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歌詞文化を盛り上げていくシリーズとして始動した『リリックラウンジ』。第1回目のゲストは、ビートメイカー兼DJ兼プロデューサーのSeiho。Avec AvecことTakuma HosokawaとのポップデュオSugar's Campaignでの歌詞プロデュースワークを伺った。取材協力はリリックスピーカー。

歌詞とはアーティストの紡ぐ言葉の芸術。歌詞に込められたメッセージを理解することで、音楽はより一層味わい深くなるものです。そんな歌詞文化を盛り上げたいという想いからこの度始動したのが、シリーズ『リリックラウンジ』。

第1回目のゲストには、国内外で活躍を見せるビートメイカー兼DJ兼プロデューサーのSeihoが登場! 今回はAvec AvecことTakuma HosokawaとのポップデュオSugar’s Campaignでの歌詞プロデュースワークを中心にお伺いしました。日本を代表するトラックメイカーとして世界的に知られる彼が描く歌詞の世界とは? 

(取材協力:リリックスピーカー

Interview:

【インタビュー】リリックラウンジVol.01、Seihoの描く歌詞の世界。物語の主題歌としてストーリーを紡ぐ? seiho-1712061-700x700

——はじめに、Sugar’s Campaignの楽曲のコンセプトについて伺わせてください。

Sugar’s Campaignの楽曲全般的な話ですと、子どもがイメージする大人像と、大人がイメージする子供像を表現することが根本的なコンセプトです。例えば自分が子どもの時、ワインや高層マンションでパーティするのが大人のイメージでしたが、現実はそうではない。自分が大人になってしまうことに気づいていながら子ども時代をどう楽しんでいたか、子どもがイメージする大人の不思議さを大切にしています。

——なるほど。では制作スタイルについて聞かせていただけますか?

作曲に関しては、Sugar’s Campaignの曲のベースはAvec Avecが作っていて、編曲は彼か僕で行っています。作詞に関してはみんなで書くか、ベーシストの小川リョウスケくんもしくは女性ボーカルのmomoちゃんが書いています。

みんなで歌詞をつくる時は、先に設定を細かく決めるんです。例えば、幽霊の女の子が男の子に対して気づいて欲しいという想いを歌った“放課後幽霊”ですと、中学校何年生で、教室がこれぐらいの大きさで、ここに男の子が座っていてというところから考えます。もっと細かく先生が男性か女性なのか、登場人物の名前、更にその男の子が違う子に恋をしているのかどうか、というのをメンバー全員でみんなで共有して、ストーリーを順序立てるんです。その後にこの物語のオープニングかエンディング曲として曲を作るというというのが主な流れです。

どちらかといえば音重視なので、先に適当な英語をのせて楽曲を作り、日本語に入れ替えながら仕上げていきます。

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Sugar’s Campaign

——背景に大きなストーリーがあるのですね。Sugar’s Campaignの楽曲の歌詞で、重要視していることはなんでしょうか?

「イレコの構造」を大切にしています。先ほどお話しした“放課後幽霊”は、実は男の子目線の曲なんです。一見、女の子が「なんで私の思いに気づいてくれないの」と言っている普遍的なサビなのですが、前後の歌詞をよくよく聴くと、それは男の子の妄想だとわかる。

だから1回聴いただけで満足してほしくはなくて、何回も聴きながらストーリーを想像してもらいたいんです。1回目に聴いた時は音の耳障りの良さを感じていただき、2回目に聴いた時に、「けっこう普遍的なこと言ってるな」という気づきを得てもらいたい。そして3回目に聴いた時に「この歌詞は男の子の妄想なんだ」というのを発見してもらえたらと。

Sugar’s Campaignでは複雑な要素が散らばっている曲を作りたいと思ってるので、ぜひ歌詞を見ながら「イレコの構造」を楽しんでもらえたらいいなと思います。

——デビュー・アルバム『Friends』に収録されている人気曲“ホリデイ”についても教えていただけますか?

この曲は僕がSugar’s Campaignに入る前から歌っている思い入れのある曲で、歌詞は小川くんが書いています。“ホリデイ”はパーティー・チューンの枠組みですが、パーティーのことは一切触れず、パーティーに向かっている様子だけが描かれています。

本来パーティーに向かっている時はワクワクしているはずですが、この曲の歌詞の中ではすごく寂しい気持ちとして描かれている。パーティーが始まる前からパーティーが終わる寂しさをすでに感じているという、イレコの構造を意識して作られた曲です。

Sugar’s Campaign – 「ホリデイ」 MUSIC VIDEO

——Seihoさんがソロになってからの歌詞との関わり方はいかがでしょう?

ソロの方はインストゥルメンタルの曲がメインなのですが、最近はボーカリストとのコラボレーションもしています。

女性ボーカルのシンシア(Sincere Tanya)と2人で作っている曲はなるべくシンシアに全編英語の歌詞を描いてもらって、僕がメロディを作るというスタイルで行っています。

英語の歌詞の書き方をみていると、日本語の歌詞の書き方と違って直接的だなと感じていて。そう感じるのは多分、日本語は言葉の意味が両面に存在している場合が多く、メロディーによってその意味が変わってくるからだと思います。

英語の歌詞を聴く時はメロディと歌詞の意味を両方きっちりとらえた方がいいですが、日本語の歌詞は文字だけ読んでいても意味なくて……。例えば、《前へ進む》っていう歌詞があった場合、メロディが上がる場合は、歌詞の意味も本当に前へ進んで行くという意味合いになるけれど、メロディの音階が下がっていく場合は前へ進むことに躊躇していると受け取れる。メロディによって意味合いが変わってくるのはすごく面白いことだと思っています。

——歌詞を言葉だけで捉えるのではなく、メロディとともに楽しむのはとても大切なことかもしれません。

最近は新譜も旧譜も歌詞とメロディーの関係性に注目しながら聴くことが増えて、ソロもSugar’s Campaignの活動の時も歌詞の面白さを再発見することが多いですね。
 

Sugar’s Campaign – ママゴト

Seiho オフィシャルサイトリリックスピーカー オフィシャルサイトSeiho Twitter

取材協力:歌詞を楽しむ次世代スピーカー リリックスピーカー
interview&text by detroitbaby

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ライター

英語の歌詞作りをしたりInternational Producer として映像制作をしたりしています。

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