mysoundが注目するさまざまな分野の人物に、テーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードや思い入れを語っていただくプレイリスト企画。今回はMV女優いう独自の肩書きを名乗り注目を集め、モデル・DJ、ブランド『surreARIS』のディレクターを務めるなど、多方面で活躍するアリスムカイデさんに“夏にときめくロックミュージック”というテーマでプレイリストを作成していただきました。ミステリアスなアリスムカイデさんの本質が少しだけ見える14曲をご紹介します。
アリスムカイデ “普段の自分はオフで愛されればいい”
——MV出演やDJ、音楽番組出演など、ムカイデさんにとって活動面でも縁深い音楽ですが、普段はどう付き合っているのでしょう?
アリスムカイデ(以下、アリス) 音楽は四六時中聴くし、ライブやフェスにもよく行きます。基本的にMVを観ることが好きで、映像がいいなと思ったことがキッカケで好きになったアーティストもいますね。
——「MV女優」というワードで注目を集めていますが、ご本人はどのようなものだと思っていらっしゃいますか?
アリス モデルの仕事でも主役は服で自分はそのイメージをよりよく伝えるためのマネキンだと思っているし、MVでも私は曲の良さを一人でも多く伝えるための要素のひとつだと思っています。求められない限り自己主張する気はないですね。もともとアリスムカイデ自体が求められて出来たキャラクターなので。
——自分自身の本質的なところとは、ちょっと違う?
アリス 急にブチ切れたりしないし、全然クールでもないですよ。赤文字系の純粋な美人には勝てないけどこのキャラで行けば道は作れるかなって。かといって、全然無理はしていなくて。どちらも嘘じゃないし、こっちはこっちで楽しんで、普段の自分はオフで愛されればいいので。
——今回のプレイリストから普段のムカイデさんが垣間見られればいいなと思います。テーマは、“夏にときめくロックミュージック”。ときめくっていうワードが意外でした。
アリス ああ、たしかに。「椎名林檎好きでしょ?」とか聴かれるんですけど、実は俄然、aiko派なんですよ(笑)。実際恋愛ばかりして生きてきたし、ときめいてないと生きている意味ないんじゃないかと思っているので。プレイリストでもそういう感じは出そうかなと
——そんなプレイリストのオープニングは、BIGMAMA“春は風のように”。夏のプレイリスト、といいつつ……。
アリス 1曲目から思いきり春ですけど(笑)。四季を歌っているので、1年中聴いちゃうんですよね。BIGMAMAは、ずっと好きです。中でも「計算高いシンデレラ」が自分のテーマソングだと思っていて。かかとを潰してガラスの靴を無理矢理履いて、今どき運命は自分でたぐり寄せないとねっていう歌です。
——2曲目は、Mrs.GREEN APPLE“サママ・フェスティバル!”。ザ・夏ソングで、こちらも少し意外性のあるチョイスですね。
アリス 根っこの私が好きな曲です。最近自分がアリスムカイデ像に引き寄せられている感じがしていたんですけど、これを聴いたとき「ああ、よかった。私、まだ残ってる。」って安心しました。本当は“運命の出会い”とか信じちゃうぐらい楽しく生きることが大好きなので、最近は笑顔を解禁したり素の自分に寄せていこうかなって。
Mrs.GREEN APPLE – “サママ・フェスティバル”
——3曲目も夏らしく西海岸ノリのハイテンションな曲。TOTALFAT“Summer Frequence”。
アリス 夏はメロコア・パンクでアツく行こうってことで、その中でもみんなで聴いて盛り上がった思い出のある曲ですね。もともとはHi-STANDARDがきっかけで、メロコア好きになって。
——ライブに行ったら?
アリス もちろんゴチャゴチャしたなかにいます(笑)。
——4曲目は、Czecho No Republic“Amazing Parade”。
アリス これは年越しのカウントダウンフェスの1曲目で、そのとき観た思い出も相まって、すごくキラキラしたイメージが強くて。一年中いつでも聴けるけど、とにかく夏に聴いていて楽しい曲です。
Czecho No Republic – “Amazing Parade”
——5曲目は、chelmico“Summer Holiday”。テーマにはロックとありますが、ここでメロウなラップミュージックが。
アリス 1曲ゆるいの挟んどこうかなと。今回選んだ曲って「星・花火・海」っていうワードが出てくるんですけど、この曲は海ですね。普段の2人とのギャップも含めて、すごくカッコいいです。
——ムカイデさん自身、現在の活動と平行して音楽活動を……というようなビジョンはありますか?
アリス 音楽活動ではないけど、今回立ち上げたブランドの映像用に曲を作ろうかなと。「歌うモデル」のイメージについて考えることもあるけど、自分の人生なんで機会があるなら欲張っていいと思うし、やれることは全部やりたいなって思っています。
夏にときめくロックミュージック残り9曲をチェック!
interview & text by 野中ミサキ
photo by 中村しんたろう