本年度<アカデミー賞>主要5部門にノミネート、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞のレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組む『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の公開に先駆け、主演のレオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーティン・スコセッシ監督が来日。いずれもアカデミー賞にノミネートされている3人が東京証券取引所で記者会見を行った。東京証券取引所で記者会見が行われるのはハリウッド映画初! 日本の金融の中心地で、世界の金融の中心地ウォール街でウルフと呼ばれた男を演じたディカプリオらが、集まった報道陣100名に本作に込めた熱い思いを語った。
Report:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』記者会見
2014.01.29(水)@東京証券取引所
ゲスト:レオナルド・ディカプリオ(主演・製作)、ジョナ・ヒル、
マーティン・スコセッシ(監督・製作)
NYにあるウォール街が映画の舞台であることにちなんで選ばれた会場は、NY、ロンドンに並ぶ世界三大証券取引所のひとつであり、年間取引額600兆円を超える東京証券取引所。ハリウッド映画初となる東証での記者会見に登場したディカプリオらは珍しそうに会場中を見渡しながら登場! 「東証に来られてうれしい。映画にふさわしい場所だ!」とご機嫌で会見スタート。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたことについてディカプリオは「この映画がオスカーに認められたというのはうれしい。製作に時間がかかったしリスクも高く非常に苦労もした。これは世の中に警鐘を鳴らす作品でなかなかハリウッドでは出てこないような作品。受賞するかどうかは全く分からないけれど、オスカーに認められたということだけでもう受賞に値すると思う」とコメント。
貯金ゼロから49億円を稼ぎ、ウォール街で栄光と転落を味わった主人公・ジョーダン・ベルフォートの魅力について「これまで2作品どうしても映画化しなければと情熱を傾けた作品が2本あった。『アビエイター』と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』だ。どちらもスコセッシ監督だね。2008年の金融崩壊以降、世界の事情に興味を持つようになったし、世界中の出来事を体現しているようなジョーダンに興味を持ち、彼のことが頭から離れなかった。そしてこれを撮れるのはスコセッシ監督だけ。彼はキャラクターを丁寧に描いてくれる。彼がこの仕事を受けてくれるまで長いこと待った。」と並々ならぬ思い入れがあった様子。さらに、ディカプリオが今まで観たこともないような破天荒でぶっ飛んだ役を熱演していることからも分かる通り「娯楽を与える映画を作るにはリスクがないとインスピレーションがわかないと思う。同じようなことを繰り返しやっていたら人々は興味を失ってしまうと思う」と常にハリウッドで最前線を走り続けているディカプリオならではの発言も飛び出した。さらには、主人公ジョーダンのように派手にお金を使うならどう使いたいかを聞かれると「何百億ものお金があったらセンチメンタルと言われるかもしれないけど、ジャングルや雨林やサンゴ礁を買い取って守りたい」と環境保護への関心が強いディカプリオらしいコメントも。
また、日本人にはちょっとショッキングな内容ではないか、大金持ちの腐敗や不正は受け入れられると思うかという質問も飛び出したが、これには「賛否両論がある映画だと思う。2008年の金融危機が起きた後、こういう映画は今の時代を反映している。ジョーダンのライフスタイルは他人の金を自分や会社に注ぎ込んで快楽を求めるようなもので、もっと厳しく罰せられるべきと言う意見もあった。でもこの映画で描かれているのは真実なんだ。日本の人にもこの映画を受け入れてほしいと思う」と真摯に答えた。
ディカプリオの熱烈なアピールにより監督を決断したというスコセッシは「引き受けるまでにしばらく時間がかかった。自分がどういう形でできるか考えたときにレオのこの作品にかける情熱が一番のポイントだった。撮影中、みんながこの現場にいたい、この映画を作りたいと思えることが大切ですから」とディカプオの情熱を受け入れたことを明かした。
ディカプリオのパートナー役を務めたジョナ・ヒルは共演シーンについて、「この映画は2人のパートナーシップ、友情がだんだん崩れていくパートも非常に魅力的なんだ。2人で寿司を食べるシーンでは本当はレオが言うはずの『ハマチを食べなよ』というセリフを僕が先に言ったんだ。『マグロもあるよ』というアドリブも入れたりしてね。だからレオはその後何テイクもハマチを食べる羽目になってしまったんだ。最終的には気持ち悪くなってしまうほどにね」と、茶目っけたっぷりに告白。これにはディカプリオも「最終的にハマチ50巻は食べたよ」と苦笑いする一面も飛び出した。最後は、東京証券取引所ならではの株価が流れる掲示板をバックにフォトセッション。この日は、くるくる回る掲示板には、異例ながらも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のタイトルが表示された。さらには、日本での大ヒットを祈願して金色に輝く大きなくす玉が用意された。初めて見るくす玉を前に3人は驚きながらも興味津々の様子で、ワンツースリーの掛け声のもと、ディカプリオ、ジョナ・ヒル、スコセッシ監督が一斉にひもを引き、見事にくす玉を割ることに成功! くす玉からは「史上最高値祈願! ウルフ・オブ・ウォールストリート」と書かれた垂れ幕が現れ、日本での大ヒットを笑顔で前祝いした。全米では興行収入1億ドル突破秒読み、イギリス、ドイツ、スペインでは2週連続No.1となる大ヒットを記録し、世界興行は2億2000万ドルを超える大ヒットをばく進中の本作。本作のプロモーションのためのワールドツアーは日本が最終地となり、これを機にディカプリオは休業に入ることが明かされており、今回の来日キャンペーンは1月31日の公開を目前にして非常に貴重な機会となった。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
1月31日(金)より全国ロードショー
監督:マーティン・スコセッシ
製作:マーティン・スコセッシ、レオナルド・ディカプリオ
脚本:テレンス・ウィンター
原作:ジョーダン・ベルフォート著 「ウォール街狂乱日記-「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」(早川書房刊)
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マシュー・マコノヒー、マーゴット・ロビー、ジャン・デュジャルダン、ロブ・ライナー、ジョン・ファヴロー、カイル・チャンドラー