POPスターが最初に何かをやってくれたら、
それを真似したいと思うし、楽だからね
––––あなたはマイケル・ジャクソンに多大な影響を受け、少年時代には彼のファッションを真似していたとおっしゃっていましたが、日本の若者はそういった音楽やファッションのクロスオーバーが薄まりつつあります。大雑把な例を挙げると、レディー・ガガが好きなのにファッションは地味といった具合に。それに対して、コスチュームデザイナーとしての意見を聞かせてください。
僕は昔、マイケル・ジャクソンの真似をして、ミリタリージャケットを着ていたけど、周り全員がミリタリージャケットを着ていたわけじゃなかったよ。あと世界的にみても音楽やファッションのクロスオーバーが薄まりつつあるということはないと思うんだ。日本はそうかもしれないけど、僕自身はそう思わないな。例えば、HIPHOPスタイルは今でも健在だしね。
Michael Jackson, Justin Timberlake – “Love Never Felt So Good”
––––ちなみに音楽やファッションなどそれぞれの分野の影響力を流行や文化として発信することは重要だと思いますか?
重要だと思うよ。なぜなら、やはりPOPスターが最初に何かをやってくれたら、それを真似したいと思うし、楽だからね。さらに勇気が持てるというか、チャレンジする言い訳ができるから。そういった意味ではとても重要なことだと思うんだ。
––––前の質問でも触れた言葉として「トレンド=流行」について。あなたの考える「トレンド=流行」(ファッションにおける)とは、どのようなものでしょうか?
みんな真似して、やがてはつまらないものになってしまうということ。最初はとても反逆的なスタイルだったものも、最終的にはつまらないものになってしまうということではないかな。
––––最後にあなたの夢をお聞かせ下さい。
夢か……難しいね(笑)。とにかく幸せで平和な気分でいたいね。
text & Interview by Taisuke Yamada(Qetic)
『her/世界でひとつの彼女』
6月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督&脚本:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド、スカーレット・ヨハンソン
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
配給・宣伝:アスミック・エース
Story
そう遠くない未来のロサンゼルス。ある日セオドアが最新型のAI(人工知能)型OSを起動させると、画面の奥から明るい女性の声が聞こえる。彼女の名前はサマンサ。AIだけどユーモラスで、純真でセクシーで、誰より人間らしい。セオドアとサマンサはすぐに仲良くなり、夜寝る前に会話をしたり、デートをしたり、旅行をしたり・・・一緒に過ごす時間はお互いにとっていままでにないくらい新鮮で刺激的。ありえないはずの恋だったが、親友エイミーの後押しもあり、セオドアは恋人としてサマンサと真剣に向き合うことを決意。しかし感情的で繊細な彼女は彼を次第に翻弄するようになり、そして彼女のある計画により恋は予想外な展開へー! “一人(セオドア)とひとつ(サマンサ)”の恋のゆくえは果たしてー?