話題のアーティストに、テーマに沿った曲を選んでプレイリストを制作してもらい、音楽的なバックグラウンドやパーソナルな側面を明らかにする本企画。今回は、昨年12月に1stアルバム『Film Bleu』をリリースした期待の若手バンドFor Tracy Hyde(以下、フォトハイ)から、夏bot(Gt.)、eureka(Vo.)、U-1(Gt.)、まーしーさん(Dr.)の4名が登場します。フランス語で「青春映画」を意味する造語“Film Bleu”で括られた作品群は、虚構としての青春と事実としての青春が、儚くも美しく混ざり合い「現実的ではあるのだけれど、どこか手が届かないさま」を叙情詩的に描き出します。前ヴォーカリスト・ラブリーサマーちゃんの脱退に伴い加入したeurekaをフロントマンとする現在の編成で辿りついた、ひとつの到達点。そのフォトハイ、気になるプレイリストは……?

Interview:For Tracy Hyde

【インタビュー】For Tracy Hydeのおすすめしたい楽曲プレイリスト interview-700x467

eureka “色んな人が聴いて、それぞれ思い入れを持ってもらえたらいいですね。”

——本作ですが、Twitterで「特にこれから青春を謳歌するであろう10代に聴いて欲しい」と仰っていたのが印象的でした。

夏bot 何かを記憶・記録する媒体として、写真や映像が一般的じゃないですか。一方、音楽にも同じ機能があり、ある時代の空気が封じられていたり、個人の記憶と結びついていたりします。ソングライターの私としては、写真や映像に負けない音楽をつくりたいという気持ちがありました。それで、記憶を題材にするからには、ある年代や時期を扱いたいなと。10代にはリアリティを感じながら聴いて欲しいし、その他の世代にもノスタルジーを感じて頂けるような作品になったのかなと思います。

——新ヴォーカル・eurekaさんの存在は、作品にどのような影響を与えたのでしょう。

夏bot ヴォーカル選定にあたって、歌唱力はさておき、まずルックスが良くてポップアイコン足り得る人を入れたかったんです。eurekaは分かりやすい歌い方が印象的で、リスナーを選ばないのかなと思いました。良い具合に「虚構性」を引き立ててくれるのでは。あとは歌い方の真っすぐさを意識して、歌詞も以前よりストレートな表現が増えました。

——eurekaさん、実際に歌ってみた印象はいかがでした?

eureka 抽象的なものが好きなので、以前の歌詞も好きでした。今はストレートになっているとは思うんですけど、まだ、どうにでも解釈できる部分が残っているのかなと。なので、歌っていても個人的な気持ちを込められるし、リスナー自身の個人的な気持ちも込められるようになっていると思います。

——今回は「リスナーにお勧めしたい10曲」というテーマでプレイリストを作ってもらいました。まずはeurekaさん。選んで頂いたのは、いずれも女性ヴォーカルの楽曲です。

eureka お休みの日にはずっと寝てしまうほど眠るのが好きなんですけど、夜になると目が冴えて、色々なことを考えて眠れなくなります。その間、空想に耽るんですけど、その時に合う曲がPredawnの“Sheep & Tear”。眠れないと、漠然とした不安とか、自分の不完全さを考えちゃうんですけど、そんな時にPredawnの曲はさまざまな思いを、「つらいなら、つらいままでいいよ」と包み込んでくれるんです。

Predawn – “Sheep & Tear”

パスピエは、ポップで明るくてオリエンタルというイメージの曲が多いと思うんですけど、“わすれもの”は異端。私たちのアルバムにある “Emma”という曲と少し似ていて、バラードだけど変拍子で心が苦しくなる、という感じがすごく好きです。

パスピエ – “わすれもの”

——夏botさんの1曲目はチャプターハウスですね。

夏bot 私は80から90年代のイギリスのロック、特にシューゲイザーやマッドチェスターがルーツですが、彼らはその両方の要素を持っています。すごくノイジーで耽美だし、メロディがポップ。“Pearl”に関して言うと、私たちは楽曲の大半がオマージュですが、この楽曲を下地に“あたたかくて甘い海”ができました。

Chapterhouse – “Pearl (Edit)”

——Galileo Galileiはバンドとして大きな影響を受けていますよね。

夏bot インディ・ロックに興味を持ったきっかけが彼らです。アニメのOPで“青い栞”が流れた時に、こういう引き出しのあるバンドなのかと、思わず背筋を正すくらい衝撃を受けました。ギター・ポップ然としていて、淡白でありながらエモーショナル。

Galileo Galilei – “青い栞”

The1975は、楽曲ももちろんですが、MVやアー写などのヴィジュアルも含めて一貫したコンセプトがあり、抜かりがない。世間では明るくてダンサブルなイメージですが、歌詞では人の葛藤や苦悩を描いていて、“Pressure”はダークな雰囲気が際立っています。

The 1975 – “Pressure”

——最後はフューチャースクリーンズの“All My Daydreams”です。

夏bot 80年代のシンセ・ポップをアップデートしたアーティストの中で、彼らは飛び抜けて曲作りがきちんとしています。“All My Daydreams”は邦ロック好きも聴けるようなポップサウンドですね。

FUTURE SCREENS – “ALL MY DAYDREAMS”

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EVENT INFORMATION

『Film Bleu』 Release Party

2017.01.22(日)
OPEN 18:00/START 18:30
梅田 Noon+Cafe
ADV ¥2,000/DOOR ¥2,500

CINRA presents ex-PoP!!!!!

2017.01.26(木)
OPEN 18:30/START 19:00
TSUTAYA O-nest
入場無料(2ドリンク別)

TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017 NEW FORCE”

2017.03.05(日)
OPEN 17:00/START 18:00
SHIBUYA WWW X
1,000(NEW FORCE CDコンピレーション付、1ドリンク代別途)

Total Feedback

2017.02.25日(土)
OPEN 17:00/START 17:30
Koenji High
ADV ¥2,500/ DOOR ¥3,000)

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text&interview by Oike Karasuma
photo by Mayuko Yamaguchi