Interview:大宮エリー(前編)
——エリーさんは昨年はじめて<フジロック>に行ったんですよね。
大宮 そうなんです。もともと自発的ではないんで、誘われたら行くっていうタイプで。他のフェスにはバイオリンの演奏やトークショーとかの出演者として参加させてもらっていますけど、それ以外に、中村達也さんとか出演者の友達が招待してくれるときは大体一人で行くんで、迷子になったりするんです。ミュージシャンの事務所スタッフの方が「こっちだよー」って迎えに来てくれたりする、すごく迷惑なやつなんですよ(笑)。
——どんなことから<フジロック>に行くことを決めたんでしょうか?
大宮 『生きるコント』にも書いていますけど、私の最初のマネージャーさんは<フジロック>が大好きなんですよ。ある日、「ここからここまで休ませてもらえますか?」って言うから「なんで?」って聞くと、「<フジロック>なんですよ」って答えてくれたことがあって。「そうか、<フジロック>はまず休みを確保するんだな」って、そこから<フジロック>が気になっていたんです。去年はROVOの勝井さん(勝井祐二)が「<フジロック>に出るから来れば?」って誘ってくれて、「ROVOの野音ライブにも行けなかったから、<フジロック>に行っちゃえー!」って。
——はじめての<フジロック>を振り返ってもらえますか?
大宮 まず、電車に乗ってどうやって<フジロック>に行くんだろうっていうところから始まりましたね。ミュージシャンの友達とかに、「とりあえず渋谷からどうやって行くの?」って聞いたりして(笑)。越後湯沢の駅に着いたらシャトルバスが出ていることを教えてもらったけど、「すごく並んでいるからエリーちゃんはタクシーに乗ったほうが早いよ!」っていうアドバイスに従って。会場に着いたら友達に迎えに来てもらってたのかな。
——会場ではどんな具合に過ごしたんですか?
大宮 たまたま、すぐに友達と合流できたんですよね。私は方向音痴だから、「あのステージってどうやっていくの?」って聞いたりして、ラジオ番組を担当させてもらっているJ−WAVEの人たちが来ていたから、「◯◯観にいくから一緒に行きます? 」って言われたら、「行く行く!」って付いていく感じでした。みんながアウトドア用のチェアに座って、森の中で酒を飲みながら音楽を聞いているのを見て、「こりゃあ楽しいわけだ!」ってようやく分かりました(笑)。
——たしか、土曜1日だけの参加でしたよね。
大宮 うん、たしか土曜日に行ったんじゃないかな。小山田さん(小山田圭吾、CORNERIUS)、津田大介さん、ROVOの芳垣さん(芳垣安洋)とか、ごそっと会えましたね。最後はすごく遠くのエリアまで勝井さんのステージを観に行って。
——深夜のピラミットガーデンですね。
大宮 そうそう。すごく辺鄙なところだけど雰囲気いいですよね。キャンドルがいっぱい灯されていて。どこも結構好きでした。
——それぞれのステージにはっきりと色がありますからね。
大宮 なんだか旅をしているような感じなんですよ。地図も持ってなかったから、自分がまったくどこにいるのか分からなくて。海外を一人旅しているような緊張感がありましたね。それなのに、私はほとんど手ぶらで宿も取らないで行ったんですよ。
——そうなんですよね、エリーさんは宿を取らないで苗場に乗り込んだっていう。どうして宿を押さえなかったんですか?
大宮 宿を取るのが好きじゃないんですよ。宿を決めたらつまんないし、宿に拘束されたくないみたいな気持ちがありますね、自由でいたい。昔、マキシマム ザ ホルモンのナヲちゃんが「来なよ」っていうから、とあるフェスに行ったんです。そのときも宿を決めていなかったら、スカパラとかドラゴンアッシュとかホルモンのみんなが私の宿をどうするか考えてくれて。本当にみんな優しい。ごめん!! ホルモンチームの宿が空いててそこをキープして、安心して、結局、ミュージシャンのみんなとベロベロに酔うまで飲み明かしました(笑)!
★ビギナーでも楽しめる、エリーさんの新提案とは?
インタビュー続きはこちら TALKING ABOUT FUJIROCK:大宮エリー
interview&text by Shota Kato(CONTRAST)
photo by Chika Takami