——では、それぞれのプレイリストについて解説していただきましょう。まずは、海さんから。マイケル・ジャクソン“Love Never Felt So Good”は、LUCKY TAPESにとって欠かせない曲だそうで。

 LUCKY TAPES結成当時、みんなで聴きまくってましたね。「こういう音楽がやりたいよね」ってメンバーと話していました。僕自身、小さい頃から家でMTVが流れていたのもあってマイケルはずっと好きだったんですけど、海外インディーズとか少し閉鎖的な音楽を聴いていた時期を経て、この曲を聴いて改めてそのカッコ良さを見直したというか。アレンジも素晴らしいですよね。ここまでポップに振り切れていいんだって思わせてくれた曲です。

Michael Jackson – “Love Never Felt So Good”

——2曲目は、そんなマイケルへのリスペクトが込められたブルーノ・マーズの“Treasure”。

 この曲は、前にライブでカバーしたことがあるんです。キラキラしたディスコ感みたいなものは当時表現したかったことで、それをブルーノ・マーズがやったってことにとても刺激を受けました。マイケルもそうですけど、いつの時代に聴いてもみんながうなずくようなポップスだなって思います。

Bruno Mars – “Treasure”

——そして3曲目は、ブレイクボット“Baby I’m Yours”。ディスコ・ポップなアンセムナンバーですね。この曲のようなアーバンさも、LUCKY TAPESの楽曲にも欠かせない要素じゃないでしょうか。

 これはSound Cloudで聴いていたMIXで知ったんですけど、3曲のなかでは一番最初に聴いてた曲ですね。“Love Never Felt So Good”もそうですけど、LUCKY TAPESの初期はこういう音楽をやりたいなって思っていました。

Breakbot – “Baby I’m Yours”

——健介さんの1曲目は、ダニー・ハサウェイ“What‘s going on”。名盤と名高いアルバム『LIVE』に収録されている、ソウルの分子がほとばしる1曲ですね。

健介 ブラック・ミュージックを好きになったきっかけの曲ですね。CDショップの廉価盤コーナーでジャケットに目が止まって試聴して衝撃を受けて。そこからソウル・ミュージックを深く掘って聴くようになりました。

Donny Hathaway – “What’s going on”

 キーボードを弾きながら歌うアーティストとして、僕も影響を受けているかもしれないです。

——2曲目は普遍の名曲、カーペンターズ“Top of the world”。

健介 小さい頃、親がよくカーペンターズを聴いていて、母親がひたすらこの曲を歌っていたんですよ。人生で一番聴いているし、今でもすごい好きですね。もう体の一部というか。落ち込んだときに聴くと元気をもらえる曲です。

CARPENTERS – “Top of the world”

——そして3曲目は、ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス“Purple haze(紫の煙)”。ギタリストらしい曲をセレクトしましたね!

健介 高校生のときにすごい聴いていましたね。ジミヘンは、ギタリストみんな大好きなんじゃないですかね(笑)。今回の僕らのアルバムはロック色も強めなので、そういうところでも影響を受けているので挙げてみました。

THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE – “Purple haze(紫の煙)”

——『Cigarette&Alcohol』の2曲目“Mr.Robin”に、このあたりの粒子の荒いギターが取り入れられている印象です。ちなみに、挙げていただいた3曲は60年代後半〜70年代に発表されたものなのですが、この時代に思い入れが?

健介 そうなんですか? それは知らなかった(笑)。でも、当時の空気感でしか作れないものってあると思うので、そのあたりの時代のファッションや文化そのものが好きですね。

——では、田口さんのプレイリストを。1曲目は、セシリオ&カポーノの“Night Music”。王道のAORですね。

田口 小学校のとき鎌倉に引っ越したんですけど、その当時親父がハワイアン・ロックバンドを組んでて、この曲のカバーをしてたんです。それで気に入って僕もよく口ずさんでました。メロディが素晴らしいですね。

セシリオ&カポーノ – “Night Music

——2曲目はブラック・ミュージックの懐の深さを感じさせるビッグ・アンセム、アース・ウィンド&ファイア“Sing A Song”。

田口 いわずもがな、これも親がよく聴いていた曲ですね。移動中の車の中で聴いて口ずさんでいました。両親がぶりぶりディスコに通っていて、2人の出会いも当時ディスコだった横浜ベイホールだったらしくて(笑)。このへんの曲はかなり縁がありますね。

Earth, Wind & Fire – “Sing A Song”

——ディスコの遺伝子を継いでいるんですね。ちなみに、ダンスへの興味は?

田口 今もステージングで踊れたらいいなって思うんですけど、クラブで踊るのとは違って楽器持っているとなかなか難しくて(笑)。ダンス習いたいですね。見た目にもわかりやすいパフォーマンスがしたいなって思うし。

健介 習いに行こっか(笑)。踊って弾くと楽しいよね。

 踊らせるだけじゃなくて、自分たちも踊るっていうね。

——そして3曲目が、インコグニート“Still A Friend Of Mine”。体を揺らさずにはいられないグルーヴィな代表曲ですね。

田口 これも小さい頃に聴いていましたね。ジャミロ・クワイとかブランニュー・ヘビーズとか、アシッド・ジャズにハマるきっかけになった曲でもあります。この曲のベース・ラインは、よく音出しのときとかにも弾いていて。自分のベースを弾くうえでの土台にもなっていますね。

INCOGNITO – “Still A Friend Of Mine”

——ちなみに、バンド名に“テープ”とつくだけあって、みなさんオリジナルのミックステープを作って友達とシェアしたような経験はありますか?

健介 さすがにテープは、ないですね(笑)。中学生くらいのときにMDで作っていたかな。音楽好きな人が周りにいなかったんで誰に聴かせるわけでもなく、自分用に作って聴いていましたね。

田口 俺は同じクラスの女子と交換したりしていたかな。ミスターチルドレンとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかを入れていました。

海・健介 あれ?

田口 いや、さすがに中学生で(今回の)プレイリスト挙げたような曲は入れないよ(笑)。

 僕も学生のときは自分で聴くためだけに作っていました。でも今は逆に、いい曲を見つけると2人に「これ聴いてみて」って勧めることが多いですね。車の中でそれぞれのオススメを聴いたりしています。

——今回挙げていただいた曲をふまえて『Cigarette&Alcohol』を聴くと、各曲を象徴する要素がとてもバランス良く散りばめられていることに気づきます。アルバムと併せてプレイリストを聴くとより楽しめそうですね。

 そうですね。特に僕が挙げた3曲は、自分自身のルーツというよりバンドのルーツといったほうが正しいかもしれないです。今回のプレイリストはオススメしたい曲でもあるので、ぜひ聴いてもらえればいいなと思います。

【インタビュー】LUCKY TAPESのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160720_luckytapes_3
【インタビュー】LUCKY TAPESのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160720_luckytapes_4
【インタビュー】LUCKY TAPESのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160720_luckytapes_5

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2016.07.22(土)
新潟県 湯沢町苗場スキー場
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2016.08.27(土)
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神奈川県 川崎市東扇島東公園
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