THE OTOGIBANASHI’SCreativeDrugStore(以下、CDS)のBIMが1stアルバム『The Beam』を7月25日(水)にリリースする。

SpotifyやAWAなどの各サブスクでは、MVが去年の12月にパリで撮影され、自身が着用したCDSとREEBOK CLASSICのコラボウェアが大きな話題となった“Bonita”をはじめ、“BUDDY feat. PUNPEE”、“Tissue”の3曲が先行配信された。

また、7月7日(土)に代官山UNITで開催された『The Beam』初披露会では、チケットが即完売となるほどの大きな盛り上がりを見せた。

BIM – Bonita

BIM – Tissue

どこか煮え切らない自分がいると気づき、ソロ活動を本格的に始動したというBIM。今回、1stアルバム『The Beam』についての話や、BIM自身がこのアルバムで何を表現したかったのかなどを聞いた。

Interview:BIM

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180711_bim_5-1200x803
——本格的にソロアルバムを作ろうと思った経緯を教えてください。

CDSのメンバーがそれぞれ自分の本当の趣味を追求したい時期、VaVaくんがソロ出したりとかがあって。それでも最初、自分はソロをやることを考えていなかったんです。オトギ(THE OTOGIBANASHI’S)が大事だから、そこをどうするかってことばかり考えてました。

けど、今やっても予想の範囲内でのオトギにしかならないって思いました。自分個人としての力を知らないから。どこまで自分が評価されるかよりも、自分のことをどれだけ自分で納得できるかってことを分かっていないからかなって。オトギなら計画的にアルバムを作ることができたのかもしれないけど、今は自分の未知数なところを探りたいなって思ったんです。

俺とin-dとパル(PalBedStock)、それぞれみんなの力でものができるってならないと、次のオトギも面白くないし、俺自身もワクワクしないなって。あとはSUMMITの後押しや、同世代でもの作ってる友達がソロ聴きたいって言ってくれたりして。じゃあソロやってみようかなってなりましたね。それまでにビート提供とかはしていたんですけど、個人で動くことをやったことなかったから、ひとりで動くことにすごいワクワクできたのかもしれないです。

——制作期間は、どのくらいだったのですか?

“Orange Sherbet”はアルバムに入れるつもりで作ったわけじゃないから、それを抜いたら1年3ヶ月くらい。俺、スピード遅いんでケツ叩いてもらってやるのも面白いかなって。本当は去年中に出そうとしてたんです。けど、やり始めちゃうと凝っちゃって、じっくり作ろうってなって今に至った感じですね。

それでも、もっと早く上がる予定だったんです。リリースが遅れたことで、いろんな人に迷惑かけちゃったんですけど、さっき話したソロの意味もあって、今回は自分が納得する方を優先したいなと思ったんです。アルバムは今日の朝3時くらいにやっと終わって、今納品しに行ってる感じですね。

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180711_bim_9-1200x803

——THE OTOGIBANASHI’Sの1stと2ndはコンセプトがはっきりしているように感じたのですが、今回の1stアルバム『The Beam』にコンセプトはあるのですか?

アルバムのはっきりとしたコンセプトがないんですよ。ファンタジーを描きたいわけではなくて。ファンタジーを描くことより、自分のことや、普段思ってること、周りのこととか。大きく言ったら世の中のこと。それをどうやって気持ちよくライムするかってことを考えました。ひとつの物語を作ろうってことじゃなくて、いろんな曲をアルバムにしたら言いたいことや、やりたいことはこういう感じ。ひとつの個展みたいな。いろんな作品があって、個展のために作ったわけじゃないけど、ひとつの枠にしたら、BIMっていうラッパーがどんなやつなのかが分かるようなアルバムにしたいと思ってたんです。

オトギでやるときは、最初に枠組を考えるとこからスタートしてた感じなんですが、そうじゃなくて自分はどういうやつなのかっていうのを自分自身も分かりたいっていうのがあった。それで一個一個答えを探して作っていった感じですね。

「The Beam」ってタイトルも、俺がラップをin-dとかと始めた頃につけた名前がBEAMだったからで。ラップやってたって言っても、世の中に一曲も残ってないですけどね。BEAMがBIMに変形していった感じなので、アルバムのタイトルにもそんな意味はないですね。さすがにBIMってタイトルだときついので(笑)。

——なるほど。『The Beam』のジャケットにはBIMくんが4人写っているのが印象的ですが、これには何か意味とか込めているのですか?

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180705_bim_9-1200x1201

ジャケは俺のいろんなとこって意味なんです。カッコつけちゃうときもあったり、地元の友だちといるときの寝癖で出ていけるときとか、全部ひっくるめて自分は自分だなっていうとこがあって。この4人はちょっとずつ表情が違くて、キャラ設定も自分の中であるんですけど、その4人がいて全部自分だよっていう。それと自分との対話。場所は実家の外で。

オトギの1st『TOY BOX』のジャケが実家のリビングなんですよ。オトギの1stは実家の中で、自分の1stは実家の外。“Bonita”でも言ってるけど、「等身大が1番難しい」っていうところに、自分は今回のアルバムを作る上で大事だったかもしれないです。カッコつけちゃう自分も、普段のダサイ自分も自分だしってとこで。モラトリアム期っていう子供と大人の間。みんなは就職するとき、そうなってるのかもしれないから遅いんですけど、俺はラッパーとしてソロでやることが、それの一歩になるのかなって。

だから、等身大の自分をなるべく出したかった。すごいセットでジャケを撮るよりも、友達に衣装やってもらったり、友達がやってるブランドの服着たりとか。そういうので、このジャケになりました。

——『The Beam』のビートメイカーに日本問わず、海外からも豪華なメンツが揃っていますが、提供してもらう理由みたいのはあったのですか?また、唯一の客演にPUNPEEさんを招いた経緯を教えてください。

海外勢は俺も知らなかった人とかもいたけど、SUMMITのRenくんが連絡とってくれたりして、ビートをもらった感じですね。客演に関して、最初はなしにしよう思ってたんですけど、自分のソロ出すときには、やっぱりPUNPEEくんには入ってほしいなって思ってオファーしました。

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180711_bim_7-1200x803

——THE OTOGIBANASHI’Sの1stアルバム『TOY BOX』の発表から5年が経ちましたが、当時の頃と比べて、なにか変化があったりしましたか?

服装とかは昔から変わってるんですけど、音楽に対しての熱量はオトギの1stから変わってないかもしれないです。服は俺の中でそんなに最重要な項目じゃないけど、音楽はダントツで自分の人生に影響を与えたものだから。音楽に対しての熱量は変わってないけど、自分ってどんな音楽が好きなのかってことが精査されたのはあるかもしれないです。

オトギの1stと2ndの間の時間や、ライブだけやってる期間に、本当にそれが好きなのかってことを追求できる時間があったので。そういうときに俺ってどういうものが好きで、どういうものが得意なのかなって考えたりしました。成長って言ったらあれですけど、音楽活動をする上で変化はあったかもしれないです。

——BIMくんは自分のライフスタイルの中で、どんなときに音楽作りをしているのですか?

仕事の時間とか考えてないかもしれないです。全然良くないことなんですけど、やりたくなかったら納期近くてもやらないし、思いつかなかったらダメってとこがあるから。常にラップを書いたり音楽作ることは頭の中にあるけど、なるべく無理して作らないようにしてますね。やらされてるわけでもないから、やりたくなかったらやらなくて良いし、やりたいって思ったタイミングでやってる感じですね。俺の場合そういう風にしないと作れない。納期がカツカツだとできなくないけど、自分の中で100%納得いくものが出せるのかが自分の中で分からない。何時から何時までラップ書いてるとかは、大まかには決めてるけど、今日無理ってなったら酒飲む感じですかね。

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180711_bim_2-1200x803

さすがにアルバム納期ギリギリの時期は、こもってやりました。普段、音楽をやってるときは仕事やってるって感じでやってるときはないですね。

今回のアルバムは全部、自分の部屋で録ったんですよ。ミックスは坪井さん(The Anticipation Illicit Tsuboi)に頼んだんですが。

アルバム作ってるときは都内に出るのが億劫でしたね。時間がもったいねえって。よく考えたら、飲んでないときと都内に出る以外は、だいたい歌詞書くか、ビート作ったりしてるかもしれない(笑)。

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180711_bim_8-1200x803

Text & Photo by Toru Miyamoto

RELEASE INFORMATION

The Beam

【インタビュー】BIM『The Beam』|「等身大の自分をなるべく出したかった」 interview180705_bim_9-1200x1201

NOW ON SALE!!!

Label:SUMMIT, Inc.
No.:SMMT-111/XQMV-1012
Price:¥2,500 + tax

Tracklist
1. Power On(Produced by BIM)
2. Bonita(Produced by VaVa)
3. BUDDY feat. PUNPEE(Produced by Rascal)
4. サンビーム(Produced by Astronote)
5. Orange Sharbet(Produced by BIM & VaVa)
6. Tissue(Produced by JJJ)
7. Beverly Hills(Produced by OMSB)
8. Starlight Travel(Produced by Rascal)
9. D.U.D.E.(Produced by Astronote)
10. TV Fuzz(Produced by BIM)
11. Red Apple(Produced by BIM)
12. Bath Roman(Produced by BIM)
13. BLUE CITY(Produced by BIM)
14. Magical Resort(Produced by BIM)
15. Power Off(Produced by VaVa)
16. Link Up -Bonus Track-(Produced by Lanre)

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