「大人でもなく子供でもない。じゃあ私たちは何者なんだろう。」
人生の分岐点といわれる25歳
その節目に何を感じているのだろうか?
写真家・Ryoskrr(リョウスケ)が
25人の25歳に「いまの答え」をインタビューし
写真に記録する連載シリーズ。
第三回目となる今回登場するのは、プロボクサーの京口 紘人。
25’s view
京口 紘人 / プロボクサー
――自己紹介をお願い。
京口 紘人。プロボクサーです。
――25歳の今どんなことを感じてる?
自分が小さい頃に思っていた25歳はすごく大人だったけど、
意外となってみるとそんなに大人じゃないなって。
少年ってほどでもないけれど、子供だなあって。
でも、それ以上に12歳から始めたボクシングで、
今の自分が”ボクサー”としては大きくなれたと思いますね。
そう意味ではボクサーという職業にプライドを持って、やっています。
――紘人さんがいま持っている、生きていく上での覚悟は?
「命と天秤にかけられるもの。」 ですね。
自分の命と天秤をかけた時にバランスが取れるほど、
命をかけられないと”覚悟”って持てないと思うんです。
だから、覚悟を持ってそれをやるってことは、
命をかけてやるっていうことだと思うんですよ。
“覚悟”は自分の中では、それくらい重いものですね。
生半可な覚悟じゃ生き残れないボクシングの世界で、
みんなが命をかけてボクシングをやっているわけで、
さらにその中でテッペンを狙う、獲るってことは
そういうことなんですよね。
そのくらいじゃないと世界チャンピオンにはまずなれないです。
「なりたいじゃくて、なる。」だから、そのために命をかける。
そういうことです。
例えば世界チャンピオンになるって決めて行動する10年と、
そうでない10年だと大きく差が出ますよね。
僕の恩師の辰吉丈一郎さんが
「世界チャンピオンになりたいでは絶対になれんぞ。なるって言い切れ。」
っていう教えの人だったので、その影響も大きいのかもです。
俳優の方でも歌手の方でもどんな職業でも、
本気でやっている人達は精神的に命かけてると思うんですけど、
ボクシングの場合は相手との殴り合いなんでね。
物理的にも命をかけてるってことです。
――座右の銘は?
「為せば成る」ですね。
成るには為さなくてはならないですよね。
どんな分野でも、それを実現させようと思ったら
それに必要な行動を起こすわけで。
自分の場合はボクシングを始めた頃から、
世界チャンピオンになるっていうことを決めて、
それに対する行動を行ってきた結果が”今”なんです。
努力が必ず報われるっていう訳じゃないですけれど、
成功してる人間は全員が努力をしているんで、
やっぱり、為さないと成らないんですよね。
でも、僕自身は全く自分が努力をしてるって思ってもないんですよ。
というのは、人から見たら並外れた努力に見えても、
自分の目的のためにはそれは当たり前のことなんだって考えてるんです。
――最後に、5年後の自分へ一言。
どこまでいけてるかわからないし、命を落としているかもしれない。
世界チャンピオンとして防衛続けてるかもしれないし、
3階級制覇をしてるかもしれない。
でもどんな時でも、
変わらず自分の目標に向かって行動し続けてるでしょうね。
そのためにまずは、今の階級で防衛し続けます。
その後は、僕以外の3団体のチャンピオンにもなりたいですね。
これまで練習し続けて、積み重ねてきましたから。
うん。
自信は、ありますよ。
京口 紘人
25歳、プロボクサー。
辰吉丈一郎さんに憧れて12歳からボクシングを始める。大阪商業大学に入学し、主将を務める。大学時代には国体優勝などを経て大学を卒業後上京し、ワタナベボクシングジムに鳴り物入りでプロデビュー。そして国内最速、デビューから1年3ヶ月でIBF世界ミニマム級王座を獲得。二度の防衛後に階級を1つ上げ、2018年大晦日、マカオにて世界二階級に挑戦し見事10RTKO勝ちを収めWBA世界ライトフライ級スーパー王座を獲得し、世界二階級制覇を達成した。
Ryoskrr(リョウスケ)
1992年生まれ。
ストリートカルチャーへのアプローチと新たな表現を求めて、NYやLA、イタリアでのスナップからフォトグラファーとしてのキャリアを開始。その他、アーティトや俳優のポートレート、ファッションフォトなど幅広い分野で活動中。渋谷西武×HIDDEN CHAMPION主催の”POP&STREET展 -AN ANNUAL- 2018″に選出されるなど、写真作家としての活動も行なっている。