【インタビュー】孤高のバンド＝Jesse RuinsがEPをリリース。海外インディーシーンとの軋轢を語る

ーーファーストアルバムは〈Desire〉から出ました。

S　〈Captured Tracks〉を辞めて全然出してない人とかいるんですよね。Cosmeticsとか。そういうバンドがいる中で、自分達はちゃんと出せているので幸せだと思います。〈Desire〉って僕は好きなレーベルだし、そこから出せたのも嬉しいです。

ーーCold Name、Isabelle X（※14）と別名義での活動もしていますが、それらとJesse Ruinsはどういう意識でやっていますか。

S　最初は、すごい分けようと思ってたんです。でも最近は、なんかこれCold Nameの曲だけどJesse Ruinsみたいだね、逆にJesse Ruinsの曲だけどCold Nameみたいだねって感覚でもいいのかなって。分けないといけないって感覚もあったんですけど、別に一緒でもいいんじゃないかと思えてきて。

※14. Nobuyuki Sakumaのソロの別名儀。Cold Nameの映画的要素を更に押し進めたサウンド。22分の作品が 1曲のみ Bandcampにある。

ーーリスナーとしては、アーティストが名義を分けているから、違うものだと期待するのではないでしょうか。

S　そうですね。明らかにどっちか分からないってわけじゃない。似たような曲があっても、寄ってる曲があってもいいかなって、最近思えてきて。〈Posh Isolation〉（※15）とかLoke（※16）とかもいろいろやってて、似たような音楽性のやつもあるじゃないですか。

※15. コペンハーゲンシーンを担うレコードレーベル。ハードコアからノイズを中心にインディーロック、アンビエント、ダンスと幅広いラインナップと限定のカセットとヴァイナル中心のリリースが魅力。
※16. 〈Posh Isolation〉の共同設立者にして、Sexdrome、Damien Dubrovnik、Vår、Lust For Youth、LR、Croatian Amorなどで活動。コペンハーゲンシーンのキーパーソン。

ーーでは最後に今後の Jesse Ruinsの展開について教えてください。

S　これからですけどデモを作って次のアルバムを作っていこうと思っています。

ーーNahは最近のファッション誌のインタビューで曲作りに興味が出て来たと言ってましたが。

N　こういうインタビューを受けたりする機会がある度に思うのですが、制作面のことに関してさらに深く汲み取って行きたいなと。自分で制作してみればそういう面でも更に理解を深められるんではないか、あくまでそういう意味合いです。

ーー今回のリミック盤に入っているインタールードはサンプルなどを沢山使っていて最近のCold NameやIsabelle Xに近い感じがしました。Jesse Ruinsもそういった方向に向かっているのでしょうか。

S　そこまで新しい曲が出来ていないんでなんとも言えないけど、Jesse Ruinsのこれまでの音楽性は今回のリミックスで一旦終わりにしたいというか、違う感じにしていきたいというのがある。それがCold Nameの音楽性に近づくのかどうかは分からないけど、Jesse Ruinsの最初のフワフワしたイメージがあるじゃないですか、ドリームというか。そことはちょっと違うものにはなるのかなと思います。

interview & text by 西川尚宏

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