INTERVIEW

KIRINJI × YonYon

Photo by 山本春花
Text by 杉山仁

     

昨年メジャーデビュー20周年を迎え、ますます新たな冒険に乗り出しているKIRINJIが、最新シングル「killer tune kills me feat. YonYon」をリリースした。KIRINJIにとって2019年第一弾シングルとなるこの曲では、韓国と日本を繋ぐ形で活動するDJ/シンガー・ソングライターのYonYonとのコラボレーションが実現。2018年のアルバム『愛をあるだけ、すべて』にもあったヒップホップ/R&B/クラブ・ミュージックへの興味を反映させながら、終わってしまった恋を「音楽=キラーチューン」になぞらえ、切ない余韻が香る楽曲に仕上げている。その制作風景を、KIRINJIの堀込高樹と弓木英梨乃、そしてYonYonの3人に聞いた。

対談
堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon

KIRINJI「killer tune kills me feat. YonYon」Teaser

――今回の「killer tune kills me feat. YonYon」でのみなさんのコラボレーションは、堀込さんからYonYonさんに声をかける形で実現したものだったそうですね。堀込さんが、YonYonさんのことを知ったきっかけはどんなものだったんでしょうか。

堀込高樹 車を運転しながらFMラジオを聴いていたら、SIRUPさんと2xxx!(ツートリプレックス)さんとの「Mirror(選択)」がたまたま流れてきたのがきっかけでした。最初は「あ、韓国語だ」と思ったんですけど、「いや、韓国語に日本語も混ざってる。この曲は何だろう?」と気になって。後で調べてみたらそれがYonYonさんだったんですよ。それで、最初はシンガーかと思っていたら、調べていくうちに『森、道、市場』にDJとして出ることを知って、「DJでもあるんだ?!」と(笑)。それで、すごくユニークな人だな、と思っていたんですよ。その後、しばらくしてKIRINJIのInstagramを開いたら、YonYonさんのアカウントからフォロー申請が来ていて。「もしかしてあのYonYonさん?」と聞いたら「そうです」と。それで、「もしKIRINJIでフィーチャリングすることがあったら、お願いできたりするの?」と聞いたところ、「いいですよ」と返事をもらいました。もしも合う曲が出来たら、そのときはぜひお願いしたいということを、ふわっとお伝えしたんです。

――それはいつ頃の話だったか覚えていますか?

YonYon 今年の早い時期だったと思います。でも、私が何でそのタイミングでKIRINJIのInstagramをフォローしたのかは、実は全然覚えていないんです……(笑)。

堀込&弓木英梨乃 (笑)。

YonYon でも、私は普段からDJとして活動していくために色んな曲を掘っているので、気になったアーティストは順不同でフォローしていくところがあって。きっと、KIRINJIもその中でフォローしたんだと思います。

――つまり、ちょうどいいタイミングで、それぞれがお互いの音楽に自然にたどり着いていたんですね。弓木さんは、YonYonさんのことは知っていたんですか?

弓木 私は、もともとYonYonさんがイベントをされていることはインターネットの記事を見て知っていたんですけど、「killer tune kills me」でご一緒するまでは、音楽活動をされていることは知らなくて。今回、高樹さんから「新しい曲は弓木ちゃんがメインボーカルで、YonYonさんをフィーチャリングしようと思う」という話を聞いてから、「YonYonさんのことをちゃんと知ろう」と思って調べていきました。それで、「色んなことをやっている人なんだ!」と。

YonYon 分かりづらくてすみません(笑)。

堀込 YonYonさんは、第一に日本語と韓国語をどちらも使えることが魅力的ですよね。それから、今回の「killer tune kills me」で言うと、弓木さんとの声の対比もいい形になると思ったんです。弓木さんは少し高めの声で、YonYonさんはハスキーというほどハスキーではないけれど、どこか中域が印象的な歌声で。それから、ラッパーでもあり、シンガーでもあるというところも魅力的なので、結果的に色々とお願いすることになりました。

弓木 私は、最初に「YonYonさんと一緒に曲をつくる」という話になったときに、「高樹さんらしいな」と思って、すごく腑に落ちた部分があったんです。KIRINJIのライブも、最近韓国のお客さんが増えていますし、YonYonさんに韓国語でラップをしてもらうということも、高樹さんが考えそうなことだなぁと思って(笑)。

――堀込さんは、どんどん新しいことを追求されていく方ですよね。

弓木 そうですね。私は高樹さんと1年間一緒にラジオ(『LIFESTYLE MUSIC 929』)をやっていたんですけど、そこで高樹さんが普段聴いている音楽としてかけている曲を聴いていても「高樹さん、最近こういう曲を聴いているんだな」とか、「次の作品はこういうものになっていくのかな」と自分の中で思ったりしていて、そういうことを考えても、今回YonYonさんと一緒に曲を作るということは、色んなことが腑に落ちた感覚がありました。そこからYonYonさんのことを知っていったんですけど、自分の中では、YonYonさんは年齢も近くて女性ということで、KIRINJIの中で同じぐらいの年齢の女性とコラボレーションできるということが、すごく嬉しかったです。それで、最近はずーっとYonYonさんのInstagramを過去までさかのぼって……「オシャレだなぁ」って(笑)。YonYonさんはDJプレイもよくアップしているので、「ああ、こういう曲をかけてるんだ」って、すごく刺激を受けています。(YonYonさんに)ありがとうございます。私の毎日に刺激をくれて(笑)。

YonYon 恐縮です(笑)。普段だったらなかなか交わらないところにいる方から声をかけていただいたことが、すごく嬉しかったです。私は普段クラブ・ミュージック界隈で活動していて、その中では割とオープンな方だとは思うんですけど、こうやって声をかけてくれる方というのは、なかなかいないので。本当に、幅広い音楽を聴かれている方なんだな、と思いました。それで、この間『森、道、市場』で初めてKIRINJIのライブを生で観たんですけど、そこではオートチューンも使われていて。「すごく現代的な方なんだ」と思って。

堀込 僕を無理しているおじさんみたいな感じにしないでよ!(笑)。

弓木&YonYon あはははは!

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る interview-kirinji-yonyon-1

――KIRINJIとYonYonさんの表現は、それぞれ違いはあるものの、同時に似ている部分と言いますか、リンクする要素も感じたりはしているのでしょうか?

堀込 まぁ、音楽的に似ているというわけではないと思うんですけど、でも、YonYonさんがDJでかける曲というのは、自分が普段から聴いている曲とも似ているな、とは感じます。『森、道、市場』でのDJプレイを観ても、自分が知らない曲が色々とかかってはいたけれど、「この曲いいな」と思う感覚には、共感できるところがあって。それもあって、YonYonさんなら、KIRINJIがやっていることも楽しんでやってくれるんじゃないか、と思いました。それに、そもそもコラボするならば、我々のようなミュージシャンの場合、近いところで活動しているアーティスト同士でやっても、面白くはならないと思っているんです。

――実際、KIRINJIのこれまでのコラボレーションは、KIRINJIに新しい要素を加えてくれるような方々を選んできた印象がありますね。

堀込 そうですね。自分がやっている音楽と似たようなことをやっている人とコラボレーションしても悪いものにはならないというか、むしろ確実にいいものになるとは思うんですけど、一方で、それだと最初からどんなものが出来るか予想がついてしまう。なので、RHYMESTERも、いつかさん(Charisma.com)もそうで、音楽性が違う人とやることの方が、僕は面白さを感じます。特にYonYonさんはまだ若いし、これから活躍していく、これから知られていく人だと思うんですね。なので、今回は有名になる前に声をかけておこうと……(笑)。最近は、人気が出ていくスピードもとても速いですから。

YonYon 最初に声をかけていただいたときはビックリしました。まず、SNSで声をかけていただいたので、本物か偽物か分からなかったんですよ。オファーってだいたいメールで正式に来ることが多いので、私はSNSでのDMは基本的に信用していなくて。

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る interview-kirinji-yonyon-3

堀込 じゃあ、やべえやつみたいになってたんだ(笑)。

YonYon いえいえ、そうじゃないんです(笑)。でも、よく海外のアーティストさんで偽物がいるんですよ。「俺はすごく有名だから、コラボすれば海外で売れるよ」ということを言ってくる人が結構いて、そういうDMは全部無視していて。そういうことがある中で、突然すごい人からDMが来たので、「本当なのかな?」と思ったんです。オフィシャルの認証マークがあったので分かったんですけどね。

堀込 正式なルートを辿ってもよかったんですけど、「既にアカウントも分かってるしなぁ」と思って、直接DMを出してみました(笑)。僕らも普段はあまりこういう方法で連絡することはないんですけど、今回はたまたまそういう経緯になりました。

YonYon でも、レコーディングする日まで、実際に会うことはなかったんですよね。

堀込 そうなんですよ。やりとりをする中であまりそういう雰囲気が出ていなかったので、クラブ界隈の人は当日に初めて会ってレコーディングするのも普通なのかな、と。会って聞いてみたら、「そんなことはないです」という話だったので、こっちが勝手に解釈しちゃっていたんです(笑)。

弓木 そういえば、高樹さんのプライベート・スタジオに歌入れのために行ったときに、「まだYonYonとDMでしかやりとりしていないんだけど、大丈夫なのかな?」とすごく心配していました(笑)。

堀込 (笑)。無事に楽曲が出来てよかったですね。

――ということは、レコーディング前の楽曲のやりとりに関しては、すべてデータを往復する形で進めていったということですか?

堀込 はい。ただ、ここでもひとつ行き違いがあったんですよ。最初にこっちからメールでデモを送ったんですけど、3回ほど、徐々に音や歌詞を変えて送っても全然返事がなくて。「おかしいな?」と思ってDMに送ると、すぐに返事が返ってくるんです。「これはどういうことなんだろう?」と思っていたら、どうやら僕がアドレスを間違えていたらしくて(笑)。だから、「デモ音源に加えて、今回の歌詞はこういうテーマで、こういうことを歌っています」と曲の内容について書いたメールを、何にも知らない人が受け取っていた可能性があるという……。「デモデモ詐欺」じゃないですけど、「デモテープがここにあるから、クリックしてみてね」という、変なフィッシングメールみたいになっていた可能性があるんです。

弓木&YonYon 「デモデモ詐欺」!!

堀込 だから、最終的によく完成したと思いました(笑)。曲自体は、いつも通り僕がデモを作る段階で、徐々に徐々にかためていきました。シングルなので親しみやすいものがいいと思いながら、いくつか曲を作っていって。それを最終的に2つほどに絞りました。

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る interview-kirinji-yonyon-2

――それぞれ曲調は違ったんですか?

堀込 違いましたね。採用しなかった方はもっと暗い、サイケっぽいファンクだったので。でも、「killer tune kills me」の方がメロディアスでいいなと思って、最終的にこっちを選んだ感じです。そのときに、メロディの雰囲気も踏まえると、今回は僕が歌うよりも、弓木さんしかり、女性に歌ってもらった方がいいと思いました。弓木さんにはライブではたくさん歌ってもらっているし、アルバム曲でも歌ってくれていますけど、「そういえば、シングルで歌ってもらったことはなかったな」と思って。それで今回は、弓木さんに歌をお願いすることにしました。そこから、「もうひとり誰かに歌ってもらいたい」と考えたときに、「あ、そうだ!」とYonYonさんを思い出したんです。「killer tune kills me」は曲自体のハーモニーやメロディに女性っぽさがありつつも、ビートの強い雰囲気もあって――。

――どこかディスコっぽい要素も感じられる曲になっていると思いました。

堀込 そうですね。なので、クラブっぽいフレーバーも感じさせたいと思ったときに、YonYonさんならぴったりだと思ってお声がけした形です。

――昨年のKIRINJIのアルバム『愛をあるだけ、すべて』は、KIRINJIの中にヒップホップやR&B、クラブ・ミュージックの要素が入ってきた作品だったと思うのですが、「killer tune kills me」も、その延長線上にあるようなサウンドになっていますね。

堀込 まだその方向性に飽きていない、ということなんだと思います。僕がKIRINJIでこれまで作ってきた曲というのは、基本的に8小節のA(メロ)があって、また8小節のB(メロ)があって、サビがあってという、J-POP的な組み立てでしたけど、今回はBだけ少し変化はするものの、基本的には同じ進行のループを基調にした曲になっていて。最近は、それでも4分間飽きることなく聴いてもらえるような曲が、自分としても「上手く作れるようになってきたな」と感じているんです。そもそも、AがあってBがあって、サビがあって……という展開は、J-POP以外にはなかなかないですよね。それ自体はすごく好きだし、非常に面白いものだと思うんですけど、同時に僕はこれまでの活動の中で、「そういう曲はもう随分やったな」と感じている部分もあって。なので、今ライブだけでやっている新曲もループものなんですよ。その中で緩急をつける面白さを感じているところですね。

――では、弓木さん&YonYonさんのボーカルパートはどんな風に進めていったのですか?

堀込 弓木さんのボーカルパートについては、僕がメロディを考えて、それをもとに話し合って進めていきました。でも、だいたい弓木さんのイメージ通りだったよね?

――聴かせていただいて、『愛をあるだけ、すべて』で弓木さんがボーカルを担当した「After the Party」と比べても、しっとりとした大人の余韻が感じられる歌い方だと思いました。

弓木 そこはすごく意識しました。高樹さんとラジオをやってきた中で、高樹さんがThe Marías(ジャズやファンクの要素も取り入れたLAのビンテージ・サイケ・ポップ・バンド)を紹介して、「こういう曲、弓木ちゃんに合うと思うんだよね」ということを言われたことがあったんです。今回も「こういう歌い方はどうかな?」と、そういう雰囲気の音楽を共有して歌っていきました。そもそも、前のアルバムから、「あまり可愛く歌いすぎない」ということを少しずつ意識していたんですけど、今回はより意識した感覚です。私は口角を上げるとすぐ子供っぽい声になってしまうので、お家でも色々と聴いて歌い方を考えました。

――歌い方を色々と工夫していった、と。

弓木 そうですね。こんなに考えたのは初めてだったかもしれないです。KIRINJIに入った頃は、高樹さんが「もっと普段喋っているような感じで歌えばいいのに」と言ってくれていたんですけど、そういう時期を経て、今はまた歌い方を意識するようになりました。

堀込 でも、今話しているときの声と、「killer tune kills me」の声って、割と近いようにも感じられるんだけど?

弓木 だから、言葉にすると難しいんですけど、全部気を抜いてしまうのではなくて、「バランスを考える」ということを、初めてすごく意識したんだと思います。

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る interview-kirinji-yonyon-4

――一方、YonYonさんのラップ&ボーカルパートはどんな風に考えていったんですか? 

YonYon デモをいただいた段階である程度テーマが決まっていて、弓木さんのパートの歌詞も既にあったので、私はそこにどういう要素を加えて、ストーリー性を持たせるか、ということを考えていきました。私の解釈では、恋に傷ついた女の子が、これまでずっと聴いていた曲が苦しくて聴けない状態になっているのが1番の歌詞で、その音楽=別れた彼氏なんだろうな、と思っていて。でも、最後はポジティブに終われたらいいな、と思ったので、2番の私のパートでは、何かしらのきっかけでその子が過去の曲に触れられるようになって、その曲や過去の恋を「いいものだった」と思えるような方向に持っていきたいと思いました。

――過去に向き合えること自体がポジティブな体験だ、というニュアンスですね。

YonYon はい。決して「もう一度やり直したい」ということではないんですけど、過去の恋愛もいい思い出として向き合えるような、そういう女の子にしたいと思ったので、まずは歌詞に出てくる「killer tune」をもう一度聴けるようになるきっかけづくりを、韓国語のパートに入れて、「その結果どうなったか」ということを日本語の歌詞にしていきました。

――韓国語のパートには「絆創膏」のようなモチーフが出てくるんですよね?

YonYon そうです。絆創膏って、人がケガをしたときに傷口に貼るものですけど、特に女性だと、「その傷口を見せないために貼る」という部分もありますよね。そのパートで書いたのは、「傷ついた心に絆創膏を貼って隠しても、結局その傷口は残ったままだし、まだ傷も癒えていない」ということですね。

堀込 僕がもともと書いていた他のパートから歌詞の内容を汲み取ってくれて、そのディテールをさらに詰めてくれたような感覚でした。ドンピシャでいいものにしてくれました。

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――そもそも、「killer tune」を終わった恋のモチーフとして登場させるというテーマはどんな風に出てきたアイディアだったんでしょう?

堀込:最初は、サビの「♪killer tune~」という部分のメロディが浮かんで、そこに「killer tune」という言葉がはまって、そこから発想していきました。恋愛の話ではないんですけど、自分のことを考えてみたときに、ひとつの音楽に対して、今は10代の頃のようにどハマりできないな、という気持ちを感じていたんです。これは自分の年齢的なものが関係しているのかもしれないし、もしかしたらストリーミングサービスで聴くことが増えているからなのかもしれないですけど、思い返せば、10代の頃って同じ曲をずっと繰り返し聴いていて、ご飯を食べる以外の時間はずっとその曲を聴いているようなことがあったんですよ。

――僕も音楽を聴くために友達の誘いを断って帰る日がありました(笑)。

堀込 そうそう! 友達には全然理解されなかったですよね(笑)。もちろん今も「この曲いいな」と思って繰り返し聴くことはよくあるんですけど、過去にそれくらいひとつの音楽にどハマりする経験をしていたので、そのハマり具合って「昔は全然違ったな」「あんな経験って、もうできないのかな」と、少し寂しさを感じる部分があったりして。これってつまり、「キラーチューンに出会えていないんだな」と思ったんです。なので、「キラーチューンに出会えない」というのが最初のテーマだったんですよ。ただ、今回せっかく弓木さんとYonYonさんに歌ってもらうなら、「彼氏に出会えない」ことと「キラーチューンに出会えない」ことをくっつけて、どっちともとれるような組み立てにしたいと思いました。

――堀込さんが10代の頃にひとつの曲に強烈に惹かれた経験と、恋愛において相手に強烈に惹かれるようなモチーフが、楽曲の中で重ねられているということなんですね。

堀込 弓木さんとYonYonさんに歌ってもらえるなら、現代の若者の姿が浮かぶようなモチーフを入れたいと思ったので、歌詞の内容も、SNSやストリーミングサービスを使っているところを連想させるものになっています。でも、そうやって「あの人元気かな? 2人でよく聴いた曲を今聴くと、やっぱりいい曲だな」と感じることって、当然若い人だけではなくて、色んな世代の人に伝わることでもありますよね。だからこそ、今回の曲のテーマとしてもいいんじゃないかと思っていたんです。

――なるほど。幅広い世代の人々に向けられたものになっている、ということですね。最後になりましたが、「killer tune kills me」というタイトルにひっかけて、みなさんが今思いつくお気に入りのキラーチューンを教えてもらえると嬉しいです。

堀込 ここ何年かの曲で言うと、僕はファレル・ウィリアムスの「Happy」ですね。あの曲は誰が聴いてもキラーチューンだと思いますし、最近CMで流れてきても、いまだにいい曲だと思うので。あれはよっぽどのキラーチューンなんじゃないかな、と。「Happy」と言っているにもかかわらず、実は曲調は意外と落ち着いていて、「バカ明るい」という感じでもなかったりするところも好きですね。あと、ミックスがとにかくいいと思うんですよ。どこまで音量を上げていっても、うるさくはならないというか。

YonYon 私の場合、DJという職業柄、ものすごい量の曲を聴くんですけど、その中でも最近ビビッと来た曲をキラーチューンとしてもいいですか? だとするなら、So!YoON!の「Noonwalk(Feat. SUMIN)」ですね。So!YoON!はもともとSe So Neonというバンドで活動しているボーカルの女の子のソロ・プロジェクトで、この曲は今年出たファースト・アルバムの3曲目です。フィーチャリングにSUMINというシンガー・ソングライターの方が参加しているんですけど、「Se So Neonっぽい音なのかな?」と思っていたら、全然違うもので、曲の展開がすごいんですよ。2分ちょっとまではモダンR&Bっぽい感じで進んでいくのに、そこから急にブルースのギターが入ってきたりしていて。その変わる瞬間にドキッとして「なんてかっこいい曲なんだろう」と思いました。

弓木 その曲、聴きました。最近、YonYonさんが上げているプレイリストをチェックしたりもしているんですけど、私もすごく面白い曲だと思いました。最近、韓国のDEANの音楽もYonYonさんがきっかけで「いいな」と思いました。私のキラーチューンは……最近のものではないですけど、ジョン・メイヤーの「New Light」ですね。最近、「ギター・ソロが死んだ」という話があるじゃないですか? 自分はギタリストなので、その中でどうギターを弾いてかっこいいプレイを見せられるか、ということは考えているんです。たとえば、H.E.R.やセイント・ヴィンセントのような人たちって、普通に歌ってもいますけど、途中でギター・ソロを弾きはじめたりしますよね。そんなふうに、まだまだ色んなやり方があると思っていて。ジョン・メイヤーは、もともとギターが上手い人なのにそれを前面に出すわけではなくて、曲の中の短いフレーズだけでもギターのかっこよさを見せてくれる人だと思っています。この曲はとてもいい曲なので、最近聴いている回数が一番多い曲ですね。

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る interview-kirinji-yonyon-6.jpg

Text by 杉山仁
Photo by 山本春花

killer tune kills me feat. YonYon

堀込高樹、弓木英梨乃(KIRINJI) × YonYon 対談|コラボ曲「killer tune kills me」の制作風景について語る UCCJ2166

収録曲

1. killer tune kills me feat. YonYon
Bonus Instrumental Tracks:
2. 明日こそは/It’s not over yet
3. AIの逃避行
4. 非ゼロ和ゲーム
5. 時間がない
6. After the Party
7. 悪夢を見るチーズ
8. 新緑の巨人
9. silver girl

https://jazz.lnk.to/KIRINJI_ktkm

KIRINJIイベント出演情報

CURRY&MUSIC JAPAN 2019

6月29日(土)横浜・赤レンガ倉庫イベント広場
※YonYonゲスト参加決定!

https://www.yokohama-akarenga.jp/cmj/

Slow LIVE ’19 in 池上本門寺

8月30日(金)東京・池上本門寺野外特設ステージ

https://www.red-hot.ne.jp/slow/

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