Qeticのコラムでもお馴染みの、フリーランスのライター、コラムニスト、PR、コーディネーターとして活動している宮沢香奈さん。ファッション・音楽・カルチャーを軸に、移住先のドイツ・ベルリンと日本とをつなぐ存在として多方面で活躍されています。最近では、富士フイルムの公式メディア「IRODORI」にて、自らが撮影した写真を使ったフォトコラムを連載するなど、ますます活躍の幅を広げる宮沢さんに、ベルリンに移住したきっかけやお仕事、最近好きになったという“写真を撮ること”について伺いました。

Interview:宮沢香奈

「後悔だけはしたくないと思って、移住を決めました」

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--国内外でさまざまな活動をなさっている宮沢さんですが、もともとは服飾専門学校卒業後、ファッション業界にいらっしゃったそうですね。まずは現在に至るまでの来歴について教えてください。

東京の服飾専門学校を卒業して、販売からプレス、ブランドディレクターなど様々な形でファッションに携わってきました。一時期ファッションの仕事から退いていた時に音楽のPRの話を頂き、そこから音楽PRとしてのキャリアをスタートさせて、最終的にファッションと音楽という二足わらじでPRをやるようになりました。

--フリーライターとして、多方面で執筆活動もされていらっしゃいますね。

音楽PRの中でレビューやレポートを書く機会を頂いて、そこからライター業を並行して行うようになりました。現在は、ベルリンを拠点にヨーロッパ各地のファッション、音楽、アート、ライフスタイルなどを日本の媒体で紹介しています。また、撮影や取材時のコーディネーターとしても活動しています。

--宮沢さんがベルリンに移住なさったのが2014年。数ある国・都市の中からドイツのベルリンへの「移住」を選択した理由を改めて教えてください。

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音楽のPRが主にダンスミュージックだったこともあり、関わるアーティストの多くがベルリンやドイツの他都市拠点だったんです。一度も現地のリアルなシーンを見たことがないのはどうなんだろう?と疑問に思っていたのと、身近な友人がすでに何人も移住していたのもあって遊びに行ったら、日本との違いにカルチャーショックを受けて、もう一目で恋に落ちた感じですね(笑)。

--宮沢さんが初めてドイツを訪れたのが2012年とのこと。初訪から約2年で移住を決めたというのは、まさに恋に落ちたという表現がぴったりですね。

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あとは、3.11の影響もあります。日本から逃げ出したいとかそういったことではなく、これまで大事だと思っていたことが全て価値のないものに見えてしまって、自分の人生を改めて見直す中で、いつ何が起きるか分からない世の中で後悔だけはしたくないと思って、直感にしたがって移住を決めました。

「常に景色やその場所で起きていることに目を向けるようになりました」

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--宮沢さんのInstagramなどにはベルリンでの生活をはじめ、以前からたくさんのお写真が掲載されていますが、もともと写真を撮ることはお好きだったのでしょうか?

正直なところ、カメラで撮るのは苦手でした(笑)。ブレてしまったり、構図のセンスがなかったりして上手く撮れなかったので。iPhoneでインスタグラム用に気軽に撮る感じは好きでしたが、富士フイルムのデジタルカメラ「XF10」を使うようになってからは、撮るのが好きになりました。

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フォトコラム「ベルリン、そして、ヨーロッパの片隅から」

text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by 宮沢香奈

Interview photo by Saki Hinatsu