「大人でもなく子供でもない。じゃあ私たちは何者なんだろう。」

人生の分岐点といわれる25歳
その節目に何を感じているのだろうか?

写真家・三澤亮介が
25人の25歳に「いまの答え」をインタビューし
写真に記録する連載シリーズ。

第8回目となる今回登場するのは、アーティストのLil’ Fang

25’s view
Lil’ Fang / アーティスト

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──自己紹介をお願いします。

ガールズグループ ”FAKY”のLil’ Fangです。
東京出身の25歳。歌手です。

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──25歳の今どんなことを感じていますか?

25歳は自分にとってターニングポイントでした。

FAKYのオリジナルメンバーが辞めて新しいメンバーが加入したのも25歳の間ですし、
生まれて初めて声帯ポリープが出来たのも25歳でした。

これまで10年、歌をやってきて、病気になったことがなく、
しかもそれがちょうどメンバーが変わる時期だったので、不安でした。

初期メンバーの脱退のタイミングだったので、自分自身もFAKYのLil’ Fangではなくて、
Lil’ Fang個人として歌手として生き方を考えた時に、歌えないという状況はすごく辛くて。
その時間は、すごく自分自身と向き合わなくてはなりませんでした。
と言うよりも半ば自分に向き合わされた形です。

ただ、かすれていても声の出せる状態ではあったので、私1人のために他のメンバーや、
その周りのスタッフさんの動きを止めてしまうわけにはいかないので、
無理にでも歌っていかなくてはならないと思っていたんです。

そんな時にお世話になっている方が、
「歌で生きていく人が、こんな一瞬のためだけに、一生の歌の人生をここで止めてはダメだ。
私が止めるから、すぐに治療に専念しなさい」と言っていただいて。

その時に私の最善は、一刻も早く100%元の状態にまで戻すことだと思えました。
なので手術後は精神的にもゆっくりと治すことができ、すごく早く歌いだすことができたんです。

何よりも、これまで当たり前にあったものが急に無くなることがあるという事実が衝撃でしたし、
その衝撃によってこれまでにないほど歌に向き合わされたのも事実です。

でもそれをスタッフさんやメンバーの支えの中で乗り越えられたからこそ、
今まで以上に強い気持ちで歌やメンバーと繋がれたと思っています。

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──あなたがいま持っている、生きていく上での覚悟を教えて下さい。

「売れるまでは辞めない」というのが私の覚悟です。
この覚悟については、過去の経験の影響が大きいですね。

18歳の時に今の会社(avex)から声をかけて頂いたんですが、
その時同じタイミングで、お世話になっていたインディーズの会社の方から、
「うちの事務所からアルバムを出さないか」と言っていただいて。

そこではある程度、人も曲も揃えていただいたんです。
そして「小さい会社だけど、これだけ人も揃えたし絶対にカッコいいものを作るから来てくれないか」と
言っていただいたんです。

迷ったのですが、私の中で音楽や芸術、表現の世界って自己満足の部分が大きいと思っていて、
その自己満足に共感してくれる人の数が大切だと思っているんです。

それで、自分自身の満足の割合が大きく取れるのはインディーズだと思ったんですが、avexの方と会話をしていく中で、共感数の数を多くできて色んな人の目に触れられる機会があるのはavexだと思ったんです。

それを正直にインディーズの方にお話した時に、
「もちろん君にうちに来てもらえたら嬉しいけれど、君が大きくなるためには力不足なこともあると思う。行っておいで」と言われて、avexに所属して、その後FAKYが始まりました。

そういう経験があるので「売れるまでは辞めない」というのが私の覚悟です。

私は、売れるためにこの会社に入ったのに、周りには「音楽を続ける」ということに、
目的が変わってしまう人たちが多くて。ブレたくないんです。それが怖くて。

多くの人に聞いてもらわなくては発信している意味がないと思うので、
今後もしやりたくない仕事が来ても、売れるためならやる。という覚悟で挑んでいきます。

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──座右の銘は?

「努力に勝る天才なし」という言葉です。
これは、天才も努力できなければただの人。という父の教えに強く影響を受けてます。

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──最後に、5年後の自分へ一言お願います。

うーん。私は、そもそもいい意味で未来に期待してないんです。
具体的な夢もないですし。
それは、今日はこれが着たいけど、明日には違う服が着たくなっているかも知れない。
くらいの感覚に似ていて。

あまり自分の言葉で自分を不自由にしたくないんですよね。動けなくなるのがすごく嫌いで。
発言したことで身動きが取れなくなるというか……
自分に何かを課すために、そうやって縛っていくときもあるんですけど、、
「どのアーティストさんが好きですか?」みたいな質問も、
その時々で変わるから「今は〇〇さんを聴いてます」って答えるようにしているんです。

瞬間でやりたい! って思ったことって正義だと思ってるので。
そこに飛び込めなくなる余計なものはなるべく無くして生きていきたいですね。
歌に対して、極力自分を自由な状態にしておいてあげたいんです。

あとは、今からたとえ何を失ったとしても、
友達がいなくても、恋人がいなくても、親が亡くなっても、
この声を失わない限り、私はずっと歌を歌い続けていくので。

それは、たとえ何年後でも確認する必要なんてないんです。

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Lil’ Fang

25歳、アーティスト。

ブリーチされたショートカットにヒネリの効いたファッションを好むLil’ Fang、最大の武器は圧倒的な歌唱力。
アニメ『ガンダムビルドファイターズ』OP主題歌”wimp ft.Lil’ Fang(from FAKY)”にてコラボレーションしたBACK-ONメンバーからも高い評価を受けている。FAKY加入以前渋谷のクラブを中心に洋楽のカバー曲を披露し話題となっていた彼女は、HIPHOPとアニメから洋邦のロックまでと驚くほど広い守備範囲を誇る。「Lil’ Fang(=小さい牙)」とは、彼女が歌の師匠からもらった名前。その名の如く、彼女の歌声は心に突き刺さるような切れ味と、温かな包容力で聴く人々をFAKYWORLDへと惹き込む。現在Akinaと共にMCを務めるHIPHOP専門インターネットラジオ番組「ゴジレプ」に出演中。

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FAKY

“次世代ガールズ・ユニオンFAKY”
フェイクなフリしてとことんリアルに。ルーツもスタイルも異なる最強の5人が集結(=ユニオン)。
2016年に発売した『CANDY』はiTunes総合トップアルバムにおいて、アリアナ・グランデ、レディオヘッドに次ぐ3位を獲得。
2017年に発表した”Surrender”は「Spotify Viral Top 50チャート」にて日米Top10入りを果たした。
2019年7月には、ガールズパワーをテーマにしたダンスシングル3部作のリリースを発表。
第1弾”GIRLS GOTTA LIVE”は8/23にMV公開、配信スタート。
ブラジル公演やカナダ公演で大成功を収めるなど、世界のトップクリエイターを迎えたクリエイティブの高さと彼女達のパフォーマンス力に各国から注目が集まっている。

FAKY – GIRLS GOTTA LIVE

三澤亮介

1992年生まれ。福井県出身。
ストリートカルチャーへのアプローチと新たな表現を求めて、NYやLAでのスナップから、フォトグラファーとしてのキャリアを開始。
帰国後は、アーティトや俳優のポートレート、ファッションフォトなどで活動中。
写真家としても渋谷西武×HIDDEN CHAMPION主催の、”POP&STREET展 -AN ANNUAL- 2018”への選出や、
来年1月には、”FILA”から「RyosukeMisawa×FILA」フォトコラボアイテム発売されるなど、精力的に活動を行なっている。

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