石野 去年の話で言うと、バックステージでべズ(ハッピー・マンデーズ)と一緒に写真を撮ってこいつにメールを送ったら、「羨ましい!」って返ってきて。来ればいいのに、こいつなんか変に尻込みしちゃってさ。
瀧 ちょっとなんかね。
豊間根 たしかおふたりはハッピー・マンデーズがやっている時に現地に到着したんですよね。
石野 そうそう。杉浦(スギウラム)と一緒に楽屋に行こうってなったんだけど、瀧は「オレも行っていいの?」ってビビっちゃって。しかもお前は過去にべズに会ったこともあるわけじゃん。
瀧 たしかにね。なんか行きにくくて。
石野 その時こいつはピエール瀧じゃなくて、瀧正則だったな(笑)。
瀧 完全に素の自分だったから。
石野 「完全に素」っていうのは自分への言い訳だろ。
瀧 どうかな?
豊間根 だははは。
石野 本当に会いたかったら、来るでしょ。
瀧 そりゃそうだけどさ。
石野 何が何でも来るでしょ。なんで弱気になるんだか。その辺はパブリック・イメージと全然違うんだよな。
瀧 パブリック・イメージではそういう時にグイグイ行く感じなの(笑)?
石野 そうでしょ。しかもべズだよ。そこで行かなくてどうすんだよ。
瀧 まあね。
石野 何回も「まだいるから来いよ」って言ったじゃん。
瀧 そうだっけ。
石野 何度もメールしたんだよ。
豊間根 瀧さんとべズのツーショットは最近はないですよね。見たかったなあ。ちなみに卓球さんは去年のインタビューで、<フジロック>での思い出はどれがどの年の出来事がぐちゃぐちゃになっていると話していましたけど、やっぱりそうですか?
石野 うん。これだけ行ってるとね。
豊間根 個人的な思い出についてはそうかもしれませんが、電気グルーヴでのライヴについてはいかがですか?
石野 この前、ホワイト・ステージで“誰だ!”をやっている映像をYoutubeで観たんだけど、それがすげえ面白かった。
瀧 「ドンドコドン、ドンドコドン」ってずっとやったやつでしょ?
石野 そうそう。TASAKAとKAGAMI(ディスコ・ツインズ)もいてさ。
豊間根 ホワイト・ステージのヘッドライナーの時ですね。2000年です。
石野 モービーが出演していた年ね。あの当時、ホワイト・ステージの価値があまりわかっていなかった(笑)。だからあの時のライヴってほとんど即興なんだよ。
瀧 そうだったね。
豊間根 本当ですか!?
石野 リハも通しでやっていなくて、ディスコ・ツインズのふたりも俺もシーケンサーを持って行ったから、ここでこうなったらこうやってくらいの打ち合わせぐらいでさ。だから“誰だ!”を9分くらいやっている。
豊間根 あの時のライヴは強烈でしたよ。いまでも鮮烈に覚えています。
石野 でも実はあの時はライヴが終わった後、「やっちゃったな」って思ったの。
豊間根 そうなんですか、すごかったですよ。モービー、ステレオラブ、レフトフィールドと続いての電気グルーヴのヘッドライナー。その前の年のホワイト・ステージのトリはアンダーワールドでしたから。あの頃のホワイト・ステージのカラーを象徴していたと思いますよ。
石野 そうそう、レフトフィールドね。あの時のことは忘れもしない、うちらがマンチェスターでレコーディングした時のエンジニアが、ちょうどその時のレフトフィールドのツアー・スタッフとして<フジロック>に来ていて、偶然再会を果たすっていう奇跡のような出来事があったんだよね。
瀧 あれはビックリしたな。
石野 「お前らでかくなったなー」なんて言われて。だって俺たちがマンチェスターに行った時なんて、まだデビュー盤の頃だからさ。
瀧 サイモンっていうやつなんだけど、バックステージの機材のところにサイモンにすごい似ているヤツが座っていて(笑)。でももう10年くらい前に会ったきりだし、まさか<フジロック>にいるとは思わないからね。
石野 スタジオの人だしね。まさかこんな場所にって感じ。でも本当にサイモンだったんだよね(笑)。
★20回目の<フジロック>の意気込みは?!
インタビュー続きはこちら TALKING ABOUT FUJIROCK:電気グルーヴ
Photo by 横山マサト
Interviewd by Satoshi Toyomane
text by 加藤直宏