を見せながらも「撮影中に作ったたこ焼きが美味しくてバクバク食べてしまいました」と微笑ましいエピソードを披露し、会場を和ませた。

そんな楽しい現場ながら、裏では心霊現象のようなことが起こっていたことが発覚。山口監督が「実は団地で撮影中、音を確認するためにヘッドホンをしたところ赤ちゃんの声がしたんです…」と語り、山田に「なんで今言うんですか!」と諌められる一幕も。

トークセッションが盛り上がる中応援に駆けつけたのは、今作のアンバサダーであるお笑い芸人の島田秀平と事故物件マップの運営者・大島てる。怪談を聞き慣れている二人も「日頃怪談で聞いているような怪異や現象が随所に散りばめられていて、初心者はもちろん怪談好きの人こそ楽しめる作品になっています」と本作を絶賛。本作の主人公・めぐみのように霊感が強い人の特徴を尋ねられた島田が、”霊感がある(かもしれない)人にだけできる手相”を発表。日本指折りの怖がりを名乗る山田にばっちりその手相があるなど、今日一番の盛り上がりを見せた。

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その後の来場者からの質問で、怖がりにも関わらずこの仕事を受けた理由を尋ねられた山田は「常に新しいことにチャレンジしたいという想いがあり、これまでやったことのない極限状態の恐怖を演じてみたいという好奇心が勝ちました。素晴らしいスタッフの方々と、今まで見たことがないものを作れたので引き受けて良かったです。参加できたことを感謝しています」と語った。

最後に、本作を観る人に向けたコメントを求められたゲスト陣。曽根監督は「カメラで撮っているのか、実生活を覗き見しているのか分からないような、素晴らしいお芝居を見せてくれたキャストの皆さんをご覧いただきたい」とキャストを賞賛。櫛田は「とっても怖くて体感温度が下がるので、あったかいものを用意して観てください」と語り再び会場中がほっこりムードに。山田は「ホラーは一人だと怖いけど、集まって観ると一番面白くなるジャンルだと思うので、是非みんなで楽しんでください」と怖がりならではの視点で語り、トークセッションは幕を閉じた。

『憑きそい』の魅力とは?
作品レビュー

原作漫画『憑きそい』は、可愛いタッチでおぞましい内容が描かれるからこそ違和で不気味さが際立つのであり、実写化するとその良さが失われてしまうのではないかと、正直、観るまでは懸念の大きい作品だった。だが、試写会で最初に上映された第1話「黒い服の人」を観て、そんな懸念は瞬く間に払拭された。

<第1話>黒い服の男
山川めぐみ(山田真歩)は子どもと外出中、電車へ飛び込み自殺する2人組を目撃。女性と黒服の笑顔の男。しかしニュースでは女性一人の自殺と報じられる。あの男は一体何だったのかと不審に思うめぐみ。そんなある時、占いを行った客・ケイコ(福田沙紀)から「旅行を境に、夫の様子がおかしい」と相談を受ける。その旅行の写真を見せてもらうと、そこにはあの黒服の男の姿が……。

怪談話ではお馴染みの”死神”的な存在を描く第1話。疲れた表情の会社員が通勤し、明るいのにどこか閉塞感のある駅のホーム……メランコリックながら日常的な光景だが、不穏な効果音と這うようなショットが冴え渡り、嫌な空気が張り詰める。そしてスローモーションで描かれる飛び降り自殺の瞬間。不気味な笑みを浮かべた男がチラリと姿を見せ、モノトーンが支配的だった映像に飛び散る鮮血。平穏な日常が突如恐怖で崩れ去る、緩急の効いた掴みに開始早々心を掴まれる。

その後も何でもない光景に突然恐ろしさを覚えるなど、15分の間に幾度も行き交う日常と恐怖の境界線。曽根監督は原作漫画にあった可愛い絵柄とおぞましい内容の違和を、日常と恐怖の緩急=緊張と緩和を際立たせることで表現し、漫画の不気味さを見事に実写へと落とし込んだ。その日常パートの描き方が巧く、その次に訪れる恐怖展開にも現実味が付随する。決して新鮮味や派手さのある内容ではないが、観終わった後に本当にあるかも…とじんわり残る後に引く怖さ。恐怖の表現もじわじわ忍び寄る陰湿なものから、表情から読み取る共感性のもの、ジャンプスケアまで盛りだくさん。次は何が来るのかヒヤヒヤでひと時も安心できない。

恐怖に説得力を持たせているのがめぐみを演じる山田真歩の卓越した顔の演技。劇中、恐ろしいものを眺めるめぐみのクローズアップが何度も登場するが、大袈裟な表情でもないのにその目には確かな恐怖が宿る。驚異的な表現力だと感激したのだが、上映後に登場した山田が「撮影中は毎日本当に怖かった」と述べていたので、確かな演技力と真の恐怖が合わさって生まれた奇跡のアクトなのだろう。この回で登場する黒い男は、実際に恐怖体験をした原作者の山森めぐみに「私が見たまんまです」と言わしめるほど再現度が高いそうだ。

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(C)山森めぐみ/扶桑社 (C)フジテレビジョン

1話目にあった日常と恐怖の緩急のついた描き方や、高品質の映像と音は他の話にも引き継がれつつ、心霊話だけではない様々な種類の恐怖が全9話を通して語られる。トークセッションで、大島てるが本作について「ホラー偏差値が判定できる作品」と述べていた通り、よく語られる怪談や都市伝説、往年のホラー映画などの怖い要素を全部載せした贅沢丼のような内容で、ホラー好きには堪らない。

例えば第2話「丘の上の家」は、ニコール・キッドマン主演の名作『アザーズ』(2001)や『呪怨』(2002)、『事故物件 怖い間取り』(2020)でお馴染みの”家系”ホラー。戸建ての内覧に夫婦で来ためぐみ。だがそこにはめぐみにだけ見える謎の少女の姿が…といういかにもな幽霊話だ。この回に不動産屋としてゲスト出演しているラバーガール・大水洋介の独特の存在感が作品の不気味さを加速させるナイスな采配。ここでも緩急ある恐怖演出が冴え渡り、油断していると思わず声が出そうになる。

原作漫画の不気味さを引き立てるのは、時にその正体がわからない謎めいた怪異。めぐみの少女時代に体験した恐怖を描く第3話「怪談」がそれだ。家に何かいると訴えるめぐみを冷たく突き放す母、りつ子(和田光沙)。そんなある日、夜中にトイレへ行こうとすると階段で何かの存在に気付き……。その正体が分からない怪異が襲い来る恐怖は『ジェーン・ドゥの解剖』(2016)などでも証明済み。その謎は曖昧なまま終わるが、確かな気持ち悪さは胸に残る。

第6話「大家さん」は心霊に加え人間の怖さを描く作品。友人のマンションに泊まりに来ためぐみ。そこで年老いた大家さんを目撃するが、友人から既に大家さんは亡くなっていると知らされ……。人間の怖さを描く作品で思い浮かぶのがパスカル・ロジェ監督の『ゴーストランドの惨劇』(2018)。ショッキングな内容とツイストのある展開が話題となった衝撃作だが、「大家さん」もこの映画同様捻りの効いた展開が待ち受けていて、13分という短時間ながら構成力の巧さに舌を巻く。

これ以外も様々な角度から恐怖を描く、バラエティに富んだストーリーが盛り沢山の『憑きそい』。暑さで寝苦しい夏夜、体感温度を下げるのにピッタリな作品だ。

ただし、別の理由で眠れなくなるかもしれないが……。

Text by ISO

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INFORMATION

FODオリジナルドラマ「憑きそい」(全9話)

・配信:2023年7月28日(金) 第1~3話配信開始 (第1話無料)
8月4日(金)第4~6話配信開始
8月11日 (金) 第7~9話配信開始
※配信日時は予告なく変更される場合がございます。 予めご了承ください。
・地上波放送: 2023年8月16日 (水) フジテレビ放送スタート (関東ローカル)
8月16日 (水) 25時25分~25時55分 第1話・第2話
8月23日 (水) 25時25分~25時55分 第3話・第4話
8月30日 (水) 25時25分~25時55分 第5話 ・第6話
9月 6日 (水) 25時35分~26時05分 第7話・第8話
9月13日 (水) 25時45分~26時15分 第9話
※放送時間は予告なく変更される場合がございます。 予めご了承ください。

・出演:山田真歩/山崎樹範/円井わん/大水洋介 (ラバーガール) / 深尾あむ ほか
・原作 :「憑きそい」山森めぐみ (扶桑社刊)
・スタッフ:<脚本>藤本匡太 (solo) / 川原杏奈
<監督>曽根隼人 (BABEL LABEL) /山口龍大朗 (エクション)/坂部敬史 (DREAMFLY) /小山巧 (THREE CHORDS)
<プロデュース>下川猛 (フジテレビ)
<プロデューサー>渡邉直哉 (パロマプロモーション) / 柳井宏輝 (パロマプロモーション) 井上博貴/山口龍大朗 (エクション)
・制作プロダクション: パロマプロモーション
・制作著作:フジテレビジョン

【あらすじ】
霊感が強い主人公のめぐみ (山田真歩)は趣味の占いをきっかけに様々な人々と出 会い、恐怖体験に巻き込まれていく。 ある日めぐみは駅のホームで笑う男と共に線路に 飛び込む人を見てしまった。 その瞬間の男の笑顔が頭から離れない一
丘の上に立つその家はいわくつきの物件だった一
子供の頃から怖かった実家、 その階段から何か気配が一
蛇に取り憑かれた女子高生。 消えた恋人はどこへ? 彼氏の母親が怖すぎる。
思わず悲鳴を上げてしまう最恐のホラー体験を。

公式サイト配信ページ

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2023年7月24日(月)~8月21日(月)17時59分
■対象者:
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