パートナーデーの2024年4月14日(日)、性感染症をテーマに予防の大切さや検査の重要性への理解を深める音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』が渋谷・MIYASHITA PARK(宮下パーク)芝生ひろばにて無料開催された。カラダや性にまつわる我慢やモヤモヤを、ひとつずつ「しかたなくない」に変えていく社会実装プロジェクト『#しかたなくない』と、オンラインピル処方サービス「スマルナ」や性感染症検査キットなどを提供する株式会社ネクイノが企画した本イベント。当日は「性感染症検査キット」が無料配布されるなど、人と人との “安心できる関係”について考え、話し合うきっかけの場となった。

今回は本イベントのトリを飾ったASOUND(アサウンド)の4名に、インタビューを決行。ピースフルに幕を閉じたステージに込めた想い、メンバーが考える他者との安心・安全な関係性について訊いた。

本記事には性的なトピックやエピソードが含まれます。
苦手に感じられる方は、予めご留意ください。

INTERVIEW:ASOUND

恋愛は人生をよりゴージャスにしてくれるもの。ASOUNDが体現する、特別な相手へのアティチュード|BLUE HANDS TOKYO interview2404-bluehandstokyo-asound4

大切なのは「自分が自分らしく、
自然体でいられる相手との関係性」

──『BLUE HANDS TOKYO』のステージでは、スローガン「安心は、ひとりじゃつくれない。」について、ARIWAさんのMCでの「恋愛はまず楽しむことが大事。そのためには自分を大切にする」という言葉が印象的でした。改めて、恋愛に対する考えをお聞かせいただけますか?

ARIWA(Vo):私は、「自分が自分らしく、自然体でいられる相手との関係性」が、恋愛するうえで大事だと思います。私にとって恋愛は、人生をよりゴージャスにしてくれる、プラスアルファなもの。恋愛って1人でするものじゃないから、ときには分かり合うのが難しいこともあるけど、お互いが“より良い自分”でいられる関係じゃないと、恋愛する意味がないと思います。一緒にいるときに不安になったり、会っていないときに心配になったりする関係性は良い恋愛とは言えないと思うので、無理に相手に合わせすぎないことが大事だと思っています。

Couta(Key):ARIWAが言うように、自分がリラックスした状態でいられて、かつお互いのダメなところもポジティブなものに変えていけるような恋愛が理想だと思います。自分の過去を振り返ると、生活の中でネガティブな気持ちになっているときは、パートナーと一緒にいても良い関係でいられないって思うこともあったし。そういうときは、お互いに話し合ったり、時間を置いたりして解決してきました。

──話し合うのは大事ですよね。ASOUNDの皆さんはメンバー間で心地よい関係性を築けている印象を受けたのですが、コミュニケーションで意識していることはありますか?

ARIWA:私は感謝の気持ちをちゃんと言葉にして伝えなきゃなと、最近よく思っています。メンバーと当たり前のようにかっこいい音楽ができていて、支えてもらっていて、そして私のことを受け入れてくれていて。それに対して、きちんと感謝の言葉で伝えられていないときがあるので、伝えなきゃなって。

恋愛は人生をよりゴージャスにしてくれるもの。ASOUNDが体現する、特別な相手へのアティチュード|BLUE HANDS TOKYO interview2404-bluehandstokyo-asound3
左から:Soma(Ba)、Couta(Key)、ARIWA(Vo)、Manaw(Dr)、Kannon Price(support/Gt)

Manaw(Dr):バンドのメンバーってすごく不思議な関係だよね。家族や友だちみたいでもあるけど、仕事仲間でもある。一緒にいる時間も長いからこそ、「自分がいいなと思える自分」で、みんなに接したいと思っています。あとARIWAが言ったように、音楽をやるうえで膨大なエネルギーを使って一緒にやっているので、そのこと自体をリスペクトしなきゃなと思います。

Soma(Ba):学校の友だちとも全然違う存在だし、僕たちの関係性って音楽にストレートに出るとも思うし……。人生の中で特別な気持ちを持つ関係でもあります。伝えたいことをみんなでイメージして、それを共有しながらコミュニケーションを取っていく感じなので、面白いです。

伝えるのは怖いけど、
その積み重ねが心地よい関係性に繋がる

──踏み込んだ質問になりますが、『BLUE HANDS TOKYO』のテーマでもある、“パートナーとの安心できる関係性”について伺いたいです。皆さんは普段から意識していることはありますか?

ARIWA:恋愛のペースとか関係性ってやっぱり人それぞれだし、正解は一つじゃないから、2人が一番心地よくいられる状態が大事だと思います。そのためには、勇気がいることだけど、自分の気持ちを伝えること。普段のコミュニケーションではもちろん、セックスのときも、何をしてほしいか・してほしくないかを、伝えることが大事だと思います。付き合っていても、お互い「違う人間」だから。伝えるのは怖いかもしれないけど、その積み重ねが心地よい関係性に繋がっていくと思うんです。

──自分の気持ちを伝えるのは、平等な関係性を築くうえで重要ですよね。

Couta:性的なトピックスは話づらい雰囲気がまだあるけど、『BLUE HANDS TOKYO』では、性感染症にまつわる話題も生活の一部だってことを、ナチュラルに認識できたイベントだったと思います。子どもから大人まで、幅広い世代の方たちが来場してくださっていたし。

ARIWA:そうだよね。渋谷の宮下パークの屋上っていう、誰もが来られるスペースで、みんなで音楽を楽しみながら恋愛とセットとして話題に出せたから、これからもっとみんなが話やすい空気を作っていくきっかけになったと思う。

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──アーティストの皆さんも、それぞれの表現や発信でオープンに話せる雰囲気を作ってくださっていましたよね。『BLUE HANDS TOKYO』ではスマルナチェック(性感染症検査キット)の無料配布も行われました。

Manaw:自宅で自分で採取した尿や唾液を、専門機関で検査してもらえるのは安心感がありますよね。

Couta:そもそも性感染症の検査キットがあること自体、初めて知ったので、手軽に検査できるのは良いなと思いました。話し合う入り口にもなりそうだし、感染症予防に興味を持つ機会にもなりそうですよね。

──最後に、ASOUNDの活動を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

ARIWA:今リリースを控えている楽曲が、ASOUND初の恋愛についての曲なんです。私の周りにいる人たちの考え方や価値観を参考に、「特定のパートナーを持たずに恋愛を楽しんでいて、そんな自分自身も楽しんでいる」という、現代の女性像っていうイメージで制作しました。ぜひ、楽しみにしていてください!

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Text:那須凪瑳
Photo:岩渕一輝
Edit:Kazuki Hyodo

ARTIST INFORMATION

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ASOUND

2020年コロナ禍にある日突然始まった次世代バンド。Reggae、R&B、Jazzなどジャンルにとらわれず、”その時にやりたい曲を自分たちのスタイルでやる。”がスタンスの毎回ガラッと色が変わるバンド。NY留学を経験する圧倒的歌唱力の”ARIWA”を筆頭に、数々のバンドでステージをこなしてきたキーボーディスト”Couta”、音楽専門学校を卒業し、トラックメイクも手がけるベーシスト”Soma”、そして海外公演も経験する実力派ドラマー”Manaw”からなる4人組。

EVENT INFORMATION

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『BLUE HANDS TOKYO』
※本イベントの開催は終了しています

カラダや性にまつわる様々な「しかたない」に向き合うソーシャルプロジェクト「#しかたなくない」は、2024年4月14日(日)、自宅でできる性感染症の郵送検査キット「smaluna check(スマルナチェック)」 を提供する株式会社ネクイノ主催のもと、音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』を渋谷・MIYASHITA PARK(宮下パーク)芝生ひろばにて無料開催。「パートナーデー」である身近な健康課題である性感染症をテーマに、予防の大切さや検査の重要性への理解を深め、自分やパートナーとの “安心できる関係” について考えるきっかけづくりを目指した。

ABOUT「#しかたなくない」プロジェクト

カラダや生理、性のこと。あるいは学校、仕事、社会のこと。いつの間にか積み重なった心の中の「しかたない」が、人生にブレーキをかけている。誰もが自分らしく前向きに生きるため、一人ひとりの「しかたない」に目を向けて、より風通しのよい社会に向けて、様々なアクションを展開するソーシャルプロジェクト、それが「#しかたなくない」です。オンラインのピル処方サービス「スマルナ」を展開する株式会社ネクイノが、一般社団法人渋谷未来デザインとともに2021年12月始動。

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