音楽がより楽しめる！ドラマーにドラムの“ド”の字を聞いてみた

伊藤　驚くようなドラマーはいっぱいるよね。これは語りだしたら長いけど……（笑）。中村達也さんは音楽的にもジャズのテイストをバンバン打ち出していった人だから好きですし、ずっと追いかけている部分もありますね。ただ、衝撃を受けたジャズ・ドラマーは本当に多い。トニー・ウィリアムスは「なんでライド1枚でこんなに音を操れるのか。」とか、N.Yに行った時にジェフ・テイン・ワッツを見た時は、ドラムっていうもので「これだけ表現できるんだ！」って。同じくN.Yで見たマーカス・ギルモア。とにかく、凄いドラマーは沢山いるからドラムって面白い！　

PiRO　ライブでドラムを叩いている時にトラブルとかあったりしますか？　

YOHEI　ビーターが飛んで行ったりね。

一同　ある（笑）。

YOHEI　そして足で蹴ったりしながら、なんとか近くに持ってくる。

PiRO　シンバルを手で叩いたら反対側にひっくり返ったり。

伊藤　俺も14年の＜フジロック・フェスティバル＞でなっちゃったよ！　3点あるうちで、1個ライドクラッシュが残っただけで全部ひっくり返っちゃって……しかも全部曲が繋がっているセットリスト。サイドのスタッフの方に「気付いて！」アピールをしているんだけど、俺がテンション上がってパフォーマンスしていると勘違いしていて……「いやいや、来てください！！」って（笑）。 

一同　（笑）。

伊藤　でも男だらけでバーでドラムについて話すってすごいよね。

PiRO　女子ドラマーさんも増えてきていますからね。

伊藤　シシド・カフカさんとか、ゲスの極み乙女の、ほな・いこかちゃんとか。

YOHEI　シンディー・ブラックマンとか凄く好きだった！　

伊藤　俺、あの人のシンバル使ってる！　

山本　omですね！　

伊藤　あれはレコーディングで凄く活躍しているんだよね。ドライな感じ！

（……ここからドラムセットの「あれ欲しい！　これ欲しい！　これこんな音なるんだぜ！　何年の……。」と、細かい話になったので割愛させていただきます。コアなドラムファンの皆さまスミマセン。ここで、尊敬するドラマー。ドラムをはじめるには？　という話に切り替えさせていただきました！（笑）。)　

伊藤　やはり中村達也さんです。

YOHEI　Toshi Nagaiさんですね。Toshiさんは元々ジャズ・ドラマー。ジャズのフィールドがあるから、色々アドバイスもして貰えるし、テクニック的なところよりも、すごいマインドコントロール。

PiRO　僕は大坂昌彦さんです。大坂さんが叩く姿を見ていると「ドラム楽しそう！　ドラムって楽しいんだ！」シンプルなものからテクニカルなものまで、プレイを見ているとそんな気持ちになるんです。

山本　ソウライブのアラン・エヴァンスですね。昔はスタジオミュージシャンになりたかったんですけど、2003年頃にアランを見て、バンドの良さに目覚めたので。そういえばYOHEIさんはドラムの先生をやっているんですよね。教わるならYOHEIさんに！　

YOHEI　まだまだ修行の身ですけど、ドラム教室やっています。教え始めた時はドラム経験者の人が来るかと思ったんですけど、「これから始めたいんです！」そういう人が意外と多いんです。ドラムはスティックさえ購入すれば、ドラムセットはスタジオに行けばあるし、学校に行けば大体はある。ライブハウスにも備え付けだし、意外と一番お金がかからない。ドラムセットは本当に職業にしようと思った時に初めて購入すればいいと思う。

山本　スタジオは500円位から借りられますからね。

――皆さん大変盛り上がっている中失礼します……大変恐縮ですがお時間が……。最後に各個人の活動について、そしてドラマーとしての今後の展望を教えていただけますでしょうか！

山本　今お世話になっているレーベルとその周辺やシーン自体の盛り上がりを感じているので、それが広がっていったらいいなと思っています。個人的には、だいぶ先になるとは思いますが、Duoで鑑賞に堪えられるレベルのロングセットをやってみたいです。

PiRO　TPCは今年の春夏頃に僕が加入してから初となる、待望の2ndアルバムが発売予定です。3人の音に加えて、今回はゲスト陣も多数迎えています。前作よりも世界観が広がり、皆さまに楽しんで頂けるものになっています。ドラマーとしては、ドラムセットの個展をやりたいです。ドラムセットはドラマーにも一般の方にも魅力があるものだと感じているんです。色々なジャンルの方々とドラムセットをコラボして、ひとつのアートを創り出したいと思っています。

YOHEI　ジャバは昨年から地元の関西(滋賀)で＜MOTHER LAKE JAZZ FES（以下、マザレ）＞というフェスを主催し始めて、今度は3月に東京で開催します。これまではジャバ主体の発信がなかったので、これからは北海道から沖縄でも＜マザレ＞を開催して、皆で混ざり合って、その土地の人と音楽を楽しみたいですね。

個人としては、ドラム教室をやっていると、教える事で自分が得るものが多いんです。生徒さんがどんどん上達する姿や過程。それにドラムを好きになっていく様子を見るのがとにかく楽しいんです。そういうきっかけを増やしていきたいですね。最近学生さんがジャバのカバーをしてYoutubeにアップしてくれているんですけど、そういう学生さんたちともネットじゃなくて一緒に演奏もしてみたいですね。

伊藤　トライフォースが今年で結成10周年を迎えます。4月1日（金）にPRIMITIVE ART ORCHESTRAと代官山UNITでツーマンをやるんですけど、僕がやっているこの2バンドでのツーマンはなかなかないので、ぜひ足を運んで、それぞれ違う世界観を楽しんで欲しいです。春にはトライフォースのベストアルバムもリリース予定です。すべて再録音したので、アルバムもぜひ聴いて欲しいですね。

個人としては、これから何10年もドラムを叩き続けて人前でやっていけたらいいなと思う中で、ドラマーとしてどのバンドで叩いているのを聴いても“伊藤隆郎”だっていう風に解って貰えるドラマーになる事を、この先追及していけたらと思います。

TRI4TH オフィシャルサイト YOHEI オフィシャルサイト Hiroyuki”PiRO”Nakayama オフィシャルサイト bohemianvoodoo オフィシャルサイト

photo ＆ photo editorial by Mako Masaya、me.
撮影協力：BAR it