Interview:Luke(GRAMME)
僕らがクリエイトしたかったのは、絶え間なく挑戦的だけれども、
同時に近づきやすいアルバムなんだ
――グラムのカムバックを、多くのファンが待ち望んでいたと思います。具体的にはいつ頃からバンド再結成を考えていたのでしょう?
たぶん2007年頃、パーティでレオと会ったときだと思う。記憶が正しければ、あれはトレヴァー・ジャクソンのパーティだった。
――あなた達が不在の間、ホット・チップやLCDサウンドシステムなどの連中が欧米のディスコ・ポップ・シーンを牽引しました。”Like U”はホット・チップの『DJ-Kicks』(07年)でもピックアップされましたし、両バンド共にグラムからの影響を公言しています。バンド再結成は彼らに後押しされた部分も大きかったのでは?
たしかに(ホット・チップの)ジョー・ゴッダードがしてくれたことは、ものすごく励みになった。『DJ Kicks』のリリースは、僕らにリアルに取り組めるものを与えてくれたし、おかげで新作を作るというイメージも湧いた。レオがしばらくの間ホット・チップでドラムを叩いていたこともあって、親しい間柄でもあったからね。
――改めてEP「Pre Release」を聞いてみると、まったく色褪せていないどころか、90年代当時としては先鋭的すぎる音楽性に驚かされます。ESG、リキッド・リキッド、パブリック・イメージ・リミテッド、マキシマム・ジョイといった80年代のポスト・パンク~ニューウェイヴを引き合いに出されてもいましたが、実際にはどんなバンドがフェイバリットだったのですか?
面白い質問だ。当時、もっとも重要だった二つのバンドはESGとPILだったと思う。僕らはみんなESGの持つシンプルさとグルーヴが大好きで、同じような雰囲気のものをクリエイトしたいと思っていた。僕は当時ジャー・ウォブル(PILの初期ベーシスト)に夢中で、特に“Death Disco”における絶え間ない演奏スタイルにはダイレクトに影響を受けたよ。僕らはまた、リキッド・リキッドの流動性も大好きだった。ゆったりとしたグルーヴを音の実験と結びつけるアイデアも気に入っていたんだ。