――7月9日に東京キネマ倶楽部(以下、キネマ)開催される、ワンマンライブ<Velvet Theater 2016>についてお伺いさせてください。

亀本 キネマは、会場の雰囲気が聴いてもらえる感じで、演者自身も「1音1音聴いて欲しい」そう思わせられる空間。瞬発力ではない、他のイベントとは違う面をしっかりと出せて、そこをじっくりと聴いてもらえる。

松尾 GLIM SPANKYの「GLIM」の部分。幻想的要素がメインのライブなので、盛り上がるライブではないかもしれないですが、絵のような想像世界を魅せるライブになると思います。その空気の中で、音を鳴らした瞬間にキネマが幻想の夜の世界に包み込まれるようなショーを作りたいですね。

――最後に、ぐんぐん突き進んでいくふたりですが、今後の展望を教えてください!

松尾 身近なところだと、<Next One TOUR 2016>ファイナルの新木場スタジオコーストでワンマンをこなして、そこでさらに上の景色を見せられるようなショーをしたいですね。そして、ワンピースは世界的に人気のあるアニメなので、今後世界で私たちの曲が流れ始めます。新たな第一歩として、やっと少し動きがあるので、日本人が世界に向けてロックをする意味をしっかりと世間に提示します。後、ふたりで話をしていたんですけど、アジア人がロックをやる強みに対して自分たちの中で答えが出たんですよ。

――最後としましたが、その話かなり気になります!

松尾 ロックは欧米の音楽で輸入文化なので、マネをしても良くも悪くもアジア人らしさが出ますよね。それでも「欧米に出来ないロックって何だろう?」そう考えた時に、オリエンタルさだと思ったんです。オリエンタルさはアジア人にしかないじゃないですか? 例えば、欧米人がオリエンタルさをマネして、インドに行って格好良いと感じて、サイケデリックロックを取り入れて、自分たちの音楽に融合させて格好良くしてきたと思うんです。私たちにはとても幸運なことに、生まれながらにして本物のオリエンタルさを持っています。欧米人が出せない面を打ち出して、日本人のロックというものが世界で鳴り響くという想像が自分の中で確立され始めているんです。

亀本 欧米の人はアジアの言語では出来ないですからね。大きく見れば僕らは地球人。ブルースもロックも、カントリーもみんなの財産であると認識できます。それでも、例えば欧米の人たちが作る中国的な表現を作る時って、韓国も日本も混ざっていることが多いじゃないですか? 向こうの人たちから見たらあまり差が無いんですよね。そういうことも含めてアジア、東洋人がやっているロックのアイデンティティがあってもいいと思いますし、欧米人さながらというものでもなくていいと思ったんですよね。ビョークのアートワークにはオリエンタルさを感じさせるものもあります。親しみもあると思いますし、それを素敵だと思う感性が欧米人にもあると思うんです。そして、僕らは本物のアジア人。これは今後、海を越えても良い効果へと作用すると思うんですよね。

松尾 本物のオリエンタル・サイケデリックロックバンド。もしかしたらそう言われるかもしれない。アジア人であることを強みに出来るし、ヨーロッパだったらアークティック・モンキーズでもテンプルズでもいいんですけど、サイケデリックな部分を憧れてやっていますが、オリエンタルというものは私たちが元から持っている物なので、そういう部分をしっかりと示していけたら世界でもやっていける。

亀本 特別な存在になれるかもしれない。

松尾 さらにロック。そういう要素をしっかりと出していけたら、面白くやっていけるんじゃないのかなと。そして私たちは幸運なことに、そういう音楽が

亀本・松尾 好きだから(偶然重なる)。

松尾 世界に打って出る明確なビジョンになってきています。これから、さらにそれを実戦していくのみです! 

次ページ:GLIM SPANKY <Velvet Theater 2016>ライブレポート!