8月に<サマソニ>でいよいよ初来日を果たすグラスゴー出身の3人組エレクトロポップバンド、チャーチズ。フロントを務めるローレンのキュートなルックスとともに、昨年末からネット上で“The Mother We Share”が話題になり、イギリスでは「BBCサウンド・オブ・2013」というその年の期待の新人を選ぶランキングで5位に輝いたほか、アメリカでもPitchforkで今注目のアーティストを紹介する”Rising”のコーナーで紹介されるなど、いま世界中が注目するバンドだ。
CHVRCHES -“The Mother We Share”
Live Report:2013.03.14(Thu)CHVRCHES@Hype Hotel
今年の<SXSW>でも、多くの業界関係者や地元音楽ファンなどが口々に「期待のバンド」や「観て良かったバンド」としてチャーチズを挙げていた。期待を胸に実際に彼らのライブに足を運んでみると、案の定会場はほぼ満員。
演奏が始まると、ローレンの芯のある唄声に2台のキーボードとドラムマシーンで奏でられる力強いメロディーが見事に絡んでいて、観客は終始ステージに釘付けになっていた。クライマックスはセットリストの最後に持ってきた“The Mother We Share”。まだ結成してから日が浅いバンドとは言え、それぞれがキャリアのあるミュージシャンということもあり、堂々としたステージを見せつけてくれた。
そんなチャーチズについて少しでも知るべく、Qetic NY支部が日本のメディアとして初のインタビューを敢行。文字通り「世界が注目」のバンドだが、実際に話を聞いてみると偉ぶることもなく、とても素朴で良い人たちだった。
Interview:CHVRCHES(ローレン・メイベリー:vo/イアイン・クック/key&vo、マーティン・ドハーティ/key)
――まずそれぞれのお名前とバンド内での役割を教えてください。
マーティン・ドハーティ (以下、マーティン) 僕はマーティン。キーボードを担当しているよ。
イアイン・クック(以下、イアイン) 僕は イアイン。僕もキーボードを弾いているよ。
ローレン・メイベリー(以下、ローレン) 私はローレン。ボーカル担当よ。
――バンド結成の経緯をお聞かせください。
マーティン イアインと僕は昔からの知り合いで、ローレンは他のバンドにいたときから知ってたんだけど、2年ぐらい前のある日ちょっといっしょに何か作ってみようってことになって、スタジオ入りしてみたんだ。それからはレコード契約まであっという間だったね。
――チャーチズ(CHVRCHES)というバンド名で「V」を使ったのはなぜですか?
ローレン チャーチズ、っていう響きが好きだったんだけど、普通に「CHURCHES」にしちゃうとインターネットで検索したときになかなか出てこないから、「V」を使ったの。もっと面白い回答ができれば良かったんだけど、事実は事実よ(笑)。
――チャーチズ結成の前、マーティンさんとイアインさんは音楽の仕事をしていたようですが、ローレンさんは大学院で勉強していたんですよね?
ローレン そうなの、法律とジャーナリズムの修士号を取っていたの。だからよく「なんでバンドなんてやってるの?」って聞かれるんだけど、実は学業と並列して10年ぐらいバンドもやっていたのよね。外見のせいでたまに12歳とかに間違われるんだけど、ココだけの話、そこまで若くないの(笑)。4年間法律を勉強して、1年間ジャーナリズムを勉強して、卒業したのが3年ぐらい前で、その後安い缶詰をむさぼりながら就職活動をしたり、働きながら週末だけバンド活動をしていたこともあったわ。だからまぁ長い間あまり良いご飯にはありつけていなかったわね。
――チャーチズの前はそれぞれどんなバンドにいたんですか?
イアイン インディーロックかな。ヘヴィーめなインディーロックだったよ。
マーティン 僕はグラスゴーのシューゲイズっぽいバンドにいたよ。
ローレン 私はポストロックみたいなことをやってたわ。チャーチズにはドラマーがいないし、みんな初めてのことをやってるみたいね。
――現在、曲は誰が書いているのですか?
ローレン みんなで書いているわ。大体いつも面白いビートやキーボードの音を元にして、楽器部分を作ってからメロディーを乗せて、最後に歌詞をつけるの。歌詞はだいたい私が書いているけど、他のメンバーが気に入らない言葉があったら変えるようにしているし、なるべくメンバー全員で音楽を作るようにしているの。
――チャーチズの音楽のインスピレーションはどこから来ているのでしょうか?
マーティン ときによって変わるけど、他の人の曲だったり、スネアドラムのサウンドだったり、すごくシンプルなループだったり、小さなアイディアの蓄積で曲ができていく感じかな。
イアイン リズムトラックはヒップホップからアイディアをもらうことが多いんだ。あとシンセサイザーの使い方はシンセポップを参考にしてる。
――<SXSW>と初の米国ツアーはいかがですか?
イアイン グラスゴーにある地下室で作った音楽をこんなにも多くの人に聞いてもらえるっていうのは感動的だよ。
ローレン 良い感じよ。他のバンドのライブも観れるしね。個人的にはテレビやインターネットでしか観れなかったサヴェージズSavagesのライブに行けたのがすごく嬉しかったわ。ライブもすごく良かったし。あとはハイムとプリンスを観たいところね。
――普段はどんな音楽を聴いているのですか?
ローレン 全員に共通しているのはケイト・ブッシュやデペッシュ・モード、シンディ・ローパーあたりしらね。マーティンはヒップホップをよく聴いているみたいね。
――最後に、チャーチズの夢をお聞かせください。
マーティン 世界征服かな。なんてね(笑)。できる限り良いアルバムを作ることじゃないかな。
ローレン またしても面白い回答ができなくて申し訳ないんだけど、私たちは一歩一歩着実に踏みしめていくタイプなのよね。
マーティン 言うなれば、良いアルバムができて、自分たちが満足できればそれで良いのかな。
そんなチャーチズは先日、日本独自編纂の6曲組デビューEPをリリースしたばかり。アバやロビンを彷彿させるメロディーに乗せて、ローレンが《I will be a gun.(私は銃になるの)》、《I am gonna break you down to tiny,tiny parts.(粉々にしてやるわ)》と唄う“Gun”など粒ぞろいになっている。980円というお値打ち価格なので、<サマソニ>前にこれを聴いてしっかり予習しておこう!
Special comment from CHVRCHES
text&interview by Dan Shimizu
photo by Dan Shimizu
Event Information
SUMMER SONIC 2013
東京公演:2013.08.10(土)@QVCマリンフィールド&幕張メッセ
大阪公演:2013.08.11(日)@舞洲サマーソニック大阪特設会場
Release Information
Now on sale! Artist:EP Title:CHVRCHES(チャーチズ) Hostess Entertainment HSE-60161 ¥980(tax incl.)
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