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【インタビュー】自らのフォーマットの中で無限に進化するジャスティスの現在とは?最新作『WOMAN』が世界に響く。

2004年のデビュー以降、驚くべき早さで、ジャスティス(Justice)という存在はフランスで、いや世界でもっとも有名なエレクトロ・デュオになった。2007年にファーストアルバムが発表されたころ、日本でも“D.A.N.C.E.”がかからない夜はなかったと思う。また、オーディエンスからとおく離れたお立ち台の上でライブパフォーマンスを行うその姿には、ダフト・パンクとならぶ神秘性が漂っていた。

そんな彼らが、バンドサウンドに振り切ったセカンドアルバムを経て、今年5年ぶりに新作『WOMAN』をリリース。冒頭をかざる“Safe And Sound”のイントロからブリッブリのベースが全開、そこに遠慮のないゴスペルボーカルが豪快にイン。うわー、これはまたしてもアンセムだ。ミニマムなサウンドが全盛期をむかえている今、自らのアイデンティティであるロック寄りのディスコをきちんとやり切るとは、さすがジャスティス先輩。正直、私はこれとは違う予想をしていた。

つまり、今の時代性に配慮して、最新のポップミュージックにあるエッセンスのいいとこ取りをするのではないかと。すいません、ナメていました。彼らはどれだけブランクがあっても決してブレない。ただ、自らのフォーマットの中で無限に進化していく。もちろん、彼らの「隠れたバックボーン」であるメタルも、その名のとおり“Heavy Metal”という曲の中で大開陳。《これが最新版という感じがするよ。今、風向きが変わろうとしている》(“Randy”より)、まさにそんな感じだ。

先日、代官山で行われた(奇跡の)無料ライブの前に、すこしの時間だけ彼らから話を聞くことができた。ノースリーブのデニムジャケットに憧れてやまなかったあの2人が目の前に! やっぱり、彼らはスターだ。

JUSTICE – RANDY (A live installation by Thomas Jumin)

Interview:ジャスティス

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——前作のリリースから約5年が経ちましたが、アルバムを作る前の段階で、どのような構想がありましたか?

グザヴィエ・ドゥ・ロズネ(以下、グザヴィエ) 合唱をアルバムに入れたいなと思っていたね。合唱は匿名性があって、パワフルで20人以上の人が一緒に歌う、そんな迫力が欲しくて。ソロの歌ではなくて複数人の歌を想定することによって曲の書き方も変わってくるんだ。同時に、喜びにあふれて、その中に悲しみも入り混じった作風につながっているね。

——子供のときなどに教会へ行って合唱団に参加したり、合唱を聴いたりしたことはありますか?

グザヴィエ ゴスペルそのものにインスパイアされたわけではないけど、ニューヨークにいたときに少し聴いたことがあるよ。ゴスペルのエネルギー、人が大勢集まった感じに魅力を感じたよ。

ギャスパール・オジェ(以下、ギャスパール) 小さいときだけど、クワイア(合唱団)に所属していたことがあるよ。

——合唱というものも含めてボーカルを多く取り入れているということは作品のエモーショナルさにつながっていると思いますが。それは意識的なものでしょうか?

グザヴィエ 1st アルバムの頃から表現したかったものではあるんだけど、プロダクションが向上したということかな。ボーカルの響きに空間を与えることができるようになったのは、技術的な部分の向上によるものかもしれないね。

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——3作通じてエモーショナルというのは大事にしていることだと思いますが、何か自分自身のリスニング体験からインスパイアされたり、エモーショナルなものにしたいと思ったりしたきっかけはありますか?

グザヴィエ もちろん、多くの音楽から影響を受けているけど、多くの部分は自分たちが生み出しているものだよ。僕らが作るから生まれるものだと思う。自分たちがミュージシャンとして進歩していく中で変わってくるし、新しいものに挑戦した結果生まれたものであって。特に何かから影響を受けたということではないね。

——アルバムを作る際に雰囲気やコンセプトを共有するために何をしていますか?

グザヴィエ サインかな(笑)(手でサインを作る)。こういう仕事をしていると一緒にいる時間が長いから、一緒にいる中で色々な意見を交わしていることが多いんじゃないかな。『Woman』の場合は、2015年の1月に作り始めたんだけど、前のアルバムの2012年のツアーの頃から、このアルバムのアイデアがあったんだ。今も、次のアルバムのことを本格的にではないけど話しているよ。

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——2人で話をするなかで、他のアーティストの作品を例に出して「こんな雰囲気」が良いんじゃないかと共有することはありますか? 具体的に挙がってきた音楽などがあれば教えてください。

グザヴィエ 具体的なものというよりは、このアルバムは感情など感覚的なものが反映されているんだ。アルバム全体を通してみれば、細かい部分では他の音楽の影響も受けてはいると思うけど、意図したものではないね。

——今回のアルバムは特に「歌詞」が好きで、音楽性にマッチしたシンプルものになっていると思います。“Pleasure”の歌詞で《想像力を駆使しろ(Use Imagination)》という一節があります。それは世の中に対してのものか、個人に向けてのものかどちらでしょうか?

グザヴィエ “Pleasure”は、性行やマスターベーションのことを書いているんだ(笑)。想像力を使うことでホルモンが活性化するという歌詞だね。

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——シリアスなものではなかったんですね!

グザヴィエ シンプルでオープンなそれぞれが色々な解釈ができる歌詞になっていると思う。たとえば、“Love S.O.S.”は2つの文章で構成されているんだけど、シンガー(フランス人シンガー・ロミュアル)と考えたもので、シンガーとしては政治的な危機を歌っているんだけど、僕たちは単純にラブソングだと思っているんだ。そんな風にそれぞれが経験に照らし合わせて解釈してもらえればいいと思うよ。

ギャスパール 言葉一つで色々なイメージを醸し出す。そんな歌詞が書きたいね。アルバムのタイトル『Woman』もどんな女性かという説明はしていないから。解釈を任せるオープンさを残しているつもりだよ。

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——ジャスティスの音楽にとって大事なものは「ロマンティック」であるということだと思います。そういう意味で説明を尽くさないということですね。最後の質問なります。ジャスティスの音楽からメタルの要素を感じていて、それが良い方向に作用しているのではないかなと思います。また、メタリカの最新作はお聴きになりましたか?

グザヴィエ/ギャスパール いや、まだ聴いていないんだ。

グザヴィエ 最後にメタリカのアルバムを聴いたのは『Metallica(通称:ブラック・アルバム)』(1991年)だね。もちろん、嫌いになったわけじゃないよ!

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長畑宏明

長畑宏明

ライター

1987年生まれ/編集者。2014年に『STUDY』というファッション雑誌を創刊。『POPEYE』など、音楽とファッションの分野でライターの仕事もしています。

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