山本 ジャンルの入り口ってありますよね。僕の感覚だと誰がフロントとかではなくて全員が横並び。
YOHEI ジャズとかインストは基本的には全員が主役だよね。
伊藤 特にジャズだとドラムがヒーローだという部分は大きいよね。歌モノのバンドだったら、フロントにボーカルがいて主役。それぞれのジャンルによってドラムの立ち位置が違うよね。
PiRO 拓ちゃんはバンドじゃなくて、ドラムを始めるきっかけもジャズ?
山本 楽器を始めたのは吹奏楽部で、ドラムを本格的にやろうと思ったのはフュージョンですね。初めて買ったCDもデイブ・ウェックルです。
YOHEI 俺もデイブ・ウェックル好きだよ。ちなみに何のアルバム?
山本 『シナジー』です。
YOHEI グリーンのジャケットのアルバムだ! 俺は中学1年の時に、3年にちょっとヤンチャな先輩達がいて、文化祭でバンドをしていたんだよね。通っていた学校は文化祭の1ヵ月前にオーディションがあって、受かったバンドは音楽室を1ヵ月練習で使えるんだけど、その先輩達は誰から借りたのか、軽トラにドラムを丸裸で乗せてきて……それがYOSHIKIさんのクリスタル・ドラム。しかもツーバスのフルセット! そのドラムが音楽室にセットしてあるのを見たら、もう格好良くて……演奏を見る前から「ドラムやってみたい!」と思ったね(笑)。
伊藤 やっぱりドラムのビジュアルだよね。
山本 ライブの時にセット組むと写真撮っちゃいますよね(笑)。
伊藤 レコーディングの時とかも絶対撮るよね(笑)。
一同 (笑)。
(折角のドラム会。ここでこだわりのドラムセットをご紹介!)
伊藤隆郎:Gretsch USA custom シリーズ&Istanbul Agop Cymbals。組み方の特徴は自然に叩ける無理のないセッティングを心がけてます。
YOHEI:Pearl Reference PUREシリーズで、ほぼ水平にセッティングし全体的に鳴りを重視しています。
山本拓矢:YAMAHA PHXを中心に、現場に応じて楽器のサイズや組み合わせが変わります。スタンドも楽器の一部。
Hiroyuki”PiRO”Nakayama:2ndタムに小口径のものをセット、全体的にタイト。シンバル類は鳴りが良くかつ減衰が早いものをセット。
YOHEI バスドラのマイクのかかり具合まで気にしちゃうよね。「バンドのロゴが隠れちゃう!」とか。
伊藤 「グレッチのロゴ出してください!」とか(笑)。そういうので気分アガるよね(笑)。俺もきっかけはドラムセットのビジュアル。姉がブラスバンド部でコントラバスをやっていて「仮入部してみたら?」って言われて、試しに行ってみたら、音楽室にドラムセットが“バンッ”って置いてあって、それまで叩いた事はなかったけど、とにかく恰好良く見えたよね。バンドをやるようになってハマったのはパンク・ロックかな。
YOHEI Hi-STANDARDとか、グリーン・デイは中学3年ぐらいの時に流行ったよ。
伊藤 世代的なものはあるよね。俺はシャウトしているようなUKハードコア。だけど大学ではクラシックの打楽器を勉強していたんですよ(笑)。ティンパニとかをやっていて、クラシック時代にトライフォースのメンバーとも出会った。学校ではクラシックだけど外ではパンク・ロックにハードコアをやっていて、ひとりで鋲ジャン来てクラシックを聴きに行く(笑)。
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