形やシルエットが少しだけ違うといった微妙な違いを出したかったんだ
––––「赤」を始めとした暖色が本作のキーの色となっているかと思います。これには製作チームが「青」は一切使わないでくれという要望もあったそうですが、今作においてあなた自身が色に対して何かこだわりがあったのならばお聞かせ下さい。
撮影中、スタッフ全員にマニフェストを配ったんだ。例えば、デニムはダメ、野球帽はダメ、ネクタイはダメ、襟は小さく、というルールを書いた紙を配っていたんだ。あとは、登場人物たちの背景にいろんなパターンの幾何学模様を見せたりすることにこだわったよ。あと色に関しては、「青」だけじゃなくて、「緑」もダメというルールがあったんだ。だから、暖色系の「赤」や「オレンジ」をたくさん織り交ぜるようにしたんだ。
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
Photo by Merrick Morton
––––本作の舞台の設定は近未来ですが、衣装含めた映画全体の世界観は、決して現実離れしたものではなかったかと思います。それは意図的にそうしたのでしょうか? また、あなたの考える「未来のファッション」をお聞かせください。
意図的に映画の大部分を近未来に設定していたので、現代とそこまでは変わらないけれど、形やシルエットが少しだけ違うといった微妙な違いを出したかったんだ。未来のファッション……これは僕がファッションの専門家ではないから予測が難しいけれど、そのときの気分というか、時代時代の直接的な感覚で決めればいいんじゃないかって思うよ。