その街ならではのダイナミックな景色や、宝石箱をひっくり返したような煌びやかな夜景を見ながら、特別な時間が過ごせるルーフトップバーは大人にとっての格好の遊び場であり、手軽に“非日常“が味わえる。今回は、出版社、CNN本社勤務などを経て、現在はバー評論家、エッセイストとして活躍している、たまさぶろ氏に、この世の桃源郷といえる世界のラグジュアリーなルーフトップバーを3つ、ピックアップしてもらった。

東京にはルーフトップバーが少ない印象があるが、「ないことはないのですが、東京の場合、ルーフトップとは謳っておらず、行ってみたらルーフトップバーなんてことも。実際に足を運んでみないとわからなかったりします」と、たまさぶろ氏。

そもそもルーフトップバーの魅力はどこにあるのだろうか。

「やはり圧倒的な開放感、ではないでしょうか。日本人にとってのビアガーデンと一緒です。季節の風を肌で受け止めるのはやはり気持ちがいいものです。そんな心地よい空間で、お酒を飲むことができるのはやはり楽しいものです」

では、世界に目を向け、写真を見ているだけでも心が踊る、そんな珠玉のルーフトップバーへ出かけてみるとしよう。

世界のルーフトップバーへの誘い|イスタンブール、シンガポール、NYから mondoalfa_rooftopbar_2-1200x800

Swissotel The Bosphorus Istanbul(スイソテル ザ ボスポラス イスタンブール)

「ここはぜひ、死ぬまでに行きたいバーに入れておきたい場所です。私がこちらを訪れたのは、仕事先の方がホテルを手配してくれ、どんなホテルかまったく知らなかったのですが、現地の友人に会うということになり、『では、私の泊まっているホテルのバーで』ということになりました。

スイソテル ザ ボスポラス イスタンブールは、イスタンブールの新市街・ベシクタシュ地区にある、アジアとヨーロッパの境界線であるボスポラス海峡のパノラマを望む5つ星ホテルだ。

友人との待ち合わせの時間にバーに行ったところ、そこには筆舌には尽くせない景観が広がっていた。

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「ここを紹介せずにどこを紹介するのかという景観です。オスマン帝国の御座所が置かれていたドルマバフチェ宮殿がある丘の上に建ち、ヨーロッパに身を置きながら、海の向こうのアジア大陸を見ながら飲める。世界でもっとも美しいと言われているブルーモスクも見えるシチュエーションで、なにより夕日も目の前に沈んでいきます。誰もいなければ、ずっと泣きながら飲み続けることでしょう(笑)」

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オスマントルコ帝国の栄華を感じさせる風景を眺めながら、美味しいお酒に酔いしれる──。歴史的にも地理的にもさまざまな物語性を含むドラマチックな風景を眼下にいただく美酒は格別だ。

なるほどこの空間に存在することができるなら、どんなものをいただいても美味しいはずだ。

シンガポールではその国の歴史を感じ、そしてNYでは話題のブティックホテルからマンハッタンを望む──

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Text:長谷川 あや