2011年、最新のダンス・ミュージックを紹介する「インターネットラジオ」という形でスタートしたblock.fm。現在は気鋭のアーティストやDJが、この場でしか聴けない貴重なトークを交えながら幅広いジャンルの音楽を紹介する多彩な番組を日々オンエアし続ける一方、オンラインフェスの開催など、「音楽マルチメディア」としての広がりを見せている。そんなblock.fmが今年11月に設立から10周年を迎えた。
そこでblock.fmを主宰する☆Taku Takahashi(m-flo)と、mabanua、Kan Sano、Shingo Suzuki、関口シンゴ、Nenashi a.k.a. Hiro-a-key、Michael Kanekoなどの気鋭アーティストが所属していることで知られる〈origami PRODUCTIONS〉の代表・対馬芳昭との対談が実現。m-floとしてはもちろん、DJ、プロデューサーとしての活動と並行して、この10年間、さまざまな試行錯誤を続けながら、仲間たちと共にblock.fmという「場所」を築き上げてきた☆Takuと、2007年にレーベルを立ち上げて以降、シーンにおける存在感を着実に増し続けている〈origami PRODUCTIONS〉の対馬。彼らは日々変化し続ける日本の音楽シーンの中で、どんなことを考え、何を成し遂げてきたのだろうか。
メディアとレーベル──それぞれの分野についてはもちろん、サブスクリプション・サービスや近年活況を呈している音声メディアについて、さらには今後のメディア/レーベルに求められるものや、それぞれの今後の展望に至るまで、さまざまなトピックについて語り合ってもらった。
Interview:
☆Taku Takahashi × 対馬芳昭 対談
エコシステムとしてシーンを押し上げるメディアとレーベル
──そもそも10年前、☆Takuさんは、どのような状況認識と理由のもと、block.fmを立ち上げられたのでしょう?
☆Taku Takahashi(以下、☆Taku) block.fmを立ち上げる少し前ぐらいから、音楽の世界でいろいろ面白いことが起こっていて、ダンス・ミュージックがまた新しくなる時期だったんですよね。ダンス・ミュージックには呼吸みたいなものがあって、すごくイノベーティブな時期と保守的な時期が交互にくるところがあるんですけど、その頃はイノベーティブな時期で。
要は、EDM以前、エレクトロクラッシュが出てきたようなタイミングだったんですけど、そういったアーティストが世界でどんどん面白い曲を作っていて、それと同時に日本からも素晴らしいアーティストたちが続々と出てきていたのに、そういう音楽が既存のラジオ局ではあまり紹介されていなかったんです。だったら自分でやろうと思って、最初は自分の名前を伏せて、海賊ラジオみたいな形で始めたんですけど、もっと広がりが必要だなと思ってゲストを招くようになって。そこからやっぱり、みんながそれぞれ発信していく形にしていくべきだなと思い。2011年の11月11日に、block.fmが誕生しました。
──そんなblock.fmの動きを、〈origami PRODUCTIONS〉(以下、origami)の代表である対馬さんは、当時どのように見ていたのでしょう?
対馬芳昭(以下、対馬) そもそも10年前には、そういうスタイルのメディアがなかったので、やっぱりすごく衝撃でした。あと、僕は元々ビクターエンタテインメントで洋楽の宣伝に携わっていて、クレイグ・デイヴィッド(Craig David)とかを担当していたんですね。その頃日本では、m-floさんがいち早くガラージとか2ステップみたいなものを取り入れていたので、実はクレイグと☆Takuさんの対談を企画させてもらったこともあったんです。
当時、そういう2ステップみたいなものが出てきたのは、やっぱりイギリスの海賊ラジオというか、いわゆる「パイレーツ・レディオ」からだったんです。海の上だったら電波法に引っ掛からないから、船を出してそこから発信するっていうギリギリのことをイギリスではやっていたんですけど、その頃の音楽カルチャーは、全部そこから生まれているみたいなところがあって。でも、日本ではなかなか難しいよなって思っていたらblock.fmが始まって、「なるほど、こういうやり方があったか」と。あと、☆Takuさんと一緒にblock.fmを立ち上げたTJOさん──ジョンさんは、僕らが〈origami〉をやり始めた頃から、すごく注目してくれていて、彼がやっているイベントに、よく呼ばれていたんですよね。
☆Taku <absolute!!>ですね。
対馬 そうです。トラックメイカーたちが自分の曲を1曲だけ流して、バトルじゃないけど、どれが良かったのか決めるっていう面白いイベントがあって。そういうイベントをやっていたジョンさんと☆Takuさんが、block.fmをやり始めたのは、ある意味必然だったというか、これはすごいなって思って見ていました。
☆Taku 対馬さんが独立して、〈origami〉を始めたきっかけっていうのは、何だったんですか?
対馬 それが、☆Takuさんの話とちょっと似ていたんです。新しいカルチャーが出てきたときに、それをどうやって押し上げるかが、やっぱりすごく大事だと思ったことがきっかけです。アメリカのシーンでは、たとえば、ビヨンセ(Beyonce)とかジェイ・Z(JAY-Z)がメインストリームで売れている一方で、エリカ・バドゥ(Erykah Badu)とか、コンシャスな音楽も、ちゃんと押し上がっていた。
つまり、カルチャーの両輪が、ちゃんと回っているような気がしたんですよね。もちろん、そのベースには、ゴスペルとか教会っていうものがあって、さらにはアポロシアターみたいなバックグラウンドもあるんですが。メインストリームに上がっていくものもあるけど、それ以外のところもちゃんと回っているというか、その全部でひとつのシーンを作っているようなところがあると思ったんです。
☆Taku アメリカの場合は、そういうものが、ひとつのエコシステムとして、ちゃんと回っているんですよね。
対馬 シーンを長く成立させるためには、そのベースにあるものもちゃんと見ていかないと、本当の意味で回っていかないと思うんですよね。R&Bやヒップホップ、あとダンス・ミュージックもそうですけど、やっぱりストリート・レベルのものに、これからヒットするものがいっぱいあるわけで。
その全部がバランス良く回ると、シーンとしてちゃんと回り始める。僕にとっては、やっぱりそこがテーマであって。ビクターに所属していた当時は、個人的にも興味深いアーティストに関わらせてもらっていたんですけど、日本のシーンには何かピースが足りないなと思って、会社を辞めて、2007年に〈origami〉を立ち上げました。
──そんな〈origami〉の動きを、☆Takuさんは、どのように見ていたのでしょう?
☆Taku 僕はKan Sanoさんで初めて〈origami〉の存在を知ったんですけど、レーベル自体が独自のカラーを持っているじゃないですか。〈origami〉のアーティストって、今はSpotifyのメインストリームの中にも入っているけど、僕が知ったタイミングは、EDMとかエレクトロニックなものが結構主流になっている頃だったので。そういう中で、ある種オーガニックな手触りを残した形というか、自分たちの筋をずっと通しているのは、すごいことだなと思います。
origami Works 2021-2018 – origami PRODUCTIONS
──そういうレーベルとしてのカラーみたいなものは、対馬さんがある程度意図的に打ち出していったのか、それとも集まった人たちが、たまたまそういう人だったのか、そのどちらだったのでしょう?
対馬 その両方があったと思います。〈origami〉の場合、アーティスト自身が時代によって自分たちの音楽性を変えていっているようなところがあって。それこそmabanuaの1stアルバムでは、ジャジー・ヒップホップというか、かなりコアなヒップホップをやっていたんですけど、2ndではもう少しトロ・イ・モワ(Toro Y Moi)を思わせるような表現に変わっていたり。Kan Sanoも最初に比べるとだいぶ変わってきていて。
☆Taku 今は、自分で歌ったりしていますもんね。
対馬 そうですね。それぞれのアーティストがどんどん変化していっているんですけど、一貫して変わってないのは、プレイヤーというかミュージシャンシップみたいなところなんですよね。そこは多分最初から一貫していて、やっぱりプレイヤーがフィジカルに音を奏でるっていう。もちろん、サンプリングもしますし、そこは自由なんですけど、自分たちはプレイヤーなんだっていうところの軸は、ひとつポイントとしてあると思います。
☆Taku あと、〈origami〉の人たちは、いろんなアーティストのサポートもやられているじゃないですか。そこが僕、すごく好きなところなんですよね。昔って、サポートの人はあくまでもサポートの人で、自己表現する人があまりいなかったけど、Kan Sanoさんも、フェスとかに出たら自分のライブをやりつつ、他の人のサポートでもステージに出たりしていて。そこにプレゼンスを感じるし、それによってシーン全体が面白くなっているような気がするんです。
対馬 僕らがやっていることは、最初に☆Takuさんが言っていたblock.fmのコンセプトに、ちょっと近いところがあるのかもしれないです。メディアとレーベルっていう違いはありますけど、いろんなアーティストをちゃんとピックアップして、それを他のアーティストと繋げていくというか。
☆Taku シーンにとっては、そこがいちばん大事なんですよね。メジャーレーベルともいろいろ掛け算しながら、ドーンと行ってもらって、全然構わないっていう。
対馬 そうですね。でも、これから上がっていくものを、グッと押し上げてあげるのって、やっぱりblock.fmのようなメディアだと思うんですよね。
──この「コロナ禍」で、ライブも含めていろんな状況も変化しましたが、そんな中で音楽の聴き方、あるいは向き合い方みたいなものって変わりましたか?
対馬 そうですね……僕らがレーベル運営していて感じるのは、インストの音楽が、これまで以上に聴かれるようになっている点ですね。実際、インストの需要が高まっているのは、〈origami〉に所属しているアーティストの楽曲の動きとかを見ていても感じます。
〈origami〉は、基本的にはプレイヤー集団なので、フィーチャリングで誰かに歌ってもらったり、自分たちでちょっと歌ったりするときもあるんですけど、インスト曲を収録する事が多いんです。アルバム単位で聴くと、ちょっと箸休め的な感じで聴く方が多いかもしれませんが、それをサブスクに投げると、インストの方が再生回数が伸びていたりすることもある。そういう現象が、このコロナ禍の中で生まれてきているので、ここからまた音楽の嗜好性みたいなものが変わっていく可能性もなくはないのかなと思っていて。
☆Taku それはインストの部分がしっかりできているからですよね。だからこそ聴いてもらえるというか、〈origami〉のサウンドはそこがちゃんとしているから。インストで聴いても、レーベルのフレーバーみたいなものがしっかり感じ取れるじゃないですか。そこは〈origami〉のアーティストの強みなんだと思います。
対馬 ☆Takuさんにそう言っていただけるのはすごく嬉しいです。さっき言った足りないピースの話じゃないですけど、この状況の中でインストっていうものがようやくひとつハマってきたのかなと。☆Takuさんはいかがですか?
☆Taku 自分は音を作る側でもあり、リスナーでもあるんですけど、やっぱりチルな曲が増えましたよね。で、多分その反動がそろそろくるんじゃないかと思っていて。アメリカとイギリスでは、すでにその傾向が強まっているじゃないですか。日本でも、これからお客さんがまたライブ会場で声を上げられるようになっていったら、リリースされるものもきっと変わってくると思うんですよね。
これからのメディアに求められる「編集」と「繋がり」の重要性
──block.fmが参考にしている海外のメディアはあるんですか?
☆Taku それはもう最初から圧倒的にBBCですね。サウンドの作り方はもちろん、編成の部分でも、すごく参考にしています。やっぱり、ライフスタイルみたいなものがちゃんと考えられて組まれているんですよね。あと、それぞれの番組にもちゃんと繋がりがあって、ゲストを招いたときのトークも、その作品だったりアーティストの話だけではなく、程よくバラエティっぽさがあるんです。それによって、そのアーティストの人柄だったり性格が見えてくるというか。なので、そういったところは、立ち上げから今に至るまで、ずっと参考にしています。
対馬 僕もやっぱり、BBCはすごいなって思っていて。トークの部分もそうなんですけど、ホームページの作り方とかも、すごく面白いんですよね。音楽だけでなく、重厚なテーマの記事やニュースが上がっていたり。あと、BBCの場合、サブミット(登録)ボタンを押すと、海外にいる僕らでも簡単に楽曲を送ることができるんです。で、ちゃんと聴いてくれるんですよね。日本でそこまでやっているラジオ局って少ないじゃないですか。だからこそ、無名のインディーズの楽曲とかもちゃんとピックアップできるんですよね。
──近年は、ラジオだけではなく、ポッドキャストであったり「しゃべり」のコンテンツが急増しているように思えます。そのような状況について、おふたりはどのように感じているのでしょう。
☆Taku 僕らが若い頃って、レコードとかCDだったじゃないですか。そこにはライナーノーツが入っていて、解説であったり、誰がどういう楽器を担当したとか全部書いてあったけど、今はサブスクが主流になって、そういうものを伝える場所が無くなってしまっている。だからみんな、セルフライナーノーツ的なことをポッドキャストとかインスタライブでやったりしているんじゃないかな。
対馬 そうですね。あとやっぱり、スマホの存在が大きいのかもしれないですよね。スマホひとつあれば、何かをやりながらでも簡単に聴くことができるっていう。それこそ、block.fmの番組は、「しゃべり」の部分もすごく面白いというか、いろいろ勉強になるんですよね。「ながら」で聴いても、そこでいろんな情報を仕入れることができる。僕はYANATAKEさんの番組(『INSIDE OUT』)が好きで、実はそこでいろんな情報を仕入れているんです。
☆Taku そう言ってもらえるのは、めちゃくちゃ嬉しいです。block.fmを立ち上げた頃は、DJミックスとかを流しているだけで、すごくみんな喜んでくれたんですけど、そのあとSoundCloudが台頭してきて、さらにサブスクが普及していって……。
対馬 なるほど。むしろあえて「しゃべり」の部分を入れているわけですね。
☆Taku そうなんです。単純に、音楽だけが流れるメディアだったら、他にもたくさんあるよねっていう。そのときに思ったのが、もちろん音楽の紹介はするんだけど、そこでいちばん大事なのは、やっぱり「熱量」だなっていうことだったんです。それがいちばん伝わるのは、やっぱり「しゃべり」だなって思って。
もちろん、文字も大事だし、音声も大事だし、映像も大事なんですけど、それこそさっき対馬さんがおっしゃったように、やっぱりスマホの登場が大きいのかもしれないですよね。ユーザー側もそのときの状況というか、TPOに合わせて使い方が変わるじゃないですか。電車で移動しているときは、文字で書かれた記事をゆっくり読みたいよねとか、歩きながらや車を運転しているときは、音声で入ってくるほうがありがたいよねとか。そのどっちにも特性があって。だから記事も大事だし、音声も大事だし、そこは使い分けだと思うんですよね。
『ANDREW LOUNGE RADIO』
block.fmより配信されているポッドキャストプログラム
──おふたりは、「これからのメディアに求められるもの/求めるもの」って、どんなものだと思いますか?
☆Taku 僕は割と見えていて、それこそ今って、SNSを使って、個人でいくらでも発信できるような時代じゃないですか。というか、書き手としゃべり手の数は多い。だからこそ、これからのメディアに求められるものって、やっぱり「編集」だと思うんですよね。「編集」っていうのは、文字だけとかではなく、その全体の構成とか見せ方も含めて、それをどうやって味わってもらうかっていう「料理」の部分だと思うんです。素晴らしい素材をどう料理したら、たくさんの人に最後まで味わってもらえるか。
──対馬さんはいかがですか?
対馬 それこそラジオやポッドキャストを含めた音声メディアは、これからまだまだ伸びていきそうですよね。やっぱり、スマホの時代になって、「ながら」でいろんなことができるようなったからこそ、耳だけのメディアが強いっていう。
☆Taku そうですよね。映像に勝てるポイントっていうのは、やっぱり僕も「ながら」で楽しめる部分だと思っています。
──☆Takuさんは、block.fmを運営する上で、最近何か心掛けていることってあるのでしょうか?
☆Taku これは、テレビとかマスメディアだけでなく、ネットとかもそうなんですけど、やっぱり今は、ファン・ベースで人が移動するんですよね。実際、そのファン・ベースがどれくらいの規模なのかで、視聴率や聴取率が変わってくるという。今の時代って、「とりあえずテレビつけるか」みたいな感じではないじゃないですか。何か目的があって、テレビを観たり、ラジオを聴いたり、ウェブを見たりする。
そこは無視できないところだと思うんですけど、そこだけに頼っちゃうと、結局消費するだけで終わっちゃうと思うんです。だからメディアがやるべきことは、どうやって「繋がり」を作るかっていうことだと思っていて。アーティストとアーティストの繋がりだったり……たとえば、今回こうやって、対馬さんとガッツリお話する機会を作っていただいたのも、ひとつの「繋がり」ではあるわけで。
しかも、それがちゃんと、親和性のあるような繋がりであるという。ひょっとしたら〈origami〉のファンが見てくれて、「☆Takuって、こういうことを考えているんだ」って思ってくれるかもしれないし、逆にblock.fmをチェックしている人たちが、「やっぱり〈origami〉って、面白いことをやろうとしているんだな」って思ってくれるかもしれない。それは、アーティストにとっても、メディアにとっても、ユーザーにとっても、いいことだと思うんですよね。ファンとアーティストの「繋がり」とはまた別のところで、そういうことをしっかり見せていくっていう。基本中の基本かもしれないけど、やっぱり大事なことなんじゃないかなって思っています。
──なるほど。実際に「繋がり」を作るためにblock.fmで行っていることはあるんですか?
☆Taku block.fmでは、この11月のリニューアルで、実はタイムテーブルをあらためて見直しました。以前は、生放送よりもアーカイブで聴いてくれるほうが多いよねって思いながら編成していたところがあったんですけど、今回改めてベーシックなところに戻って。月曜日はヒップホップ、火曜日はシンガーソングライターと、曜日によって色があるような編成にしたんです。
あと、番組と番組のあいだのクロストークみたいなもの入れ始めました。今はまだ、番組と番組の繋がりだけど、その次は月曜日と火曜日、水曜日と木曜日のチームが繋がれるようになったら、もっと面白いんじゃないかと思っていて。そういう化学反応を起こせるような「繋がり」を、もっと作っていけたらいいなって思っています。
tsumikiとorigamiでつくるこれからのメディア・レーベル
──では、最後に、今後block.fmが目指すもの、〈origami PRODUCTIONS〉が目指すものについて、それぞれ教えていただけますか。
☆Taku 今後のことよりも、やっぱり今やっていることを、どうやって効果的にできるかっていうことのほうが、すごく大事ですね。ただ、その中でひとつ、やっぱりリアルなフェスをやりたいなと。オンラインフェスはこれからもやっていこうと思っているんですけど、やっぱりリアルな会場でフェスをやりたい。そこはひとつ、本格的に目指していきたいところではありますよね。
──対馬さんは、いかがですか?
対馬 僕も☆Takuさんと同じで、今やっていることを、いかに続けていくかっていうことを大事にしています。だから、何かを変えていこうとはあんまり思ってなくて、その場その場で、何か起きたら、そこに対応していくというか。そういうスタイルで今までもやってきたし、うちのアーティストたちもそういう感じなんですよね。なので、そのときそのときの状況に合わせて、臨機応変にやっていけたらいいなって思っています。
──そういう意味では、お二方とも一足飛びに大きな夢を追うのではなく、一歩一歩着実に歩んでいるような印象を受けます。
☆Taku まあ、基本的には音楽が好きというか、今、自分たちがやっていることが好きなので、それを少しでも長くやっていきたいですよね。そういう意味で、サステイナブルに続けていくという考え方は、すごく大事なことだと思います。
対馬 そうですね。もちろん、いろんなタイプの人がいていいと思うんですけど、自分たちの場合は、何かヒット曲を作って、それでドーンと跳ねるというより、今できることを、ひとつひとつ積み上げていくような感じで、これまでやってきたところがあるので。
☆Taku ちなみに、「積み上げていく」と言えば、block.fmって、もともと「tsumiki.fm」になるはずだったんですよ。
対馬 ブロック・パーティの「ブロック」から取ったのかと思っていました。
☆Taku それもあるというか、それは完全に後付けで(笑)。そもそものところで言うと、いろんな人たちが集まって、つみきのようにピースを重ねていって、それでお城が作れたら面白いよねっていう。それで、「tsumiki fmにしたいんだけど、どう思う?」ってVERBALに相談したら、「響きはいいけど、英語のほうがいいんじゃない?」って言われて。で、つみきならブロックか、だったらブロック・パーティの意味もあるし、ちょうどいいと思って、block.fmにしたんです。
──そうだったんですね。というか、「つみき」と「折り紙」……いずれも、シンプルだけど、自由度が高くて、遊び甲斐があるという。そういう共通点もあったんですね。
☆Taku 今日こうやって、ちゃんとお話しすることができて……やっぱりいろんなところで、シンパシーを感じるところがあるなって思いました。
対馬 僕も同じです。実は僕、☆Takuさんと、ほとんど世代が一緒なんですよね。だからこそ、見てきたものや、感じてきたことが近いのかなって思って。今日は本当にありがとうございました。
☆Taku こちらこそありがとうございました。
PROFILE
block.fm
日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオとして、国内外を代表する著名DJらとともに開局。
これまで数回に渡るリニューアルを経て、独自視点でキュレーションしたラジオ番組・ニュース配信を始め、ブランドや企業のイベントプロデュース、延べ約250万人を動員したオンライン・フェスティバル「BLOCK.FESTIVAL」など、事業領域は多岐に渡る。
2021年11月で10周年を迎え、再度音楽メディアとしての本質に立ち返り、“音楽の楽しさをもっと発見できる”プラットフォームとしてラジオ、ニュースを配信中。
☆Taku Takahashi(m-flo, block.fm)
DJ、プロデューサー。98年にVERBAL、LISAとm-floを結成。
ソロとしても国内外アーティストの楽曲プロデュースやRemix制作も行うほか、アニメ、ドラマ、映画、ゲームなど様々な分野でサウンドトラックも監修。2010年世界最大のダンスミュージック配信サイト“beatport”で、D&Bチャートにて年間1位を獲得。さらに『MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS』を獲得し、日本人として初めての快挙を成し遂げる。
2011年に自身が立ち上げた日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は新たな音楽ムーブメントの起点となっている。
origami PRODUCTIONS
1枚の紙でなんでもできるオリガミのように、楽器1つでどんな音でも奏でることができるミュージシャンが集うクリエイターチーム、レーベル。
Ovall(Shingo Suzuki、関口シンゴ、mabanua)、Kan Sano、Michael Kaneko、Nenashi a.k.a. Hiro-a-keyが所属。
2007年に東京で産声をあげ、常に“音の鳴る方へ”と歩み続け、今に至る。渋谷のアンダーグラウンドで盛り上がっていたジャズ、ソウル、ヒップホップを軸としたジャムセッションムーブメントを世界中の音楽ファンに届けるべくスタートしたが、現在はより自由な表現を追い求め、ジャンルレスでボーダレスなスタイルで活動の幅を広げている。所属アーティストは国内外での大型フェスの常連であると同時に、映画・ドラマ・アニメやCM音楽の制作、また世界中のアーティストをプロデュース、リミックス、演奏などでサポートしている。
対馬芳昭(Yoshi Tsushima)
origami PRODUCTIONSのCEO/A&R。広告代理店勤務を経て98年、ビクターエンタテインメントに入社。海外アーティストから邦人ジャズなど様々なアーティストプロモーションを担当。
2006年、渋谷界隈のセッション箱に入り浸り、地下で繰り広げられていたジャンルレスで世界レベルの東京ジャムセッションムーブメントに魅せられ、なんの後ろ盾もないままレーベル発足を企て始める。同年ビクターエンタテインメントを退社、1年の準備期間を経て2007年origami PRODUCTIONSを発足、本格的に活動を開始。その型破りで自由なレーベルのスタイルが多くの音楽ファンから支持され、所属アーティストは各地のフェスの常連となると共に、メジャー、インディーズ、国内外問わず様々なアーティストのプロデュース、リミックスも手がける。
INFORMATION
BLOCK.FESTIVAL 2021
2021年12月26日(日)
START 18:00〜
<オンライン視聴>
配信方法:LINE LIVE
料金:視聴無料
<オフラインチケット(オリジナルTシャツ付)>
SOUND MUSEUM VISION(東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビルB1F)
¥4,900(tax incl.)
定員:100名
※チケットなくなり次第終了となります。
※オリジナルTシャツのサイズはワンサイズのみです。また、Tシャツは当日会場でのお渡しとなります。
※ご来場の際にはマスクの着用をお願いします。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、中止や一部変更の場合があります。
<出演アーティスト>※50音順
おかもとえみ
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
chelmico
ぷにぷに電機
RUNG HYANG (ルンヒャン)
NAVIGATOR:
☆Taku Takahashi (m-flo, block.fm)
三原勇希
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