ミレニアル世代が考える、バンド活動を続ける秘訣とは?
——社会人として仕事をしながら、どういう風にバンドと仕事の両立してますか?
熊谷 練習はだいたい仕事終わりで、ライブは祝日とかにしてるよね。
石井 月1は必ずライブしてて、でも、月3回はタイミングが合えばしたいかな。
熊谷 ただ休みがあんまり合わないんだよね。しんちゃんと風花はシフト制だから。
——休みの日が合わないということは、練習は必然的に夜になりそうですね。
熊谷 20時30分とか21時ぐらいからスタジオに入ってるかな。
石井 普段は21時ぐらいまで働いてるけど、スタジオの日は早めに切り上げるようにしてる。それから3時間ぐらいは練習するよね。
熊谷 だいたい週1ぐらいでスタジオに入ってます。
——個人で練習もしてますか?
石井 できるだけしてるんですけど、熊谷はヘルシンキもあるから大変そう。
熊谷 ヘルシンキも週1でスタジオに入ってるけど、ライブはヘルシンキの方が多いかな。
——仕事をして、バンドを2つ掛け持ちして、疲れたりしませんか?
熊谷 もう半年以上しているし、馴れました。会社もみんな知ってるから融通も効くし、部長もGroup2のライブを観にきてくれたりする。
石井 稲葉(Helsinki Lambda Clubのベース、稲葉航大)と熊谷と熊谷の会社の部長さんと一緒にスタジオ入って、Yogee New Wavesのコピーしたよね。
熊谷 あと取引先の人もね(笑)。
——副業を規制している会社が多い中で、認めてくれてるのはいいですね。風通しがいいというか。他のみなさんはいかがですか?
石井 僕はレコード会社に勤めているんですけど、会社には極力言わないようにしてるかな。でもたまに違う部署からGroup2の曲が流れてきたりすることはあって。
——それは嬉しいですね。
石井 嬉しいですね。会社の中でも制作やディレクターの人がチェックしてくれていて、“MILK”も配信で聴いてくれていたり。
山口 私も楽器屋で働いていて、あんまり言わないようにしてるけど、お客さんが同じところでライブをしていたとか、音楽の趣味が合う人がいると仲良くなって、Group2の話しをしていますね。そうするとCDを買ってくれたり、ライブに来てくれる人がいたり。健康的な繋がりが出来ていると思ってます。
——それぞれ働いているので、安定した収入があると思うのですが、バンド活動に対する費用のかけ方はいかがですか?
熊谷 働き始めてから、今までよりMVや楽曲の制作にお金をかけれるようになったかな。
石井 みんな何%かはバンドに還元してると思うけど、キツキツな感じはないです。
熊谷 切羽詰まる感じはないよね。
——だから、ゆとりを持ったバンド活動ができるのかも知れないですね。
石井 確かに。僕らの精神力だったら、切羽詰まる感じだと続けられないと思う(笑)。
——会社で働いているバンドとして、強みだと感じる部分はなんですか?
熊谷 金銭面もそうだけど、社会的に安定しているから、不安になったりすることもなく、好きなことを自由にできるっていう所かな。
山口 私もそうだな。
石井 ちゃんと働いている分、バンドっていう楽しみができているかも知れない。
熊谷 バンドだけだったらグダグダしちゃうけど、平日はしっかり働いているから、質も上がるしメリハリがつくよね。
——Group2はバランスが取れているというのがわかりました。これからも社会と両立をして続けていく予定ですか?
石井 そこはポリシーを持ってやっていきたいですね。
熊谷 宝くじとか当たったら、普通に辞めるかも知れないけど(笑)。
一同 それはね(笑)。
——これから卒業シーズンで、就職するからバンドをやめる人や、続けることを悩んでいる人がいると思います。そういった人達に、バンドを続けていく為のアドバイスや、会社で働きながらバンドを続ける利点などあれば教えてもらいたいです。
上田 バンドが好きだったら、続けていた方がいいと思う。
石井 僕はGroup2は息抜きになってて……。バンド活動がストレスになってたら、平日にストレスを感じる現代の日本では続けるのが辛いけど、バンドがリラクゼーション……? 銭湯みたいに感じてるから、続けられてるんだと思う。
一同 銭湯(笑)。
山口 私は家から出ないタイプで、自分から人とコミュニケーションを取るタイプでじゃないから、バンド活動をすることで、色々な人と関わる事ことが出来ていると思ってます。多分、バンドをやってなかったら家で寝る、仕事をするっていうことの繰り返しな気がする。
熊谷 働くかどうするか迷うぐらいだったら、絶対に働いた方がいいと思う。働いて、俺らみたいにゆるいペースでやったらいいと思うんだよね。
上田 俺らみたいな先陣を見て勇気をもらってほしいかな。現場に足を運んで、ライブを観て「こういう人達もいるんだ。」って、勇気をもらってもらえたら嬉しい。
——では最後に、2018年の目標などあれば教えていただきたいです。
熊谷 まだEPとシングルしかリリースしてないから、アルバムを出したいです。
石井 アルバムはこだわって作りたいですね。誰が聴いても面白いアイディアが詰まったモノを作っていきたいな。
上田 俺も一緒だな。アルバムをリリースしてざわつかせたいし、フェスも出たい。イベントもやりたいね。
石井 今、いろいろ準備してます。
熊谷 俺らはまだ狭い範囲でしか活動ができてないから、知らない人達にも届けていきたいです。
山口 もっと露出していきたいですね、でも仕事はちゃんとやります。
仕事とバンド、どちらとも両立する秘訣をGroup2から読み解けただろうか? 自分たちのペースを見つけ、思い詰めずにラフに続けるスタンスは、現代に寄り添っているのかも知れない。
これから就職を控えているバンドマンや、かつてバンドをやっていた社会人も、Group2のように自分たちのやり方を見つけ出し活動をしてみては?
photo by Ryogo Suguro