初音ミクを筆頭にしたボーカロイドシーン最大のスターとして登場し、08年のデビューアルバムがオリコンチャートの5位を記録。その後はClariSの“irony”や“nexus”、Yun*chi、平野綾などへの楽曲提供、RAM RIDERから嵐にまで至る編曲作業、DJ活動などで幅広く活動。Qeticでもお馴染みの『ハマトラ』を筆頭にアニメやゲーム主題歌も多数手掛けてきたlivetuneことkz。11年の12月には“Tell Your World”がWeb CM“Google Chrome: Hatsune Miku(初音ミク)”CMソングに起用されるなど、今やジャパンカルチャーを牽引する存在として世界的に注目を集める彼が、最新作『と』を完成させた。
今回のテーマは『と』=『with』。livetuneの楽曲に初めて人間のボーカリストがフィーチャーされた中島愛との“Transfer”を筆頭に、「livetune adding ○○」名義で進めてきた様々なボーカリストとの楽曲を収録した本作は、まさにこの2年間の集大成。クラムボンの原田郁子、SEKAI NO OWARIのFukase、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔、8月に惜しまれつつもメンバーが全員脱退して事実上の解散となったNIRGILIS。中島愛や三森すずこといったトップ声優/歌手、9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎や滝善充、Galileo Galileiの尾崎雄貴ら人気ロックバンドの面々。moumoonのYUKA、Q;indiviのRin Oikawa、Yun*chや、やのあんなら青文字系の人気モデルまで、様々な豪華ゲストが登場し、エレクトロからEDM、ギターロック、バラードまで、これまで以上にバラエティ豊かな楽曲が並んでいる。
それもそのはず、彼が今回のコラボに乗り出したのは、楽曲から「100%以上の力を引き出すため」。livetuneサウンドと様々なボーカリストが手を取り合って、曲ごとに想像を超えたケミストリーを起こしていく――。そんな最新作について、kz氏に訊いた!
Interview:livetune(kz)
――今回のアルバムは一連のコラボレーションシリーズの集大成とも言える作品になっていますが、初音ミクとの曲は「feat」名義で統一しているのに対して、ボーカリストを迎えた曲は「adding」という名義になっています。ここには特別な意味があったんですか?
もともと僕は「feat」って言葉があまり好きじゃないんですよ。初音ミクで曲を作る時は、「feat」を使ってますけどね(笑)。「feat」って一緒に作っているのに「ちょっと他人っぽい感じがあるな」「ゲスト感が強いな」ってずっと思っていて。そもそもボーカルって曲の中心でもあるわけで、それなら「もっと作品に加わってもらえたらいいな」という自分の気持ちを文字にも出していこうと思ったんです。でも実際にやってみたら……結果分かりづらいっていう(笑)!
――ははは。「一緒に作っている」という感じはよく出ていると思いますよ。
だったら嬉しいですけど、今回コラボレーションを進めていく中で、たまに「livetune adding」っていうアーティスト名だと誤解している人も出てきたりしていて、「ちょっとマズったな」と思う部分もあるんです(笑)。