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作家、イラスレーター、現代アーティスト、そしてラジオパーソナリティーと、様々な分野で活躍するD[diː]の個展<D[di:] solo exhibition 2017/Crystallized Points of View>が「hpgrp GALLERY TOKYO」にて開催されている。今回、個展に込められた思いをはじめ、作品を作り続けることで一番大切にしていることや、自分の作品を通して伝えたいこと等、作家人生20年を迎えた彼女のパーソナリティに迫るメールインタビューを行った。

作家、イラスレーター、現代アーティスト、そしてラジオパーソナリティーと、様々な分野で活躍するD[diː]の個展<D[di:] solo exhibition 2017/Crystallized Points of View>が「hpgrp GALLERY TOKYO」にて開催されている。

昨年11月に開催された個展<The DOOR 自分回帰/THE LETTER from the future, past, somewhere>に続く本展は、D[diː]考案の、さまざまな版画の技法を駆使し、その上に多用な素材を用いてペインティングを施す“ハーモニックペイント”で描かれた作品や、油絵の具とテンペラ絵の具を使用した作品等、D[diː]が生み出した新しい作品群が展示されている。

今回、個展に込められた思いをはじめ、作品を作り続けることで一番大切にしていることや、自分の作品を通して伝えたいこと等、作家人生20年を迎えた彼女のパーソナリティに迫るメールインタビューを行った。

(ディー)| Mail Interview

【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは interview170922_deeth_2-700x492

——今回の個展「Crystallized Points of View」についておきかせください。

Crystallizedとは結晶、結晶化といった意味合いが日本語で直訳するとあると思いますが、作品解説にもあったように「様々なタッチで構成する」アプローチをしたかったことからこの個展名をつけられたのでしょうか?

Crystallized は、結晶化する、具現化する、結実して現れるという意味があります。私は、いままで、いろいろなタッチで作品を描いてバリエーションに富みすぎて、たまに同一人物とは捉えられないことがあって。

たしかに、タッチが違うものを書く時、また、過去に絵やイラストレーションのほか、小説や漫画とジャンルの違う場でも作品を発表してきたけど、根底に流れるテーマはいつも同じだったんですよね。でも、同じものを言うにしても、視点や角度が違ってたな、と。この名前で活動してきて20年になるけど、この無駄にバリエーションに富んでしまった視点や技法が、長い時間をかけて結晶化した、それが、Crystallized Points of Viewという、今回の、分割した色々な技法で描いた作品を一つに画面構成するというアプローチにいたったってかんじです。

——昨年行われた個展<The DOOR 自分回帰>。ここでもキャリアの長い作家として自分回帰という言葉をタイトルに強い思いが込められているように感じました。全回の個展から今回の個展までの間、なにか作品づくりにおいて心境の変化や影響を受けたことがあれば教えてください。

自分のやり散らかして来たことを、もっと、一本化して視覚化したかったって感じですかね。または、めんどくさいから、やりたくないなーって思ったことを、ようやく重い腰をあげてやったアプローチとも言えます。正直、一つの作品を分割して、いろいろなタッチで描くのは、一枚の絵をかくよりもだいぶ時間がかかるし、手間もかかるし。でも、思いついたらやらなきゃいけないのが、このアーティストっていう難儀な職業で。

実際に、作品は3つから4つのタッチに分割されてるんですが、その中には油絵で描いているパートもある。もともと私は多摩美の油絵科に行っていたんだけど、大学辞めてから、ほとんど油絵の具を触ってなくて。ていうのも、油絵の具って、乾くのに時間がかかるし絵の具も高いので、避けざるをえなかった。だけど、やっぱり、あの光沢や、マチエルや透明感をいまいちど作品におとしこみたくなって、とか。そう言う意味で、もはや一度自分の中で捨て置いた技法を回復させたという点でも原点回帰てきなところはありますね。

——今回の作品づくりではステイトメントを先に作り作品づくりに取り掛かったのでしょうか?

そうですね。いつもこのステイトメント、どうして今回自分がこの作品を描くに至ったかって言う決意表明を考えるところがスタートです。それができた上だと、作品ひとつひとつのテーマを考える上でも、制作する上でも、ブレがなくなるのです。

アートって、我にかえってしまうと、「コレ意味あるの?」っていう落とし穴に落ちそうになるんですよ。だからね、その穴に落ちないためにも絶対必要だと思ってる。

【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは interview170922_deeth_1-700x467

——今回、スターやお花、水晶など立体の置物と一緒に作品を展示しておりましたが、このような個展での表現も初めての試みですか?

そうです。これは、REAL LIFEシリーズといって、実際のモチーフになったものと作品との対話を楽しんでもらうシリーズです。

例えばお皿ひとつとっても、そのシルエットは円ですよね。円と言えば、円周率パイに支配された図形とも言えると思うんですが、この円周率は2016年の時点で22兆4600億桁まだ計算されている。そして、これは、永遠にループすることがない数字で構成されている。

つまり、この数字を暗号と捉えると、すべての歴史、音、言語などを表せると言われている。これって、アカシックレコードにもつながる、いわば、ニルヴァーナ、つまりは宇宙全体のこと、曼荼羅の世界に通じるともいえると思うんですよね。それが、円のなかに集約されている。

だから、私は、円のものを見たとき、それについて考えるとき、いつも、とてもロマンチックな気分になるんです。

そういう図形、今回は、円、五芒星、水晶、そしていつもテーマにしている花、を今一度描きました。

でも、この考え方は、これらの図形だけじゃなくて、万物にあてはまることだと思っていて、文字のシリーズや、狼を描いた作品にもつながることです。

【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは interview170922_deeth_19-700x1050

——D[diː]さんといえばやはり、動物の作品を描くイメージが大きいですが、今回は狼。様々なタッチで描かれた狼にどのような想いがあるのでしょうか?

日本の山や森にいた狼たちが、1880年代後期に人間たちの手によって絶滅させられたということを知って、だいぶ衝撃を受けたのが、去年の夏ごろでした。いままで、狼が日本にいたのかどうなのか、ていうか、その存在について考えたことなんてなくて。すでに野良犬ですら日常でみることもなくなったし。

そして、いま、狼がいなくなった日本の山や森が、生態系が崩れて、鹿が増えすぎて森林破壊が進んでとんでもないことになっている。それについてかなりの額の税金が投入されているのにもかかわらず有効な手立てがなく、末期的状態なのにほとんど知られていない。

それに、狼と言えば、怖いとか悪そうってイメージの権化だったと思うんですが、実は、非常に賢くて夫婦仲もよくラブラブで、パックとよばれる家族の単位内では非常に繋がりが強く、仔に対しても愛情深い。それに実は人間に懐くこともわかっています。

日本の神社には、狼が祀られているところも結構あるし、北海道のアイヌの人々は、自分たちが、狼の子孫だと伝えているほど、神聖な動物であることも、あまりしられていないと思う。

自然破壊についての警鐘は、もうずっとずっと言われ続けているけど、正直、何をしたらいいのかわからない、なにから勉強したらいいのかわからない、って思うけど、狼ひとつをとっても、アメリカのイエローストーン国立公園での例をみると、そこから糸口になるんじゃないかな、そして、それをアーティストとして、どうやって伝えていくべきか、そこが、この狼をとりあげたスタート地点です。これからも、描いていきたい動物の一種です。

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——自分の作品を通して伝えたいことは?

世の中は、じゅくじゅくしていて、しょうも無いことに溢れている気がしてニヒルに構えてることが、一番傷つかない方法みたいになっている風潮があると思うんだけど、この世界の全ての万物には、曼荼羅が隠れていて、各々にれっきとした意味があって、精霊が宿っている。

つまり、わたしも、あなたも、この世に存在していることに自信を持つべきで、自信がもてる生き方をしたいし、して欲しいなー、そのほうが楽しいじゃん? 楽しいこと嫌いなひといないでしょ? みたいな感じでしょうかね。。。

——20年の作家人生、作品を作り続けることで一番大切にしていることは何でしょうか?

続けること、それにつきますかね。そのためには、体調管理ですかね。私の作品制作は、作業が細かくて工程も多い、つまり時間がかかるので、長時間制作していると、首肩、目、腕と疲労が溜まります。できるだけメンテナンスしていかないと、続けていけない。

だから、ほぼ毎日ピラティスに通い、食べる物も玄米食と味噌汁をベースにしたり、いかに効率的に脳や身体を使える食事にできるかを本読んだりして勉強しています。あとは、楽しむこと! これ、一番大事かもね。

——今回の個展<Crystallized Points of View>において、D[diː]さんが一番推したい部分とは(見どころを教えてください)。

ここ最近の個展のときには、自分の手書きの解説文を掲示するようにしています。まず、それを読んでから作品の前に立って、いろいろ感じてもらえたらおもしろいかな、と思います。また、全ての作品は撮影が可能です。LOVEDっていう作品なんかは、「最愛の、親愛なる」って意味の作品なので、仲良しさんとその下に立って写真をとってもらいたいな笑。#cpovdとして、インスタグラムにアップしていますので、皆さんもぜひハッシュタグつきでアップしてください。ほぼ日でチェックしてますんでw

——今後、どのような作品を作っていきたいですか?またチャレンジしてみたいことなどがあれば教えてください。

今回のアプローチを経て、いままで制限していたのもが、どこか吹っ切れた感じがするので、この調子で発展させていきたいなーと思ってます。

今回の展示のまえに、こんつめすぎて、体調悪くまでしてしまったけど、あたらしいアプローチが生まれたという点で、その甲斐があったと思っています。
国外での展示、進出はやはり念頭においています。私の作品がどう捉えられるのか、とても興味があるので。

あと、今年の夏に、珍しいキノコ舞踊団の伊藤千枝さんのワークショップのために、舞台美術を担当したんですが、あれだけ大きいものを作ることってあまりないし、他のアーティストとのコラボレーションってあまりしたことがないので、また機会があればやってみたいなー。

——D[diː]さんの今後の活動を具体的に教えてください(決まっている予定、またはプランなど)!

うーん、いま、個展始まって、開催中で、正直、じゃっかん燃え尽き症候群気味なので、なにも考えたくなーい! けど、水面下でバタバタしてます! まだ公にできねーっす。

——今回の展示後、作品がみれるチャンスがあればそれも教えてください。

いまはとくに思いつかないなあ。あ、作品じゃないけど、毎週火曜日深夜のJFN系ラジオ、『オンザプラネット』、眠気まなこ擦りながらがんばってるので、聞いてねー!25時から27時までやってますー! ほぼ、食いしん坊な話ばっかの飯テロ番組ですー。

——ありがとうございます。

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【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは interview170922_deeth_3-700x467

EVENT INFORMATION

「D[di:] solo exhibition 2017/Crystallized Points of View」

【インタビュー】“この世に存在していることへの祝福” 作家人生20周年を迎えるD[diː]の表現とは 70d3867e936487645dd66089009293d1-700x499

2017.09.09(土)- 10.08 (日)
START 12:00/END 20:00
hpgrp GALLERY TOKYO
※月曜・最終日曜定休

今展示で陶器を提供してくれた岐阜の3人組「陶器制作集団 3RD CERAMICS」とのコラボレーション風鈴が限定発売されます。

・お知らせ
2017.09.24(日)に予定されていたトークイベント「オオカミとアーティスト」は中止となりました。

・D[di:]在廊日時
2017.09.29(金)
17:00〜20:00

D[di:]が在廊し、DJによるサウンドセレクトでお迎え。
ドリンクとフードも用意されています。

2017.09.30(土)、10.01(日)
15:00〜19:00

hpgrp GALLERY TOKYOオフィシャルサイト

photo by ドブミズススル(mammoth)

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松永隆志

松永隆志

Qetic編集部

1988年福岡生まれ福岡育ち。Qeticにて記事を書いたり編集したりしています。スポーツ全般と服が好き。

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