今回登場いただくのは、さまざまなファッション誌で活躍し、『ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)』のショーではパリコレデビューも果たしているモデルの栗原類さん。小さいころは写真を撮られることが好きではなかったという栗原さんは、「服をみせる」楽しさに気づき、本格的にモデルの道へ。プライベートでもカメラを持ち歩くなど、写真の楽しさや難しさをさまざまな角度から経験しています。今回は自身の核となるモデルの仕事の話を皮切りに、「撮られること/撮ること」、そして初めてチェキを使ってもらった感想などを話してもらいました。
Interview:栗原類
――栗原さんは小さいころからモデルのお仕事をしています。そもそもはじめたきっかけは、どんなものだったのでしょう?
もともと赤ちゃんモデルもやっていたんですが、母親によると本格的に仕事をはじめたのは5~6歳ぐらいだったようですね。思い出作りにはじめたものだったそうで、僕自身の記憶はまったくないんです。覚えているものだと11歳ごろで、名作ホラーをコンセプトにした雑誌の撮影です。顔にフランケンシュタイン風のメイクをして、髪の毛も水色か紫のアフロにして、頭にネジをくっつけたりして撮影しました。
――そのころ、すでに写真を撮られることに楽しさを感じていましたか?
まだ意識はしていなかったですが、もしかしたらあったのかもしれませんね。中学校に入ったころから本格的にモデルをやりたいと思いはじめたので、写真を撮られることを意識しはじめたのは14歳(中学2年生)でした。
――『MEN’S NON-NO』でもモデルの仕事をはじめた時期ですね。
そうですね。モデルをやりたいと思った理由は、写真を撮られたいという気持ちもあったんですが、もともと俳優になりたいという気持ちがあったからなんです。『MEN’S NON-NO』の歴代のモデルさんは、阿部寛さんやARATAさん、伊勢谷友介さんなど俳優としても活躍されている方が多いですよね。その経歴に憧れていました。
――最近は、栗原さんも演技のお仕事に活動の幅を広げています。
少しずつですけれどね。でも、モデルは自分にとっての原点なので、それはずっと大切にしていきたいと思っているんです。
――モデルの仕事で楽しさを感じる瞬間は?
「なれない自分になれる面白さ」ですね。雑誌の仕事やファッションショーの仕事でそれぞれ違いますが、(写真とかかわりの強い)雑誌の仕事は静止画なので、そのなかで表現することを大切にしています。腕の位置が一ミリ違うだけでも服の見え方が変わるので、とても頭を使いますね。撮影が終わったら、その日はもう何も考えたくないくらいです(笑)。一日分のエネルギーを全部使うような感じなんですよ。
――なるほど、頭を使う職業なんですね。
「想像力を使う」ということだと思います。カメラマンの方も人によってタイプが違うので、撮る側と撮られる側の駆け引きも大切ですね。
仕事をはじめた頃の苦労したこと・大変だったことって? 続きはこちら
text&interview by Jin Sugiyama
photo by 横山マサト
撮影協力:CIRCUS TOKYO