今週、「InterFM 897 Tokyo Brilliantrips」と連動してお伝えするのは、ワールドトレードセンタービルを綱渡りした男の物語『ザ・ウォーク』です。

高さ411mの綱渡り。“世界で最も高い場所で行われた事件”を起した人物とは。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや、『フォレスト・ガンプ』などの監督であり、ハリウッドのヒット・メーカーことロバート・ゼメキス監督最新作『ザ・ウォーク』。今作は<東京国際映画祭>のオープニング作品でもあり、公開のかなり前から話題になっていました。当時世界で最も高いツインタワーであった、今はなきワールドトレードセンタービル。そのタワーの間を綱渡りした、フィリップ・プティの物語です。

高さ411mの世界を体感せよ!映画『ザ・ウォーク』 film160121_walk_3

なんといってもこの作品の見所は“世界で最も高い場所で行われた事件”である、ワールドトレードセンタービルでの綱渡りシーン。建設の際は、NY市民から不満の声が多かったこのタワーたちは、フィリップ・プティが綱渡りしたことによって、タワーに人格が現れ、NYの市民たちが誇りを持つようになったと言われていました。全編3Dでありましたが、この屋上でのシーンの臨場感はケタ違い! 事実に基づいているので、成功したことは分かってはいるのですが、度重なる屋上でのアクシデントに手に汗握らずにはいられません。

高さ411mの世界を体感せよ!映画『ザ・ウォーク』 160121_walk_2

主演は『(500)日のサマー』で一躍、売れっ子俳優として名を馳せたジョセフ・ゴードン=レヴィット。今回、ジョセフは実際にフィリップ・プティから指導を受け、数日間の猛特訓の結果、最終的に2mの高さに張った、長さ9メートルのワイヤーを綱渡りできるまでになりました。しかしジョセフはその間、綱渡りの技術だけではなく、“フィリップ・プティ”その本人像を吸収することによって、この作品にリアリティを出そうとしました。その観察力が、ジョセフが演技派と言われる理由の1つでもあると思います。

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今作はジョセフ演じる、現代のフィリップ・プティが、当時を振り返りながら過去を回想していくという形で物語が構成されています。冒頭では“最も美しい犯罪”を成し遂げたアーティストとして自信満々に登場する彼を見て、「タワーの綱渡りは成し遂げて当然」の出来事かのように思われますが、徐々に物語を辿っていくにつれ、この“犯罪”は、彼1人で成し遂げた偉業ではなく、信頼できる仲間によって支えられていたことや、実行までに様々なトラブルが待ち受けていたことが紐解かれていきます。それを通じて、フィリップ・プティは、アーティストである前に1人の人間であることに気付かされ、改めてこの偉業がどれだけ奇跡的な事実であることを実感させられます。

今の3D技術があったからこそ、このクオリティ&迫力! ぜひとも映画館で見てほしい一作です。

ザ・ウォーク

1月23日(土)全国ロードショー


監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレーほか
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

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text by Qetic・Rina Kawarai