1枚目、2枚目、まるで階段を上るかのようにDum Dum Girls(ダム・ダム・ガールズ)は自分たちの音楽性を高めてきた。2012年の終わりにリリースされた『エンド・オブ・デイズ』を経て制作された3枚目のアルバム『トゥー・トゥルー』は女性が音楽を奏でる事、作り出す事の尊さを改めて考えさせられる内容だった。前作同様ゴーゴーズやブロンディーを手がけた名プロデューサー=リチャード・ゴッテラーの力添えもあって、ヴォーカルそしてバンドのブレインであるディー・ディーの陰のある魅力的なメロディーや歌詞がしっかりとポップ・ミュージックとしてまとめあげられている。

真夜中の暗闇の中で怪しく光るチーターの目の様に、ダークさの中でメロディーがキラリと輝く曲達は80年代の〈4AD〉が生み出した偉大な楽曲にも似た魅力を持っている。それに加え本人達のルックス、ファッション、アートワークなど視覚的にも音楽と共通した世界観を生み出し、同性、異性問わず、彼女達の存在自体に私たちは憧れずにはいられない。そんなダム・ダム・ガールズがH&Mにこのアルバムにも収録されている“Lost Boys And Girls Club”を提供した事は必然だったのかもしれない。ファッションと音楽が結びついた時のエネルギーは圧倒されるものがある。今時ロックスターなんて言葉は死語かもしれないけれど、ダム・ダム・ガールズは光り輝くスターとしてこれからも女子の憧れの存在であって欲しい。

アイコンであるディー・ディー、彼女がステージから降りた時の素の顔に少しでも近づきたくて、10個の質問を投げかけた。バンドとして、そして1人の女性として、私たちが既に持っていたイメージを良い意味で裏切ってくれる彼女の回答をお楽しみください。いつもと違う表情を見せてくれるディー・ディー=ダム・ダム・ガールズの事がもっともっと好きになるはず。

Dum Dum Girls“Lost Boys and Girls Club”H&M Life

ディー・ディーに聞く! 10個の質問。

Q1. 長いレコーディングの後にまずやったことは?

大喜びしたわ。

Q2.今回のアルバム『トゥー・トゥルー』もそうですが、アルバムのタイトルはどうやって決めてきましたか?

私の場合、たいてい曲と歌詞を、いままで意識してなかったテーマ的な何かがあるかもと思って眺めるの。今回は私のクリエイティヴ・ディレクターのタマリンと夫のブランドンにもお願いして、彼らがこのアルバムに思ったもの、それに3人全員がそれぞれ思ったものとして「Too True」という言葉が出て来たの。それでこれは何かのサインだと理解したわ。

Q3. もし何か新しい「クラブ」を作れるとしたらどんなクラブにしますか?

今回の曲、“Lost Boys&Girls Club”のモチーフをうまく使えたらいいかも。「Lost」という言葉をまたうまく使って、ね。J.R.R. トールキンの《not all who wander are lost.(さまよう人がみな道に迷っているわけではない)》的なスタイルで。

Q4. 長いツアー中にはどうやってリラックスするの?

エクササイズ、それに可能な限りよく眠る事、メラトニン、ハッシュ(大麻)、それにワインね。

Q5. もし自由に共演者を選べるとしたら、誰を選ぶ?

ノーコメントで。

Q6. あなたの曲はファッションブランドのCMなどに使われているけれど、あなたにとって一番着心地の良い洋服って何かな?

私はほぼいつも黒いシルクのストッキングにアンクル・ブーツ、それに黒のフェイクファーのコートね。

Twee Grrrls Club代表Sumire氏が聞く! ディー・ディー(ダム・ダム・ガールズ)への10の質問 music140122_ddg_sub2-1

Twee Grrrls Club代表Sumire氏が聞く! ディー・ディー(ダム・ダム・ガールズ)への10の質問 music140122_ddg_sub3-1

Q7. 今回のアルバムを製作していて一番大変だった事、一番良かった事は?

今回の曲はホント降りて来たみたいに早く出来て、それには驚いたわ。いままでこんな事なかったからすごく興奮したの。

Q8. ワイルドなイメージを持っている人が多いと思うけど、実際あなた自身はワイルドな方だと思う?

誰が一体そんな事思ってるの?! 私のワイルドな時代はダム・ダム・ガールズ以前だと思うんだけど・・・。いまはなるだけ直感的でいようとしてるのと、二日酔いにならないように努めてるわ。

Q9. あなたにとってファッションや音楽で憧れの人はいるのかな?

パティ・スミス。

Q10. あなたにとって「愛」を5つの単語で表現するとしたら?

maddening(気をおかしくさせるもの)
consuming(身を焦がすようなもの)
heavy(重い)
light(軽い)
life-affirming(人生を肯定するもの)

Twee Grrrls Club代表Sumire氏が聞く! ディー・ディー(ダム・ダム・ガールズ)への10の質問 music140122_ddg_jk-1

(text&interview by 多屋 澄礼[Twee Grrrls Club / VIOLET AND CLAIRE])

Release Information

2013.01.23 on sale!
Artist:Dum Dum Girls(ダム・ダム・ガールズ)
Title:Too True(トゥー・トゥルー)
SUB POP / TRAFFIC
TRCP-149
¥2,100(tax incl.)