こんにちは! カナダ・トロント滞在中の星原です。最近では日が暮れるのも21時を過ぎ、ここカナダにも本格的な夏到来。個人的には、ワーホリビザからビジタービザへの切り替えを無事済ませ、早めの夏休みを満喫しています。さて、星原カナダ渡航記・第3回目の今回は、カナダの音楽関係者に直撃インタビュー! 僕の親友でもある元レコードショップ店員のBrananにインタビューを行いました。

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カナダ人に日本の音楽を聴かせてみた (レコードショップ店員編) 7583910400_IMG_0091-1200x1800

Interview:Branan Ranjanathan(ブラナン・ランジャナサン)

——まず初めに、簡単な自己紹介をお願いします。

こんにちは! Branan Ranjanathan(ブラナン・ランジャナサン)です。生まれてからずっとここトロントで暮らしています。僕は、音楽好きでレコードオタク。つい先日まで、トロントの老舗レコード店「Kops Records」で働いていました。他には、カナダの音楽雑誌『Exclaim!』で記事を書いたり、取材をしたりしています。好きな音楽はパンク・ロック全般。でもできる限り、色んなジャンルを聴くように心がけています。

——僕らが出会ったのも「Kops Records」だったね。でも『Exclaim!』で記事を書いていたのは知らなかった! カナダではかなり有名な音楽メディアだよね? サイトの記事は僕も何度か読んだことあるよ。

あれ、そうだっけ? 喜一郎には言ってたと思ってた(笑) そうそう、大学卒業後の最初の仕事が『Exclaim!』で、今でも記事を書いてるよ。最後に書いたのは1年以上前だけど(笑)

——(笑)なるほど〜。でもすごいね! じゃあ次の質問いきます。ブラナンは、最近のカナダの音楽シーンについてどう思う?

えっと、それはポピュラーミュージックの話? それともアンダーグラウンド・インディーも込みで?

——うーん、どちらも聞きたいかな! カナダで今一番人気があるのはどんな音楽なのかと、最新のインディーシーンのトレンドと。

おお、オッケー。一般的に言えば、カナダで一番人気のある音楽は、ヒップホップかR&Bだね。最近のポップ・ミュージックのほとんどが、ヒップホップ・R&Bの要素を取り入れるようになってる。トロント出身のアーティストの中では、Drakeが一番有名かな。彼は今や世界的に知られるようになり、トロントの人々はそれを誇りに思っているんだ。他には、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Cardi B(カーディB)、Post Malone(ポスト・マローン)、Kanye West(カニエ・ウェスト)などのヒップホップ・アーティストも、最近ではとても人気あるよ。たくさんのアメリカの文化と音楽の流行が、ここカナダでも同じように流行ってるんだ。インディーに関して言えば、ロック・ポップ・パンクと、基本的に独自のシーンが各々点在してるように感じるかな。時にはクロスオーバーするけどね。だから、単にグループ化することは難しいけど、多くのアーティストが80年代のポップとニューウェイヴの影響を大いに受けていると、個人的には思う。

——すごい! その通りだと思う。実際、僕もトロントに来てから、カナダのインディーアーティストを色々知ったけど、どれも本当にジャンルがバラバラで、一括りにするのは難しいよね。このように、カナダには個性豊かな素晴らしいアーティストが多く活躍してるけど、その中でもブラナンの一押しアーティストを教えてもらえる?

Men I Trust(メン・アイ・トラスト)Andy Shauf(アンディー・シャウフ)、あとRapport(ラポート)が最近のお気に入り! ハードコア・パンクバンドだったら、Wild Side(ワイルドサイド)Mil-Spec(ミル・スペック)No Warning(ノー・ウォーニング)だね。

——なるほど! Rapportは知らなかった。ハードコア・パンクバンドの方は1つも知らない(笑)あとで全部チェックしなきゃ! じゃあ、次の質問です。日本で知ってるアーティストはいる?

Rapportはとっても新しいからね。ライブはたくさんやってるけど、音源はまだ1曲しかアップしてないんじゃないかな? でもすごくいいバンドだよ!

そして、もちろん! 日本の音楽は大好きだよ。ジャンルはバラバラだけど、いくつか挙げるとしたら、the pillows、きのこ帝国、SUPER SHANGHAI BAND、Envy、あとLampとかかな!

——本当? すごいびっくり! まさかそんなに知ってるとは思わなかった。センスいいね! ちなみにどうやって出会ったの? まあ、SUPER SHANGHAI BANDは僕が教えてあげたんだけど(笑)

ありがとう! 確かに(笑)SUPER SHANGHAI BANDを教えてもらえてとても嬉しかった。最高だよね! 日本のバンドは、友達からのおすすめや、YouTubeの関連動画で見つけるよ。あとは、AppleMusicとか。でも確かに、日本の音楽を探すのは一般的には難しいかもしれない。あ、でも、僕が最初に日本のバンドを知ったのは、実はアニメを通してなんだ(笑) FLCLというアニメのサウンドトラックでthe pillowsを知ってすごく好きになって、夢中で彼らの他の曲を探したのがきっかけだよ。

SUPER SHANGHAI BAND – DAZED

——なるほど。日本のアニメは世界的に人気あるからね。日本の音楽を知るのに一番簡単な方法のひとつだと思う。実際に日本でも、バンドにとってアニソンに選ばれるのは重要なことだし。ところで、ブラナンは先日、日本旅行に行ってたけど楽しかった?  確か、SUPER SHANGHAI BANDのライブにも行ってたよね。どうだった?

まさに完璧な旅だったよ! 間違いなく、人生の中で最高の経験の1つになったし、できる限り、またすぐ行きたいと思ってる! 色んな点で、カナダとは文化がかなり違ったけど、おかげでより楽しく過ごすことができたよ。日本人は、自分自身のことよりも、他人や周りの幸せを一番に考えているんだと思う。つまり、誰もがお互いと周りに気を遣って生活しているように感じたんだ。また旅行を通して、歓迎されてると感じさせてくれる、親切な人々にたくさん出会えた。みんなに感謝の気持ちでいっぱいだね。

SUPER SHANGHAI BANDを紹介してくれて、本当にありがとう。彼らのライブを観たのは、間違いなく日本旅行のハイライトの一つだよ。まず、会場の新宿MARZは、僕がこれまでに行ったライブハウスの中で、最高の音響設備だったと思う。雰囲気は、トロントにあるHorseshoe Tavernみたいな、いわゆる小規模な会場と近いように感じたけど、イベント中の全てのアクトにおいて、サウンド・システムの質とミキシングは完璧だった。

そして、SUPER SHANGHAI BANDライブを観て驚いたよ。信じられないほどの熱量だった。一目見て、同じインディー・パンクシーンにおいて世界的に人気のある、Wavves(ウェーヴス)や〈Sub Pop Records〉に所属するアメリカのアーティスト達に匹敵するバンドだと思ったよ。パンクやアップテンポなロックを奏でる北米バンドのライブを観るとき、機材のセッティングに関して雑に感じることが多々あるけど、SUPER SHANGHAI BANDはその逆。彼らの演奏は、まるでレコーディングのようにとてもきれいなサウンドをしていながら、十分すぎる熱量と驚くべきステージパフォーマンスを兼ね備えていたんだ。本当に感動した! もっと多くの人が彼らのことを知るべきだと思う。そして、これまた驚いたことなんだけど、出演していた他のバンドのライブ、どれもが同じ位良かった! カナダでは、一夜のブッキングで、自分の好きなバンドが揃うことはレアケースけど、あの日のMARZはまさしくそれだった。betcover!!、Walkings、sui sui duckはそれぞれ違うジャンルの音楽を演奏していたけど、どれも非常に感銘を受けたよ。後日、それぞれの音源をネットで探して聴いたんだ。そして、僕が敬愛する日本のミュージシャンたちに関して、共通して気づいたことがある。それは、楽器を上手く演奏するために、本当に十分な時間をかけているということ。彼らの曲作りと演奏を見ればそれは明らかで、みんな自分たちのやることに熟練しているんだ。もし仮にどのバンドがカナダに来ても、みんな僕と同じように感動すると思う!

——そう言ってもらえて嬉しいよ! うん、僕もそう思う。日本のかっこいいミュージシャンたちが、世界でもっと人気になっていってほしいね。さて、様々なジャンルの音楽を好み、日本の音楽にも関心があるブラナンですが、そんな君にこちらの5曲をぜひ聴いてほしい! どれも僕の大好きなバンドです。

1.NOT WONK – This Ordinary
2.BALLOND’OR – ICE BOY
3.TENDOUJI – Kids in the dark
4.Yogee New Waves – Bluemin’ Days
5.odol – years

どれが一番気に入った? そして、その理由は? その他、曲を聴いて感じたことがあれば、気軽にどうぞ。

それじゃあ、最初の質問だけど、この中からお気に入りを1組しか選べないのは、実際かなり難しいよ。それぞれ違う理由で全組気に入ってしまったからね! どれも本当にかっこいいけど、どうしても1組選べというなら、NOT WONKかな。理由は、彼らの音楽は、僕のフェイバリットの1つであるJoyce Manorを聴いたときと同じ気持ちにさせたから。“This Ordinary”を聴いた途端、激しい轟音に打たれたけど、とても良いメロディーを維持しつつ、シューゲイズ調のギターが鳴り響いた。僕が好きなバンドNothingを彷彿させたけど、NOT WONKの方がより生き生きしている感じがする。そして、彼らの他の曲も調べたくなって、“Laughing Nerds and a Wallflower”を聴いたんだ。この曲は特にコーラスワークが好き。どこかしらthe pillowsが頭に浮かんだよ。

NOT WONK – This Ordinary

BALLOND’ORは聴いていてとても楽しかった。一番気に入った点は、彼らがローパンクのエネルギーをもっているとこ! 轟音とスピードと狂気に塗れている。カナダのバンドMETZを彷彿させるね。とても生き生きとした気持ちにさせてくれるバンド。MVもまた、面白くて良かったよ。彼らのスタイル全てが好き!

BALLOND’OR – Music Video「ICE BOY」

TENDOUJIの“Kids in the Dark”にもまた、感動させられたね。曲を聴けば十分に伝わる、夏感満載のサーフロックを感じさせる、陽気な雰囲気がお気に入り。Wavvesっぽさもいくつかあったけど、今ではTENDOUJIの方がもっと好きになっちゃった。作曲センスと曲のテンポ感には感銘を受けたよ。あと、ジャズコードを多用しているところと、特徴的なボーカルの声もまた良かった。PVも良く撮れてるよね。何回も笑っちゃった!

TENDOUJI – Kids in the dark (MV)

Yogee New Wavesは、僕のリスナー人生の中で、最も興味深く、類い稀な音楽性のバンドの1つになった。彼らのサウンドにあるファンクの要素は、完全に僕好みだったし、楽器の編成は完璧すぎでしょ。個人的に、曲全体を通してのベースラインが特に印象的だったけど、ふと自然に踊りだしたくなるあのリズムは本当に素晴らしいと思う。あと、ボーカルも天才的。彼のとても綺麗な歌い方は、曲と完璧に合ってるよね。本当すごいなあ。

Yogee New Waves / Bluemin’ Days (Music Video)

odolの“years”はアルバムの締めにぴったりな1曲だなと思った。曲終盤の、ラストへ向かってゆっくりと徐々に盛り上がっていく部分が堪らないよね。ボーカルの声には十分な感情が篭っていて、(日本語の)歌詞の内容が分からない僕でさえ、ノスタルジックな気分にさせてくれた。ピアノの入れ方もまた素敵。大好きになったよ。

odol – years (Official Music Video)

教えてもらった全アーティストの全ての楽曲を探して聴かなきゃ! どれも本当に感動したよ。

——全組それぞれに丁寧なコメントをくれて本当にありがとう。そして、どれもめちゃくちゃ良い意見だね! ブラナンの音楽愛が日本の読者にも伝わると思う。とにかく気に入ってもらえてよかった。日本にはかっこいいアーティストがまだまだいるから、また改めて教えるね。今回は、インタビューご協力ありがとうございました!

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