――このアルバム制作を通じて、自分について何か新たに発見したことはありましたか?
どうだろう。まず自分の中に、新たに火が点いたような気がする。以前よりハングリーになった。このアルバムを作ったことで、自分が表現していること、自分がやっていることに、以前より自信を持てるようになったよ。
――そういう境地に辿り着けたのはなぜでしょう? 人間としての成長? 経験の積み重ね?
両方関係あるんだろうね。でもある意味で、大人になって成長したと言うよりも、ここにきて若返った気がするんだ。若い頃のナイーヴさは払拭したけどね。
――今作のリリースがザ・バティーンズの復活と重なったのは想定外だったと思いますが、双方に影響はありましたか?ソロで充実していても、常にザ・リバティーンズの居場所はある?
もちろんさ。ザ・リバティーンズは僕の血であり肉だからね。それに、ザ・ジャッカルズとやってることについては、100%のエネルギーを注いでいるし、ザ・リバティーンズとして活動している時は100%ザ・リバティーンズの一員であることに専念している。ザ・リバティーンズはザ・ジャッカルズじゃないし、ザ・ジャッカルズはザ・リバティーンズじゃない。少々分裂症気味で、奇妙な気分を抱く時もあるんだけど(笑)、うん。両方並行して続けていって、どうなるか様子を見てみるつもりだよ。
Carl Barât & The Jackals – Rain [live @ XOYO, London 15-05-14]
――それぞれに自分の違う面が表れていると思う?
うん、少し違う面が表れているんだろうね。それに、ザ・ジャッカルズでの僕はほかのメンバーよりも重要な役割を担っていて、バンドのリーダーと言っていい。曲はほとんど僕が書いているし、ソロなんだけどソロじゃない……みたいな感じだね。僕が主導しているんだ。でもザ・リバティーンズは、僕とピートのケミストリーがバンドを動かしているから。
――ちなみに、そのザ・リバティーンズの新作の進行具合はいかがですか?
来週タイに行って、曲作りを続行する予定なんだ。あまり詳しくは話せないんだけど、今のところ順調だよ!
――これまで精神的にもアップダウンが激しかったそうですが、にも関わらずザ・リバティーンズのデビューから約15年、度々行き詰まりながらも空白を開けることなく常に次の展開を模索して、音楽を作り続けてきました。そんな風に自分をモチベートできたのはなぜ?
どうなんだろうね。音楽をやることしか知らないんだよ。やめたら途端に精神的に落ち込んじゃうし。そこが結構深刻な問題でもあって、止まらずにやり続けるしかないのさ。それに音楽を愛しているし、常にインスパイアされるんだ。
――近年はかなり俳優業にも積極的に取り組んでいますよね。演じるというアートの魅力とは?
まず、演技もまた自己表現の手段だよね。若い頃からずっと好きだったし、誰か別の人間になるという、想像上の世界を作り出す作業は、僕にとってすごく魅力的なんだよ。うん、曲を書くこととそんなに違うわけじゃない。同じように想像上の世界を作る作業で、曲の中にも舞台があって、その中で起きていることを聴き手に信じてもらうべく、説得するわけだから。僕にとって大きな差はないんだよ。
――次に控えている映画『For This Is My Body』ではロック・ミュージシャンを演じているそうですね。
ああ、すさんだ生活をしている、かなりイカれたロックスターの役なんだ(笑)。
――じゃあ昔のあなた自身の体験も役立ったんじゃないですか?
かもね!実際、若い頃に抱いた感情だったり、体に刻まれた記憶を掘り起こす必要があったよ。
――日本のファンにメッセージをお願いします。
愛してるよ! でもって、みんなが恋しい!またそっちに行くのが待ちきれないよ。今年中にザ・ジャッカルズで日本に行く話があって、実現するよう願ってる。去年日本でビーディ・アイのサポートをやる話もあったんだけど、話がまとまらないうちにビーディ・アイが解散しちゃってね。また日本に行けたらうれしい。ま、すでに11回も日本に行ってるんだけど(笑)。
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