祈りと赦し、哀しみと慈しみ、美と醜……Diosの音楽を聴いていると、様々な情感が浮かんでは消えていく。彼らが作る抒情的な音には、深層心理に訴えかけてくるような蠱惑的な響きがある。
2019年にぼくのりりっくのぼうよみを辞職したたなかと、海外で大きな評価を得てきたギタリスト・Ichika Nitoが意気投合。そこにぼくりり時代からたなかのトラックを手がけてきたササノマリイが加わり結成されたのがDiosである。
Ichikaが奏でる凍てつくような音色のクリーントーンギターと、ササノマリイが生み出す憂いを感じさせるトラック、そして哀しみを背負ったようなたなかの声……なるほど、ルーツもキャリアも異なる3人だが、確かに彼らだからこそ交わる美意識があるのだろう。2021年3月に正式に本プロジェクトの始動をアナウンスすると、最初のシングル“逃避行”をリリース。そこから半年の間に“鬼よ”、“裏切りについて”、“劇場”と矢継ぎ早に楽曲を発表。3人はここで起きる化学反応を楽しみながら、存分にそのクリエイティブを発揮しているように思う。
結成の経緯から楽曲の制作背景、そして3人が見据える未来について話を聞いた。
INTERVIEW:Dios
Diosの結成まで
──Diosはいつ頃からスタートしたプロジェクトなんですか。
Ichika Nito 2年前に僕とたなかでbirthplaceっていうアニソンのカバーライブをやったんですけど、そのリハーサルのあとに焼肉を食べに行きまして。そこでお互いバンドをやりたい気持ちがあることを知ったんですよね。そこからDiosを始める話をして、あとからササノを勧誘しました。
──2019年はぼくのりりっくのぼうよみが辞職した年ですね。たなかさんは何故バンドへのモチベーションが高まっていったんですか?
たなか ぼくりりを終わらせたあと、また音楽をやろうと思ったんですけど、ソロで曲を作ってアレンジャーやトラックメイカーを呼ぶやり方だと、それまでの繰り返しになっちゃうので。Ichikaとは相性の良さも感じていましたし、何か別のことやりたいと思って彼と一緒にバンドを始めました。
──音楽的な相性ですか?
Ichika Nito お互いの思う美しいものや、価値観が一致していたんだと思います。いま出ているDiosの曲は冷たかったり、尖っているイメージを持たれると思うんですけど、僕らが曲を作ると自然とそういう形になっていったんですよね。僕のギターのトーンにも影響されていると思うんですけど、いまのDiosの曲には氷みたいな感じがあって、そういうところで価値観が重なっていたんだと思います。
たなか Ichikaのギターって北欧っぽいですよね。聴いていると壮大な風景が思い浮かびますし、森の奥へと入っていくような感じが凄く好きで。それは僕がやりたいこととも合致するなと思っていました。
──ラストピースとしてササノさんにお声がけしたのは?
Ichika Nito ベースとドラムを入れて、ベーシックなバンド形態でやる案も出たんですけど、僕もたなかもそれじゃないかなって気がしたんですよね。僕らはThe バンドって形でやるつもりはなく、いろんな音楽をやりたいと思っていたから。そこで3人目のメンバーを考えてたら、ぼくりり時代の曲も作っていたササノマリイがいるじゃんって。
たなか 楽曲の世界観も近いところがあるし、一緒にやろうって話になりました。
──ササノさんはそのオファーをどう受け取ったんですか?
ササノマリイ 豆腐屋さんに呼ばれて話を聞いたんですけど、そのときは「いや、無理だよ」と言いました。「俺がバンドっていう形態で参加しても、役に立てることないぜ」って。
Ichika Nito あのときはネガティブだったよね(笑)。そう言って一度ははねのけられたんですけど、俺らのアイデアを遊び感覚でいいからアレンジしてみてよって伝えて、とりあえずデモを送ってみたんです。
たなか そうすると彼もクリエイターなので、良いものが送られてきたら良いものを作りたくなるんですよ。
Ichika Nito その習性を利用して付け込みました。
──(笑)。実際ササノさんの気持ちとしては、何が決め手だったのでしょう。
ササノマリイ ぼくりりのときからそうなんですけど、たなかに書いたトラックは、そのまま僕がやっても活きないんですよね。しかも僕自身の曲以外では、僕が一番納得できる形に仕上げてくれるから、いわば自分が良いと思えるものを、さらに良い形で昇華できる人なんです。あと、2019年頃には自分の曲だけを作っている時期があったんですけど、その頃僕は曲を作れなくなっちゃって。たなかに曲を書くことが、自分の制作や音楽活動の原動力になっていたんだと実感したんですよね。
──なるほど。
ササノマリイ 実際この1、2年はDiosで曲を作ってきて、自分の活動も大きく動いてきたから……依存しているということですかね?
──そういう言い方もありますね(笑)。音楽家として、良い関係を築けていると。
ササノマリイ 3人で集まって出来たものは、間違いなく僕が胸を張って良いものだって言えるものなんですよ。それだったら本気で加わりたいよねって気持ちです。
──3人になった時、バンド活動のイメージやビジョンはありましたか。
Ichika Nito 遊びや趣味でやるというよりは、本気でやって行きたいと思っていました。僕は海外をメインに仕事をやってきて、ファンも9割以上が海外ベース。日本で多少ギタリストとしての知名度はあっても、そこまでではないし、自分でも海外のアーティストという認識でいました。でも、日本の歌ものの音楽シーンで自分がどこまで通用するんだろうっていう気持ちはあって。そこで勝ちたいというか、自分のギターがふたりの音楽要素とミックスされてバンドになったとき、どこまで通用するんだろうという気持ちで組みました。
──では、晴れてこのメンバーになったのが?
Ichika Nito 去年の冬くらいです。
──そこから鋭意制作に入ったんですか?
たなか 鋭意やってましたね。
Ichika Nito 表に出ていない曲が既に10数曲あって、ワンコーラスだけのものも含めて曲は沢山作っています。制作はいまのところ僕がギターを弾いて、半分くらい出来上がっているものをササノに渡して肉付けしてもらう。そこにたなかが歌メロと歌詞を乗せるっていう流れが多いです。
楽曲制作とルーツ
──3月に最初のシングル“逃避行”がリリースされ、以降4つの楽曲が配信されています。完成した順番で言うと、どれが最初になりますか?
Ichika Nito 最初が“逃避行”です。
たなか それから“劇場”、“鬼よ”、“裏切りについて”の順番ですね。
──“逃避行”はまさに北欧の風景を感じるような、Ichikaさんのクリアなギターが印象的です。一番最初にできたという意味でも、Diosの根幹にあるものが表れた曲と見ていいんでしょうか。
たなか そうですね。素直に作ったらこうなった、みたいな曲です。
──一方、2曲目の“劇場”は、他の楽曲と比べるとトラックが前に出ている感じがします。
たなか “劇場”はさっき言った作り方とは逆の流れでできていて、ササノが最初にトラックを作り、そこに歌を乗せてから最後にギターを入れています。それもあって聴感上少し違う感じがしますし、この中ではササノの色が濃く出ているかなとは思います。
Dios – 逃避行(Dios – “Runaway” Official Music Video)
Dios – 劇場(Dios – “Theater” Official Music Video)
──“鬼よ”はマスロック的なギターが強烈ですね。
Ichika Nito “逃避行”と“鬼よ”は僕がガチガチにギターを作って、ササノが割とそのまま使ってくれた曲ですね。
ササノマリイ どういう風にしてもいいよって言われて渡されたんですけど、めっちゃ良かったのでそのまま使いました。あと、この曲は拍子が6/8なんですけど、僕はこの拍子が大好きなんですよ。なので“鬼よ”はテンションが上がったまま作るっていう感じで。
Ichika Nito “鬼よ“はよくここにメロディを当てれたよね。
Dios – 鬼よ(Dios – “My Inner Demons” Official Lyric Video)
──4曲とも歌謡性の強さを感じますが、これはたなかさんの何が表れていると思いますか?
たなか EGO-WRAPPIN’が僕のルーツにあるからだと思います。彼らは昭和歌謡の流れを組んで、ジャズやR&Bを取り入れていたと思うんですけど、僕の楽曲に歌謡曲の要素があるのは、そこからの影響が出ているのかな。あと、ぼくりりのときはラップをすることが要素としては大きくあったんですけど、Diosはラップしなくてもいいかなと思っていたので、最初の方に作った曲は歌謡曲の強さの方に行ったんだと思います。
──ちなみに、Ichikaさんのルーツはなんですか?
Ichika Nito 僕はビル・エヴァンス(Bill Evans)です。ジャズをきっかけにクラシックに行って、そこからヘヴィメタルを通ってマスロックなどのテクニカル路線に行き着きました。
──今のご自身のプレイに一番影響していると思うものは?
Ichika Nito クラシックの影響もあると思いますが、一番はアイアン・メイデン(Iron Maiden)ですね。ヴァン・ヘイレン(Van Halen)など、昔のヘヴィメタルやハードロックが好きです。
──ドラマチックなギターはそこから来ているんですね。
Ichika Nito 確かにそうかも。展開も抒情的ですし、あの臭さを自分の好きな形に落とし込んでいます。
──現状リリースしている曲の中では最近できたという“裏切りについて”は、テイストとしては一番ポップですね。
Ichika Nito 結構暗い曲ばかりできていたので、“裏切りについて”はこんなに明るくても大丈夫かな? くらいのテンションでした。制作は僕が明るめのギターフレーズを弾いて、ササノがサビを乗っけています。
ササノマリイ 僕はデモの波形を切り刻むのが好きなんですけど、この曲はもらったギターを並び変えて、ABサビで構成して作っていきました。それをもう1回Ichikaさんに返して、またギターで弾いてもらっています。
Dios – 裏切りについて(Dios – “Betrayal” Official Music Video)
──普段の活動でも、ササノさんの楽曲はポップ色が強いですよね。ササノさんのアレンジが一層この曲を明るくしている気がします。
ササノマリイ 僕自身は明るいものを作っているつもりはないんですけど、周りから見るとそうみたいですね(笑)。僕はポストロックとかドラムンベース、エレクトロニカやIDMが大好きで、そういうものを食べてきた人間がアウトプットすると、こんな曲になっちゃいますよっていう感じなんですけど。どちらかと言うと、僕は“重い”とか“かわいい”が好きなんです。
たなか “重い”と“かわいい”?
Ichika Nito 真逆じゃね?(笑)。
たなか “かわいい”はともかく、“重い”がわからん(笑)。
ササノマリイ 音的なことなんだけど、たとえば“逃避行”がまさにそんな感じで、“鬼よ”も僕はそういうイメージで作っている。でも、自己と他者の認識にズレがあることも自覚していますね。なので僕が良いと思うものが全然伝わんないこともあるし、そういうものだなと思って作っています。
創作の方向性
──それは創作する人の宿命かもしれないですね。たなかさんは歌を歌っていて、そうしたことを感じることはありますか?
たなか 自分が慣れ親しんでいないカルチャーに触れる時に、強く実感します。たとえば音楽に触れる時は、僕は音楽のプロとして“こういうのってありきたりだ”とか、“もう少し捻りたい”と思ってしまうけど、絵を見る時には素直にしか見れないんですよね。そのバックグラウンドがない人からすると、カッコ良いかどうか、それだけだと思います。つまり誰に向けてやるかってことなんですけど、僕は同業者の方を向いて歌っているわけではないので。
Ichika Nito それが目的ではないからね。そういう意味では、大雑把さも必要だと思う。
ササノマリイ 僕はその中でも自分の捨てきれないエゴによって、音楽の知識がある人達が聴いたときに「おっ……!」って思うものも入れているつもりなんですけど。そうすると、やっぱりIchikaさんのギターとたなかの歌が凄いんですよね。Ichikaさんのギターは見ていても何をやっているかわからないくらい凄いんですけど、音楽的には聴きやすく、たなかの歌も難しいことをやっているとは思わないですよね。
──聴きやすいもの、あるいは届きやすいものになっていると。
ササノマリイ やっぱり伝わらないものは作りたくないので、よりそういうところを活かせる曲を作っていければと思います。
──少し話しは変わりますが、ぼくりり時代の作品は、テーマやヴィジュアルにセンセーショナルなところがありましたし、何かを暗示したり代弁するような表現を、敢えて行っていたように思います。
たなか なるほど。
──いわば音楽以外のところに多数の語り口を用意していた活動だったと思うんですけど、それと比べるとDiosは音楽が前に出ている、音楽以外の語り口を極力排したプロジェクトであるように今は見受けられます。
たなか 僕があまり語らず活動するとどうなるのかっていうことを、実験的にやっているところもあるかもしれないです。ただ ……その結果に対しては懐疑的です(笑)。
──早くも懐疑的なんですか?(笑)
たなか やっぱり語っていいかなって。本当に埋没していく時代だなって感じるんですよ。
Ichika Nito それは凄く感じる。この時代、余裕こいている場合じゃないなって。
たなか 本当にそう。生き延びるのが凄く大事ですよね。なんでもできるオールラウンダーよりも、スペシャリストの時代だと思います。
──何故?
たなか 触れられるものがめっちゃ多いから。基本的にはそのなかで全部埋没していて、尖った部分を誰かに発見してもらうしかない。それならば全部80点〜90点のものよりも、1個150点で歪なものがある方が発見してもらえるのかなと。
Ichika Nito Diosの曲で言うと“鬼よ”になるのかな。“劇場”とか“裏切りについて”は、満遍なく良い点取る曲のような気がします。
たなか そういう意味でも、本当にまだ手探りですね。でも、4曲出したことで開けてない扉が浮き彫りになったから。早く次を作りたいですね。
──リリックはたなかさんの思索が綴られているような印象ですが、“逃避行”や“鬼よ”の《逃げる》というフレーズは特に象徴的だと思います。
Ichika Nito 《逃げる》はよく出てくるよね。
たなか 物事の答えを出すとき、基本的に“逃げる”か“立ち向かう”かしかないと思うんです。そして、そこで立ち向かうことももちろん大事なんだけど、大方は逃げることが正解であることが多いと僕は認識していて。そういう意味で、自分にとっては逃げることにフォーカスする詞を書くのは自然なことですね。
──具体的に、逃げることにどういうイメージを持っていますか。
たなか 日々逃げて生きていませんか? 僕はその繰り返しだと思いますし、生きることが逃げることである、という認識が凄くあります。死ぬということ……生まれてこの世から去っていくこと自体が逃げることだと感じていますし、人はある場所に来るんだけど必ず去っていく。そうして去っていくことが確定しているってことって、人生そのものが逃避のメタファーであると考えられるんじゃないかなと。“逃避行”という曲は、そういう発想で書いています。
──“鬼よ”がそうであるように、人が抱える暗い部分を見つめる歌詞や、弱さや後ろめたさを許すような言葉も印象的です。
たなか 僕は人が葛藤を抱えているときや、その人のなかでふたつのものがせめぎ合っている様子に、美しさを覚えるみたいです。矛盾しているふたつのものを抱いてもがいている状態、相反するものがその人のなかで蠢いている状況、そういうところに美しさを見出します。だから僕は葛藤に直面することが尊いことであると言いたいですし、その葛藤こそが人生である、と思います。
──言い換えると、人生観が歌詞には反映されていると。人生について語るっていうことは、哲学するってことですよね。
たなか 僕はすぐ人生について語ってしまうんですよね……そうではない表現があっていいはずなんですけど、少なくとも自分で作って自分で歌うとなると、全部そうなってしまう。
ササノマリイ でも、突き詰めると歌って何かしらの哲学だよね。
たなか そう。
──歌詞が素晴らしいこともありますが、言葉はメロディやリズムに乗ったときその意味を超えて響く時があるから面白いですよね。それがポップソングの魅力でもあると思います。
たなか それは凄く感じますね。
──Diosの表現でそうした楽曲が生まれてくることも、今後の活動で注目したいです。
たなか 観測不可能なところが難しいところですね。祈りに近い作業だなって思います。
Ichika Nito そうあって欲しい、という祈りだよね。
たなか そうそう。でも、大体のことは祈りなんだと思う。特に文字を書くって行為は、祈りじゃないですか。
──意図しない届き方ばかりしますからね。
たなか 本当にそう。昔はもうちょっと違った気がするんですけど……最近言葉を使う人は、より祈りを込めてやっていると思います。
──そういう社会のなかでも、Diosは音楽で勝負していきたいと。
たなか そうですね。
──最初に日本のシーンでどこまで通用するか試したいと言われていましたが、音楽的に素晴らしいことはもちろん、セールスも重要な要素になっていきそうですね。
Ichika Nito 音楽的に素晴らしいだけでは届かないっていうことはこれまでの活動でわかっているので、商業的に伝わるものも考えなきゃいけないとは思います。
たなか 僕も商業的な成功は大事なファクターだと思う。そのなかでいかに時限爆弾みたいなものを作れるかってことが、個人的にはやりたいことです。ポップスのなかにひっそりと罠を仕込んでいくというか……10年後なのか20年後なのかわからないですけど、どっかのタイミングで特定のフレーズが脳によぎるような楽曲を作りたい。こっそり埋められた種がある瞬間に発芽するみたいな曲を歌う、聴いてくれる人にとって、そういう存在になりたいです。
──なるほど、それが「商業的な成功」の先にあるもの。
ササノマリイ それこそ祈りだね。
たなか みんなの暮らしの中で芽吹いてほしい。そう祈ることが、世界に対してできる精一杯のことだから。できることをやっていきたいですね。
──現時点で、これからの創作でイメージしていることはありますか?
Ichika Nito 結成から今までの1年半は、3人の肌感を知るというか、僕らが集まったときにどんな風に曲ができていくのかを知っていく作業だったと思うんです。で、これからはそれを踏まえて新しいやり方で曲を作っていこうかなと。
たなか 3人ですり合わせて曲を作ってきたんですけど、これからは誰かひとりがぶち抜いて曲を作っても面白いと思います。
──誰かがイニシアティブを取ると。
たなか 分業制だったところから、総監督みたいな人が登場するっていうことですね。Diosのメンバーは変わらないけど、それによって出てくるものは変わってくるだろうなって思います。もしくは、ササノマリイが歌詞を書いてみるとか?
Ichika Nito 面白そうじゃん。
たなか 僕はアレンジは一切できないですけど、このバンドってみんな一通りできるのが面白いところだと思うので、そういうシャッフリングはどんどんやりたいですね。
Ichika Nito そういう試みをバンドでやっていく内に、関係が成熟していって、本当の意味での3人の曲ができるのが楽しみですね。
たなか 10年バンドやったら、どうなるんだろうね?
Ichika Nito それだけ喧嘩したりしてね。
たなか 早く喧嘩したいよね?
──したいんですか?(笑)。
たなか (バンドの)風物詩じゃないですか。
Ichika Nito でも、間にササノマリイがいることで起きにくいと思う。
──そういう意味でもササノさんに声をかけたのは大きかったと。
たなか だから武闘派みたいな人をひとり入れてみたいよね。
Ichika Nito いや、俺はたぶん一瞬で嫌になる。
たなか (笑)。今はすり合わせを楽しんでいるところでもあるからね。
ササノマリイ 思い通りにならないことが面白いのって、凄く良いことですね。誰かが納得いかないまま出来上がっている曲がないんですよ。Diosは化学反応起きまくっているバンドなので、今はそれが凄く楽しいです。
取材・文/黒田隆太朗
写真/Naoki Usuda
Dios
たなか(前職・ぼくのりりっくのぼうよみ)、YouTube登録者数160万人越えの今最も注目すべき世界的ギタリスト・Ichika Nito、ボカロやオンライン・ゲーム界隈ともリンクしぼくりり過去作も手掛けたコンポーザー・ササノマリイと新たに結成されたバンド。 たなかの好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』の登場人物・Dioと、ギリシャ神話における陶酔や酩酊を司る神・ディオニュソスを掛けて名付けられている。