delofamiliaはORANGE RANGEのリーダー・ギタリストであるNAOTOのソロプロジェクトとして始まった。2ndアルバム『eddy』にゲストヴォーカルとしてRie fuを迎えたことをきっかけに、2011年に発表した3rdアルバム『Spaces in Queue』から、delofamiliaは二人のユニットへと進展。4thアルバム『archeologic』を今年の3月にリリースして、そのツアーを終えたばかりの彼らは、次なる展開として、6月にアコースティック編成delofamilia(trio)によるツアーを発表したばかりだ。

archeologic』はUKロックやビートミュージックといったNAOTOが影響を受けてきたエッセンスをdelofamiliaというフィルターに注いで、彼ら独自の表現に昇華した作品だ。エレクロニックとオーガニックな質感が絶妙なバランスで配合されたサウンドと生のグルーヴと打ち込みによる緻密なビートの上で、Rie fuがバリエーション豊かに歌う。お互いの感性がもたらす化学反応を楽しむかのように、心地良いサウンドスケープを描いている。そんな一面から、delofamiliaというプロジェクトには、変化を恐れずに楽しむという実験的な意味合いがあるように感じるのだ。その意味では、今回のアコースティックツアーは彼らにとって重要なポイントとなるに違いない。次なる表現の手掛かりを掴んでは、それを今後の楽曲制作に活かしてゆくのだろう。

新たな音探しの旅を目前に控えるNAOTOとRie fuに、これまでのプロジェクトの変遷と今後の展望を訊いてきた。

Interview:NAOTO/Rie fu (delofamilia)

【インタビュー】アコースティックツアーを間近に控えるdelofamiliaのNAOTOとRie fuに訊く、プロジェクトの変遷とこれから。 music130524_delofamilia_main3-1

――直近の動向でいうと、delofamiliaは3月に4枚目のアルバム『archeologic』をリリースして、そのツアーが一段落した現状ですよね。

NAOTO そうですね。6月のアコースティックツアーに向けての準備期間というか。

――『archeologic』のリリースツアーを振り返ってみてどうですか? 個人的にはRie fuさんが正式加入してからのバンドの土台が固まった時期だと思うんですが。

Rie fu 以前よりもたくさん練習をしましたし、バンドの一体感とお客さんとの一体感がさらに出てきて、空間としてより心地よくなってきたという感想ですね。以前は割と距離があったというか。今回は一緒に楽しめた感じがします。

NAOTO 年々バンドっぽくなってきていますし、delofamiliaが浸透しているんだなという感じがしますね。僕らの雰囲気を味わいに来てくれているんだなって。どういう感じだろう? と怖いもの見たさや興味本位でライブに来るというよりも、delofamiliaの世界観を分かった上で来てくれているというか。

――元々、NAOTOさんとRie fuさんはレーベルメイトだった間柄ですよね。

Rie Fu そうですね、そういえば。

NAOTO 遥か昔に(笑)。

――お互いが知り合ったのはいつのことでしょう?

NAOTO それこそRie fuが2004年にデビューした時からリアルタイムで知っていて。

Rie Fu ちょうど私がORANGE RANGEのレーベルに移籍する寸前に、違うところで共通の知人を通して出会って。その時にdelofamiliaのヴォーカルを探しているという話は聞いていましたね。

――NAOTOさんはRie fuさんにどんな歌い手というイメージを持っていましたか?

NAOTO あまり日本っぽくない、J-POPとは異質な存在というか。たくさんのヴォーカリストに埋もれてしまう中でも印象に残る声だから、それでよく覚えていましたね。

Rie fu はじめて会った時、NAOTOさんはソロプロジェクトとしてdelofamiliaの1stアルバム(『quiet life』)を出していて。それを最初に聴いた時に、またORANGE RANGEとは違う世界観で、曲の中に子どもたちの歌声みたいなものが入っていたんです。この中の一人でもいいから参加したいという感じで言っていたら、まさかのヴォーカルで起用していただけることになって。私は歌とかメロディーには興味があるんですけど、音自体には興味がないというか。こだわりは特になくて。アカペラの歌が一番良いと思うぐらいのタイプなんです。でもNAOTOさんの作る音は作り込まれていて、そこは自分には作れない世界観だなと思っていて。

NAOTO もちろんRie fuには歌の上手さもあるんですけど、例えば、彼女がギターやピアノを弾いて歌うことに色々な可能性があるというか。僕にはない天然でロックな感じと言ったらいいんですかね。

Rie fu 私のソロとしての曲では出せない、ちょっと辛辣な歌詞とかストレートな歌い方とか。それが割とロックでパンクというか。そういう一面は、デロ(delofamilia)でより濃く出していきたいというのはありますね。

NAOTO その辺はあまり僕にはないので、Rie fuが来てくれたことでよりバンドっぽくなりましたね。1stアルバムの頃とは全く変わりました。

――NAOTOさんのソロプロジェクトとして活動していた当時は、意図的にバンド感を出そうとはしてなかったんですか?

NAOTO そうですね。そこに持っていく気はなかったんですよ。でも、ロックなものにしようと思うようになって。それはRie fuと一緒にやる上で、ロックが一番分かりやい要素だったというか。

――根本の部分でいうと、delofamiliaはNAOTOさんが影響を受けてきた音楽を自身のフィルターを通してアウトプットしているプロジェクトですよね。

NAOTO そうですね。何も考えずにそういうものを出しやすいんですよ。

★インタビュー、まだまだ続く!
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