「Make Some Noise」をキャッチコピーに掲げて2014年より活動をスタートし、“天界から人々を幸せにするために降り立った小悪魔天使”たちが、どこよりも楽しく沸けるライブを追求するアイドルグループ・Devil ANTHEM.(通称・デビアン)。
2022年12月に、グループ8周年となるワンマンライブを日比谷野外大音楽堂にて開催。その野音で、本人たちもサプライズのメジャーデビューが発表された。
そして2023年2月発売のフル・アルバム『ADVANCE』を引っ提げた3月からの全国7都市を回るツアーを経て、いよいよ5月31日に〈ビクターエンタテインメント〉より、メジャーデビューシングルとなる“ar(c/w “PA PA PA”)”がリリースされる。
Devil ANTHEM./「ar」MV
今回はデビアンのメンバー全員と涙涙の日比谷野音を振り返りつつ、佐藤海人プロデューサーに加わってもらい、メジャーデビューシングルの魅力をインタビュー!
この日、デビアンのメンバーは衣装ではなく、ナチュラルな服装に身を包んで現れた。その姿は、前だけ見て走り続けてきた小悪魔天使たちではなく、ハタチ前後の今を生きる等身大の女性たち──語られる言葉はいつにもまして素直に聞こえた。
INTERVIEW:Devil ANTHEM.
(竹本あいり×竹越くるみ×橋本侑芽×安藤楓×水野瞳)
メンバー大号泣の日比谷野音
諦めの先のメジャーデビュー
──まずは涙なくしては語れない、日比谷野音ワンマンでのメジャーデビュー発表について聞きたいです。
竹越くるみ(以下、竹越) やっぱりびっくりしたっていうのが一番大きかったですね。ライブの途中でステージの脇にはけたとき、侑芽ちゃんと瞳ちゃんが上手にいて、あいりちゃんと楓ちゃんとくるみが下手にいて。モニターにバーンって「メジャーデビュー決定」の文字が出たときは「わー!」ってなって、泣いているみんなにつられて自分もすごい涙が出てきました。改めてメイキング映像を家で見たときも、ライブで泣くことがない侑芽ちゃんもすごい泣いてるのを見て、本当にうれしかったんだなって。メンバーみんなが最近はあんまり口には出してなかったけど、やっぱり心のどこかで「いつかメジャーデビューできたらいいね」っていう気持ちがあったのを改めて感じました。メンバー全員がステージ場で大号泣するっていうのがまずないので、本当に大きな出来事でしたね。
竹本あいり(以下、竹本) 全員でステージ中央に集まって抱き合ったね。あんなにファンの方たちを置いたままステージ上で、私たちだけで盛り上がるなんて普段はないので、それぐらいうれしかったです。あと私が最後のところのMCだったんですけど、事前にライブの台本が配られたときに、すごい簡易的に締めが書いてあって。それも今思えばおかしかったんですよね。昔だったらそういうときに、「サプライズがあるんじゃないかな」みたいな期待があったし、ワンマンライブごとに大きな発表がよくありました。でも最近になるとそのことすらも忘れてたし、サプライズではなく事前に教えられるような発表も多くなっていたので、今回は本当にドキドキしました。
──最近は、自分たちの中でメジャーデビューについて話さなくなっていたそうですね。
竹越 「メジャーデビューしたいね」みたいな話をよくしたり、「レーベルの方がライブを観に来るからね」みたいに言われたりしていたのが3年前とか。そのときぐらいはよく考えてたけど、いつからかそういうことを一切言わなくなっていましたね。実際は観に来てくれていたのかもしれないけど、私たちは知らないまま過ごしていたので。そのころから「まあメジャーデビューはしなくても……」みたいな感じで、みんなの中でちょっと諦めモードがあった中での今回のメジャーデビュー決定だったので、正直「今!」みたいな感じでしたね。
──ファンも同じ気持ちだったかもしれませんね。今はメジャーデビューの実感はありますか?
竹本 何だろうな……雰囲気は変わった気がします。私はお母さんとかもけっこうライブを観に来てくれるんですけど、「なんか最近すごいまとまりあるね」みたいなことも言われましたし、ファンの方もメジャーデビューっていうことにすごく反応してくださって。こういったインタビューでも「メジャーデビューどうですか?」って聞かれるので、みんながどう感じているかはわからないですけど、気が引き締まったような気がします。
水野瞳(以下、水野) いいライブをすると、ファンの方が「これがメジャーアイドルか〜」って……。
一同 言うーーーーー!
水野 めちゃくちゃうれしいですけど……ね? いいライブを続けていかなくちゃなって。
安藤楓(以下、安藤) 気が引き締まってきた、めちゃくちゃ。
デビアンの今を表現する
新曲“ar”と“PA PA PA”
──メジャーデビューシングルの“ar”を最初に聴いたときは、どんな印象を受けましたか?
安藤 なんか今のデビアンに合いすぎてて。これまで頑張ってきた過程を思い出す曲だと思うし、聞いていてすごいジーンときたというか、心にきましたね。特に落ちサビの「ねえずっと 見つめる先は同じ これからもこれまでも 走ってきた道が 夢の方へ続くんだ」は、ものすごい感情を入れて歌っているので、ライブだと泣いちゃうかも。
竹越 曲とメンバーの歌声と、今の自分たちの状況とが本当に全部リンクしてますね。メジャーデビューっていう新たな門出というか、一歩を踏み出すっていう気持ちが曲からすごい伝わってきて、最初に歌割りを振られてみんなで歌ったラフミックスを聞いたときも、すごくいい曲だなって素直に思いました。
──歌詞は本当にリンクしていますよね。“ar”のサウンド面での印象はいかがですか?
竹本 いつもデモとか音源で聴いている感覚で初めてライブハウスに入ると、全然違う音色に聞こえるんですよ。それこそすごい爆音でやったり、音のローとかハイとかの調整も細かくやったりしているから、イヤホンとかでは聴き取れないような音とかが伝わってきたりして。音源のときはすごくクリアな感じで、 私たちのメッセージ性を強く歌ってまっすぐ届けるみたいな感じに今は聴こえてますけど、ライブハウスに入ると聴こえてこなかった音が聴こえてきそうで。ある意味すごく私たちも未知の部分があるので、ライブが楽しみだなって。
竹越 デビアンは個人的に難易度の高い曲が多いなと思っていて。これまではただリズムを取っているだけじゃ、自分の心と曲が合わなくなるときがありました。でも最近は、曲を理解しやすくなったのかなって。デビアンでいろんなジャンルの曲をやっていくうちに、自然に染み付いて身についていった感じはあります。
橋本侑芽(以下、橋本) 昔のデビアンはファンの皆さんと一緒に盛り上げて歌うみたいな楽曲が多かったけど、最近は歌詞を含めて聴かせる楽曲……何ていうかエモい楽曲が増えたのかなって感じます。
佐藤海人プロデューサー(以下、佐藤) 今回のメジャーデビューシングルに関しては、作家陣をインディーズのときからずっと支えてくれた人たちで固めて、今まで彼女たちがやってきたことが間違ってなかったということを、ファンの方たちに示した上でメジャーデビューするという意図がありました。“ar”に関しては、ジャンルレスでやって来たメッセージ性を込めるために、曲の中に何種類かのジャンルのサウンドを入れていて。Aメロとかをフューチャーベースみたいなノリにして、そこからサビになると生みたいな感じで、デビアンのジャンルレスな魅力を曲の中で表現しています。もうひとつの“PA PA PA”は、それより攻撃的なものをつくろうということで、ギター以外すべて打ち込みでシンセベースにして生ベースを使わないみたいな。ダンスミュージックの土台にギターを乗せて、パッと聞くとロックっぽくも聞こえるし、ただちゃんと聞くとダンスミュージックになっている。デビアンが今までやってきたダンスミュージックの部分をちゃんと出したかったし、あとは〈ビクター〉=ロックみたいなイメージを持っている方も多いのかなと思って、Devil ANTHEM.のダンスミュージックに〈ビクター〉のロック=ギターを合わせるという発想でした。
──カップリングの“PA PA PA”について、メンバーみなさんの印象も教えてください。
竹越 ファンの方からしたら待望の“山下曲”。メジャーデビューシングル発売ってなったときに、カップリングの“PA PA PA”のクレジットに「作詞・作曲:山下智輝」って入っているだけで、ツイッターが「やばい!」「きた!」みたいになるぐらい期待値が高いので。“ar”は魂込めて感情で歌い上げたらなんとか形になりそうな曲ではあるんですけど、“PA PA PA”はその場のノリと勢いだけじゃどうにもならないくらい難しい。だけどサビもちゃんと盛り上がるし、ファンの方と一緒にできるような振り付けもあるので、早く自分たちのものになるように頑張りたい。
安藤 レコーディングのときに、Aメロのところで最初はロボットっぽくって言われて、そのあとにもうちょっと人間っぽくみたいな感じのことを言われて。ひとつひとつの歌い方のイメージがちゃんとあったので、それをライブでもしっかり表現できるようにというか、その世界観にちゃんとぴったり合うように頑張りたいなと思います。
橋本 私はこのレコーディングでけっこう苦戦しました。サビに英語があるんですけど、その発音がわからないというか、何度も苦戦して撮ったのが印象に残っています。あと“PA PA PA”は全員で歌うパートがなくて、最初から最後までソロパート。なのでひとりひとり見せ場がちゃんとあるからこそ、ライブではどうやってそこで自分のパートを印象づけて、ファンの方に見せられたらいいのかなっていうのが、まだちょっと考え中です。
竹本 アイドルソングとかグループだと、ソロシンガーに比べて歌うパートがやっぱり短いので、表現がすごく難しい。侑芽が言っていたように短いパートでどう表現しようかなっていうのがすごく難しいけど、それがうまくリレーできたときに、アイドルグループの良さがすごく出るなって。みんなの気持ちをひとつにしていい曲にしようっていう想いがないとメッセージは伝わらないはずなので、そのリレーができるといいなってすごく思いますね。
それぞれの“ハタチ”
デビアンと自分のこれから
──改めて過去を振り返ってもらって、Devil ANTHEM.の小悪魔天使というコンセプトや、ダンスミュージックを軸にしたジャンルレスなサウンドというのは、活動当初から決まっていましたか?
佐藤 もう頭からそうでしたね。“あなたにANTHEM”っていう昔の曲があって、それもアイドルソングだけど打ち込みで全部作ってくれっていうところから始まっていて。当時のメンバーたちが最も上手く表現できる感情は「楽しさ」、つまりダンスミュージックだなと。誰でもノリやすくて、楽しいことを追求するという視点で、ダンスミュージックから始めました。それから徐々に生音のバンドサウンドで、歌詞も沁みるみたいなエモい曲を入れていきました。
──成長とともに音楽性が変化していったというお話から、竹本さんはお先にですが、2003年生まれの4人は今年ハタチを迎えますね。何か今このタイミングで心境の変化や思うところはありますか?
竹越 最近すごく思うのは、私は中学生のときからデビアンをやっているので、感覚がずっと中学生のままだなって。まわりの友達は大学に行ったり、就職して働き始めたり、勉強や仕事が忙しくなってだんだん自分が大人になることを理解していく。だけど私はずっとデビアンをやって今に至るので、人間関係も変わらないし、住んでいるところも通うところも変わらないので、自分が大人になっている感覚がなくて。だけど年齢だけが大人になっていて、ファンの方からも「もう大人だね」と言われるけど……っていうようなことを去年ぐらいからずっと考えてます。
安藤 私は特にそういう焦りとかはなくて、昔から「早くハタチになりたい!」と思っているタイプでした。ハタチに憧れがあったし、すごく大人に見えていたんです。でも今19歳で、次はハタチだと思ったら、なんか全然大人じゃないじゃんって。でも19からハタチになるこの間って、視野が広がったというか、なんかまた考えることがひとつ大人になったような気もしているので、ハタチを迎えることに対してはすごい楽しみです。
水野 「全員ハタチのデビアンってすごそう!」みたいにファンの方からはよく言われてたし、自分たちもすごい大人の女性になっていて、ステージ上でカッコ良くライブするようになってるんだろうなって思っていて。ただいざハタチまであと8ヵ月になって、いわゆる最年少キャラを、作っているわけではないけど続けていいのかなっていう不安はちょっとあります。でも変えられるわけでもないし、個人としてもグループとしてもそれが足を引っ張らなければ、変えずにそのままでもいいのかなとか。まわりの友達はどんどん未来を見つけていく中で、私はデビアン一本。高校生のころとかはまっすぐ進んでいたのが、今はいつまでアイドルが続けられるのかなって未来への不安でどんどんこう霧が濃くなっちゃって……前が見えなくなりつつある、です!
(一同)あはははは!
橋本 私はハタチになって変わりたいっていう気持ちが大きくて。10代は家族に支えられてここまでやってきて、やっぱり甘えてきた部分はあったので、20代は自分自身もっと大人になって、何でも自分でできるようになりたい。あと今まで自分勝手な行動でメンバーに迷惑をかけたこともあるので、時間はかかるかもしれないけど、これからは自分で精一杯にならずにまわりをしっかりと見られる人に、女性になっていきたいなって思います。
竹本 私はグループの中で最初にハタチになったので、今のみんなを見ていると「めっちゃ気持ちわかる!」みたいなことがよくあります。だけど最近、見える世界がまた変わってきたなっていうのがあって。みんなアイドルとプライベートの自分っていうのもあるだろうし、この世界は甘い世界じゃないし、確約された将来もないから不安を抱くっていうのはすごくわかります。ただそういう気持ちを抱えながら日々踏ん張って頑張って、だからこそ見える景色がこの先にあるんだろうなっていうのを最近すごく思うようになって。売れるって本当に大変なことだけど、その葛藤を乗り越えて、その先にさらに待っている景色が楽しみだなあって今は思います。
──ありがとうございます。デビアンは一歩一歩進んでいった結果としてメジャーデビューにたどり着いたので、これからも大きな目標ではなく、小さな目標を確実にクリアして走り続けていくイメージですか?
竹本 大きな目標はない! ないっていう言い方もおかしいけど。
橋本 みんなでこれと言って決めることが昔からないですね。
水野 だから燃え尽きることもなく、ひたすら走っていくみたいな感じ。
竹越 みんなそういう考え方ですね。ライブを確実にいいものにしよう、成功させようという目標はたくさんあるんですけど、それを達成していって気づいたら今みたいな感じで。
安藤 昔はいろいろ目標を言ってたこともあるけど、今は目の前のことをとにかく頑張って、ライブならライブのひとつひとつを最高のものにしようっていう考え方を大切にしてこれからもやっていきたいです。
Interview&Text by ラスカル(NaNo.works)
Photo by 小林真梨子
INFORMATION
◆配信情報
2023年5月10日(水)
メジャー・デビュー・シングル
<収録曲>
M1 『ar(読み:エーアール)』
作詞・作曲:IMAKISASA 編曲:AILI
M2 『PA PA PA(読み:ぱっぱっぱっ)』
作詞・作曲:山下智輝 編曲:蜜柑拉麺、Relect
ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて本日より配信スタート!
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、Spotify、YouTube Music、LINE MUSIC、Amazon Music、Deezer、AWA、Rakuten Music、KKBOX、TOWER RECORDS MUSIC
◆リリース情報
2023年5月31日(水)
メジャー・デビュー・シングル
<収録曲>
M1 『ar(読み:エーアール)』
作詞・作曲:今城佐々 編曲:AILI
M2 『PA PA PA(読み:ぱっぱっぱっ)』
作詞・作曲:山下智輝 編曲:蜜柑拉麺、Relect
価格:1,100円(税込) VICL-37684
◆掲載情報
〇週刊プレイボーイNo.23(5月22日発売)
竹本あいり 初グラビア 「ときめく季節」
〇週刊プレイボーイNo.22(5月15日発売)
水野瞳 初グラビア 「19歳、走り続ける」
◆発売記念イベント情報
5/25(木)20:00~リミスタ/インターネットサイン会 Vol.07
5/27(土)12:45~【東京】新宿BLAZE(入場無料/事前ドリンク代チケット制)
5/28(日)13:00~【東京】ららぽーと立川立飛 2Fイベント広場
5/30(火)19:30【東京】タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
5/31(水)19:30【東京】タワーレコード渋谷店9Fイベントスペース
6/2(金)19:30【東京】タワーレコード渋谷店9Fイベントスペース
6/3(土)13:00【神奈川】アリオ橋本 1F屋外イベント広場
6/4(日)19:00~【東京】WOMB LIVE ※チケット制
【Devil ANTHEM. SPRING TOUR 2023】
6月17日(土)大阪心斎橋 BIG CAT 16:00 開場 17:00開演
6月27日(火)東京Zepp 新宿 (Tour Final) 開場 18:00 開演 19:00
*特典レギュレーションほかの発売記念イベントの詳細、スプリング・ツアー2023の詳細につきましては、オフィシャルHP/オフィシャルSNSにてご確認をお願いいたします。
【Devil ANTHEM.(デビルアンセム)プロフィール】
「Make Some Noise」をキャッチコピーに、どこよりも楽しく沸けるライブを追求するアイドルグループ。5人のメンバーは、竹越くるみ/2003年1月7日生、竹本あいり/2001年11月6日生、水野瞳(AKIRA MIZUNO)/2003年12月14日生、橋本侑芽(YUME HASHIMOTO)/2003年4月18日生、安藤楓(KAEDE ANDO)/2003年10月2日生(19歳)。「悪魔の聖歌」という名前の意味のごとく、天界から人々を幸せにするために降り立った小悪魔天使が繰り広げる真っ直ぐなパフォーマンスが真骨頂の5人組。通称デビアン。またサウンド面に関してはUK HARDCORE、HAPPY HARDCORE、DUBSTEPなどのデジタルサウンドからROCK、POPS様々なジャンルを取り入れ、すべてにおいて感度の高いサウンドを追求している。2022年には12月4日にはグループ8周年となるワンマンライブを日比谷野外大音楽堂にて開催した。2023年2月14日にはフル・アルバムをタワーレコードとポップ・カルチャー・イベントの@JAMとのコラボ・レーベル、Music@Noteからリリース、3月から始まる全国7都市をまわる全国ツアーの中、5月31日(配信は5月10日)にビクターからメジャー・デビュー・シングル『ar(読み:エーアール)』が発売される。