自分たちのバックボーンは大事にしようかなって。無理してEDMを取り入れたり、ダブステップっぽい方向に寄せたりとかじゃなく、純粋にやりたいことをやる(ALI&)

――アルバムに参加したゲストについてもお聞きします。昨年12月リリースの『Gone EP』から表題曲の“Gone”が収録されていますが、やはりKenKenさんの強烈なベースラインにはぶっ飛ばされますし、アルバムのハイライトのひとつだと思います。この曲にはどんな思い入れがありますか?

ALI& やっぱり彼に16分音符とか8分音符の、めちゃめちゃシンプルなベース/ルートを弾いてもらった……というのが僕らにとってのハイライト(笑)。

JUN サビのコード進行とかは当初と全然違ったんですけど、KenKenさんが弾いていくうちに「コッチの方がいいんじゃない?」って提案してくれて。どんどんアイディアを出してくれたから選び放題みたいな状態になってきた中で、さらに研ぎ澄まして作っていった曲ですね。


――ダンス・ミュージック全般で、ベースラインが特に印象的な曲というと何が浮かびますか?

JUN ベースがヤバいかというとあまり記憶がないんですが、最近〈XLレコーディングス〉からリリースしていたトラックメイカー(おそらくLe1f)が良かったです。結局は「一筋縄ではいかない」ベースラインというか、そういう音に惹かれるのかも。

ALI& 僕はやっぱり、ケミカル・ブラザーズのベースラインは一貫してずっと面白いなって思います。

「フィーチャリング」を軸にした新作『5』の制作背景を、80KIDZに直撃!! interview160323_80kidz_3

――“J.M.F”にフィーチャーされたマイカ・ルブテさんは日本で活動する女性SSWですが、この曲とジャマイカのアントワンが歌う“Good and Best”の2曲が続くことで、すごくフレンチ・ポップっぽい雰囲気が出ていますよね。いずれも歌詞は本人たちにおまかせしたのですか?

ALI& そうですね、マイカの場合はほぼ曲が出来上がっていて、これにヴォーカルを入れるか・入れないかというギリギリの段階で急遽お願いしました。歌詞に関しては「ストリート感」というか「ホームレス感」というか……(笑)。全然華やかではないイメージを伝えていましたね。フランス語で書いてもらうのは僕からのリクエストです。で、ジャマイカに関しては今までにない作り方をしていて、アントワンがアコースティック・ギターで弾き語りをした曲を送ってきたんですね。それをJUNさんがトラックに落とし込んで、それを僕がジャマイカがやりそうなテイストに寄せつつ、80KIDZらしさも残して……結構リミックスに近い作り方だったかもしれません。

――いっぽう、CapesonやOBKRさんら〈Tokyo Recordings〉人脈も客演していますね。彼らとはクラブ・イベントなどでずっと交流があったのでしょうか?

ALI& いや、Capesonとは面識なかったんですけど、OBKRくんはもともと仲が良くて。

JUN 彼が以前やっていたN.O.R.K.がすごく好きで、何度かライブ見に行った際に紹介してもらったんですよ。それで『FACE』のツアーの時にゲスト・ヴォーカリストとしてサポートもしてもらっていたんで、「次のアルバムで何か一緒に作れたらいいな」って考えていました。だからやっとカタチにできた1曲です。

――彼らは90年代生まれで、実力も才能もある人たちですが、どんなところに惹かれてオファーしたのですか。

ALI& 才能あると思いますね。

JUN なんだろ、僕らがオジサンになったからかもしれないんですけど(苦笑)、「楽しそうだなあ」「好きにやってんな」って気持ちで応援しています。

ALI& でも、彼らは彼らで80KIDZのことを「楽しそうだなあ」って思っているみたいですよ(笑)。僕らが体験できないことを彼らは体験できるし、逆に彼らが体験してないことを僕らは体験してきていますからね。でも、僕は彼らと一緒にいて「先輩・後輩」みたいには全然感じてないし、フツーに外タレと遊んでいるみたいな感覚。 

JUN やっぱり早熟じゃないですか。だから10年後とかに彼らがどうなっているんだろう? っていうのを見守りたいというか、ある意味でお父さん的な立ち位置もちょっとあるのかも(笑)。

――“Joke”や“Ciao”でがっつり踊らせてから、終盤の歌モノを畳みかける展開がホントに濃密で素晴らしいなと思いました。ここ最近はJack Üやメジャー・レイザーなど、ダンス・ミュージックの大御所も積極的に生楽器やヴォーカル・トラックを取り入れているように感じますが、そのへんの「流れ」とかは意識されましたか?

ALI& まっったく考えてなかったですね。僕らライブに関してはあえて「生」じゃない感じでやるんですけど、どちらも無意識的にというか。

JUN もちろん、ああいうサウンドも好きなんですけどね。ディプロとかスクリレックスは「天才だな」って思うし、<ULTRA>でスクリレックス見たときもカッコ良かったもんね(※80KIDZは2015年の<ULTRA KOREA>に出演)。でも、だからと言ってそういう音を作ろうとはしませんし。

ALI& なんか、自分たちのバックボーンはちゃんと大事にしようかなって。無理してEDMを取り入れたり、ダブステップっぽい方向に寄せたりとかは、別にやんなくて良いし……。純粋にやりたいことをやる、それだけですね。

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2人が新生活を迎える人に捧げるプレイリストって?

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80KIDZ『5』RELEASE LIVE TOUR

2016.05.03(日・祝)
OPEN17:30/18:00
大阪 心斎橋 JANUS

お問い合わせ:GREENS(06-6882-1224)

2016.05.04(水・祝)
OPEN17:30/18:00
愛知 RAD HALL

お問い合わせ:ジェイルハウス(052-936-6041)

2016.05.07(土)
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盛岡 CLUB CHANGE WAVE

お問い合わせ:CLUB CHANGE WAVE(019-613-6618)

2016.05.15(日)
OPEN17:30/18:00
東京 LIQUIDROOM

お問い合わせ:H.I.P.(03-3475-9999)

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photo by Kohichi Ogasahara