May J.の新たなプロジェクトのプロデューサーが篠田ミル(yahyel)だとアナウンスされた際、おそらくほとんどのリスナーに「?」が浮かんだだろう。そして同時に好奇心もそそられたのではないか。
そもそも思い起こされるのは、90年代ジャパニーズR&Bブームの終盤にデビューしたMay J.が、J-POPカルチャーの中でこのままベテランシンガーへの道を歩むのかという謎。一方で、近年のyahyelの楽曲において、硬質かつパッシブなエレクトロニックサウンドを構築している篠田が日本のチャートミュージックの世界になぜ足を踏み入れるのかという謎。
その謎解きはすでに5月、6月と連続リリースした楽曲“Rebellious”、“Can’t Breath”を聴くことである程度、明らかになったと思う。May J.が個人的には志向していたが、表出してこなかったダークなトーンと、篠田のトーンとの高い親和性を実感できるからだ。現行のオルタナティヴなR&Bトラックと並列しても違和感はない。
May J.はこのプロジェクトに「DarkPop」という象徴的な名前を与えた。彼女をJ-POPシンガーと認識していればいるほど、今すでに起こっている革新に驚きを禁じ得ないだろう。
対談:May J. × 篠田ミル
ポップスへと昇華させる化学反応
──この新プロジェクト「DarkPop」に至った背景をお伺いしていいですか?
May J. 「DarkPop」は、あえて自分で名前をつけるとしたらというところで、つけさせてもらってるんですけど、始まりは、去年の3月ぐらいから。こういう曲を作りたいよねっていう話を(篠田)ミルくんと話してました。私自身、今までとは違うもうちょっとコアな、攻めた感じの曲を作りたいって思いがずっとあって。ミルくんはポップスの歌手の人と一緒にやりたいっていう願望があったので、お互い必要としてるものが合ってたんです。そんな時期に、そろそろ緊急事態宣言も始まるね、みたいな話もして。
篠田ミル(以下、篠田) そうですね。その時期でしたね。
May J. しばらく外も行けないし、ずっと家にいることになるから、この機会を使ってゆっくり音楽を作っていこう、みたいな。中々、今までの活動の中ではここまで時間をかけて作ることができなかったんですね。だから、ほんとに自粛期間だからこそできた曲たちなんじゃないかなと思います。
やっぱり自分一人で家にいて、全く外の世界をシャットダウンして書く曲になったので、自然と自分自身のもっと深い部分まで入り込んで、今まで言えなかったことをこの際に吐き出したくなったというか(笑)。
そんな状況の中で、ミルくんのトラックにそういったパワーをもらったんです。だから、ちょっとダークというか……今まであまり語れなかった部分、裏の部分っていうのを今回は軸に考えていきました。
──篠田さんはいわゆるポップアーティストというか日本のチャートミュージックの世界で活躍するMay J.さんをどう見ていたんですか?
篠田 結構、日本のチャートミュージックに対して、思うところはずっとあって。いい悪いという話ではなくて、90年代に確立された方程式みたいなものがまだまだ主流を占めている──タイアップとって、J-POP的なコード進行と展開の作り方とサウンドプロダクションがあって。もちろん今、一線で活躍されてる方もまだまだそれを踏襲されていて、そうじゃないものをもう少し自分がやれる隙間がオーバーグラウンドにもないかなっていうことをずっと考えていて。
例えばザ・ウィークエンド(The Weekend)って今の時代のマイケル・ジャクソン レベルのスターだけど、OPN(ワン・オートリックス・ポイント・ネヴァー)がプロデューサーとして入っていて。アメリカの(NFLの)ハーフタイムショーもOPNに任せちゃうとか、チャーリーXCX(CHARLI XCX)がA.G.クック(A.G. Cook)とずっとやってるみたいな、そういうコラボレーションのあり方──アンダーグラウンドでエッジの効いたものを突き詰めてきた人がそれを曲げるわけじゃなく、ちゃんとポップなものを作って、昇華している。そういう試みに興味があって。それをやってみたいなとずっと思っていたので、今回のお話は渡りに船でしたね。
The Weeknd – Save Your Tears (OPN Remix / Audio)
──The Weekendしかりビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)がこれほど売れたという現実もありますよね。実際の作業はどんなふうに始まったんですか?
May J. 全部LINEでした(笑)。あと、Spotifyで私が今好きな曲とか、こういうの作りたいっていうリファレンスをプレイリストにして共有してました。
篠田 それを聴かせていただいて。で、何となく自分の書きためていたデモみたいなものとか、1から書いたものをとりあえず何曲かMayさんにポンと投げて。
May J. で、最初に「お?」って目についたのが“Can’t Breath”の楽曲でした。
──メッセージとしてすごくオンタイムな感じで。
May J. そうですね。私自身の一番闇の部分でもあって。7年前、『アナと雪の女王』の時に自分の夢を叶えて嬉しいはずなのに、そうじゃない人たちの書き込みを見て、思った以上にすごいショックを受けてたんですね。今でも実はその傷が全然癒えてない部分があって。
歌うときになんかつっかえてしまったりとか、急に息ができなくなっちゃったりとか、そういうトラウマみたいなものがずっと残るんですよね。でも、今まであんまり自分の口からは言わないようにしてたんです(笑)。火に油を注いでしまうし、本当に心配されちゃうし。ちょっと言いづらかったんですけど、今回、自分の言葉で歌いたいなという風に思いました。
May J. – Can’t Breath
篠田 “Can’t Breath”もそうですけど、このプロジェクトを通じて僕が感じているのはMayさんはパフォーマーとして一流でずっとやってこられた方なんだなと。それを感じつつ、作家として自分のことを掘り下げて出していくことを、今、まさにデビューしたというか始めている。僕はそこに携わっているんだなと思って、「もっと潜れ!」っていうのはずっと感じてますね。
──コライトしているとそうですよね。「もっと言える」と思えたり?
May J. ああ。それはあります。ミルくん自身、SNSを見てると思い切った発信が多いので。そんなミルくんの存在も「私も出していいのかな」って思わせてくれたきっかけではあります。
篠田 でも、ここ1〜2年で増えたなという感じがありますね。周りで声を上げる、表現者の人も普通の人も、それ自体、励まされるというかいいムードになってきてるなって感じますね。
──確かに。実際の制作はどんな風に?
May J. 最初はトラックが届くんですが、私はレコーディングのキットが全くなかったので、初めてGarage Bandのアプリ使って、「は〜」「ヘ〜」とか(笑) 曲の雰囲気をラララで全部作って。送ったら、「いいね、めっちゃいいよ!」みたいにいつもアゲてくれるんで。「よっしゃー、いいの作るぞ!」って感じで歌詞を作っていって。
篠田 Mayさんはいろんな歌を歌ってこられて歌も上手なんで、多分、Mayさんから出てくるメロディの引き出しの数って、すごくあるだろうなと。なので、そこはもう預けちゃうというか。むしろトラックをぶん投げて(笑)、作っていきましたね。
──すごく同時進行的に曲ができていってるのかな? と感じるぐらい自然ですね。
May J. 好きなものが似てるのか? って勝手に思ってるんですけど(笑)。
篠田 意外と暗いものがお好きっていう。
May J. そう。暗い曲が好きっていう共通点があって。
篠田 全然、自分の書く曲は暗いと思ってないですけど、「暗い」って言われるんですよね(笑)。全然、暗い気持ちで書いてないんだけどなと思って。
──暗いというよりかっこいい。yahyelの曲はパッシブですし。今、May J.さんはSpotifyに割と元気な感じのプレイリストをアップされてますが、あういう感じよりもっと暗いんですか?
May J. 普段聴く曲って本当は暗い方が好きなんですよ。でも、やっぱり自分が求められてる音楽というか、ね? いろいろあるじゃないですか(笑)。もちろんアップテンポの曲も好きなんですけど、でも、自分で聴くってなったら暗い方が聴き心地がよくて。
──例えばいつでも聴ける曲というと?
May J. えーと、ビリー・アイリッシュの“Ocean Eyes”、永遠に聴ける(笑)。
原点回帰した先のアップデート
──今回の試みは、今までやってなかったけど、すごく本質的なことだったのかもしれないですね。
篠田 お互い自己開発してる感じがあって(笑)。Mayさんは自分の自己を表現するってこと、自分の殻をぶち壊していくプロセスですし、僕は逆に作家としてやっぱりもう少し歌に寄り添ったものを作れるようになるための鍛錬というか、お互い開発してる部分はあるなと思います。
──なるほど。ちなみに第一弾の“Rebellious”は今だからわかる感情、お父さんとの関係が主題ですね。
May J. そうですね。歌にするときに、やっぱり今、自分が気にしてることとか、今にも泣きそうになることを歌詞にした方が歌声がすごい生きるんじゃないかなと思って。その時に一番自分が気にしてたことがお父さんのことだったので、それを歌にしました。いなくなってしまえば楽になるよな、いっそ、と思った時があったんですよね。その時のことをずっと覚えていて。
でも、今はやっぱり体も弱ってきて、いつまで一緒にいられるかわかんないって状態になった時に残された時間をどういう風に楽しく過ごそうかなとか、すごい考えるんですね。それで昔のことを思い出すと、ほんとに申し訳ないことをしたなって。そんな風に思ってしまった自分が嫌になったんですよ。後悔しても何も変わんないんですけど、その分を今度は親孝行というか、ちゃんと父親の夢をかなえてあげたりとか、そういう風にこれから一緒に楽しく過ごしていきたいっていう、両方の気持ちを歌ってますね。
──この曲はギターが非常に良いですね。これ生音ですか?
篠田 サンプリングです。Splice(サブスクリプション型のサンプル販売サービス)で「これだ!」ってサンプルがあって、そこから曲を組み立てていった感じで。Mayさんの挙げてくれてた最近好きな曲の中に割とギターを使ったトラップR&Bみたいな曲がちょこちょこあって。
僕もここ数年、グランジとかポストパンクにもう一回火がついてて、青春の音楽なんですけど(笑)。ただ、ギターとトラップのビートだけだと自分ぽくはないと思って、そこでちょっとシンセサイザーの上物を入れて組んでいった感じですね。
May J. – Rebellious
──今回これは表現しておきたかったことなんだなという気持ちが伝わりました。
篠田 Mayさんの殻破りのステージ的には、一番プライベートなとこにいったなと思うんで、そこまで潜っていけてよかったです。
──そういう理解を含めた上での音像なのかなと。
篠田 確かにトラックを一回投げて、Mayさんに歌入れてもらって、また僕がやって、何ならレコーディング終わって後にまたやり直す、みたいな(笑)。
──篠田さん、ミックスはしてないんですか?
篠田 はい。ミックスはAtsu Otakiくん(EVOEL STUDIO)にお願いしていて、彼はヒップホップのプロダクションをやっている方なんです。ACE COOLとかjinmenusagiさんをやってるエンジニア兼トラックメーカーの方で。
個人的に仲が良くて、僕が作るとR&Bやヒップホップ的なサウンドメイクにならないので、そこの補強をお願いしました。僕はどうしても電子音楽かインディーロックの人なので。そこで絶対、彼だなと思ったんです。
──それはやはり空気感なんですかね。
篠田 そうですね。多分、ヒップホップはヒップホップでやってる人が突き詰めてるエンジニアリングのテクニックとかがあって、低音に対する考え方、キックとかベースに対するミックスの考え方が、全然違います。そこはやっぱり現行のヒップホップとかR&Bの低音、電子音楽とはまた違う低音の作り方だと思っていて、そこがわかってる方がいいなと。
──May J.さんはオリジナルのR&Bでデビューされたので、やはりそこにこだわりがあったんだなと、今回の「DarkPop」で思ったんです。
May J. ああ、ありますね(笑)。あの時はまだ18歳だったので、自分が伝えたいこと? っていうのはそれまでの人生の中ではなかなか難しかったんですけど。今回、その音楽性の中で、今伝えたいこととしてアップデートできたと思います。だから、ある意味、原点回帰してるんですけど、今じゃなきゃできないことなのかなっていう風には感じました。
──そういう意味でも附に落ちて。
篠田 良かったです。なんかポカンとされそうで(笑)。どっちに対してもポカンてされそうって。
飽くなき追求と新たに見据えるコラボ
──そして第3弾の“DRAMA QUEEN”がリリースされますが、この曲は“Can’t Breath”とテーマ的につながってますか?
May J. つながってます。例えていうなら、「それ違うよ」とか、「何だよ」って思った時に反論をツイッターで書きたくなるよね?(笑) でも、これツイートしたらダメだな、ってお蔵入りしたものがいっぱいあって、それを歌にしました。自分も攻撃したら、もう一緒になっちゃうじゃないですか? そうはなりたくなかったので。
一番言いたかったのは人のことをヤーヤー言う人って、まず自分の人生はどうなってるの? って聞きたくて。充実してたらわざわざ人の悪口書いたりとか、話したりとかしないじゃないですか。その前に自分の人生をどうにかして、っていう気持ちを一番伝えたかった。
篠田 社会的なそういう誰かをサンドバッグにしなきゃいけない状態、その人たちを追い込んでる社会の構造というか、コミュニティのなさとか、包容力のなさを解決しないといけないですよね。
May J. – DRAMA QUEEN
──第4弾で大きなテーマが来そうですね。タイトルが“Love & Hate”だし。
May J. 最後はBlack Lives Matterのことを歌いましたね。ちょうど書いた時期にずっとニュースになっていて。私自身、当事者じゃなくても「なんだ?」って思うことだったんですね。「もうこれ、やめない?」っていう。その自分の心の声を曲にしたんですけど。なんかBLMの素晴らしいところって、当事者じゃない周りの人も一緒に声をあげて助け合うところかなと思いました。
日本にいる私たちもこれからはそういう風にチェンジしていけたらいいことだなと思ったんですよね。やっぱり周りの人と合わせる美徳を学んできてるので。それがでも少しずつ最近、その壁が壊れてきてる感じはあるので、改めてメッセージとして伝えたかったんですね。
篠田 実は昨日までトラック直してたんですけど。
May J. 多分一番ミルくんぽい。一番、ぶっ飛んでるかな。どう?(笑)
篠田 最初、トラックは無難な暗い曲だったんです。でもなんか置きにいってんなって(笑)。MayさんもBlack Lives Matterのことに関してスピークアップしてるし、もうちょっと自分もやんなきゃって気持ちで。
レコーディングした後になってから、「いやー……」と思って。歌を入れた後ですね。一昨日ぐらいまでやってたんで、今、ミックスに出してる途中なんですけど。
──お互いに鼓舞し合ってますね。
May J. うん。「ミルくんやっちゃえ!」って(笑)。
──聴いてて「おお!」と思ったんですけど、どうしてもローの部分って、サブスクやテレビから聴こえてくるときに乗りづらいので避けがちで、上物で上げてってことが現在のチャートミュージックであると思うんですけど、歌を録ってミックス前に「やっちゃいなよ」って言われて変更されたと。
May J. 最初は全然違う曲調だったんです。
篠田 アンビエントR&B、トラップ調、ありがち、みたいな(笑)。暗い、チルい、みたいな。その時より確かに音数は減ってるっちゃ減ってる、ミニマムになってる。それは自分自身の成長もあって、こうしてMayさんと歌ものを作る機会があって、歌に対してどう当てていくか? っていう技術的な試行錯誤をちょっとずつしているから、その学びもあるんです。本当に一流の方とくらべたらまだまだなんですけど。
でもローに関しては、自分がクラブミュージックカルチャーの中にいて、もうほんとにでっかいサウンドシステムで浴びるローが大好きなので、まぁJ-POPのルールとかわからないし(笑)。今の子、ちゃんとAirPodsで聴いてるし。AirPodsってすごく低音出るんで、「知らん」と思って(笑)。
──それでよりソリッドな印象で、畳み掛ける「あ、yahyel」って印象になりましたね。
篠田 いろんな人の話聞いても、日本のメジャーのシーンのミックスとかマスタリング出すと、低音に対する考え方が違って、やっぱり削られちゃうって話はよく聞きます。
May J. Spotifyで、J-POPと海外のR&Bをミックスして聴くと、全然音が違いました。今までそれが私もすごく気になってたんですよ。電圧の違いなのかな? とか、そもそもの声の音圧も違うし。アリアナとかこんな小さな声で歌ってるのにすごいインパクトがあるし、なんで日本でできないんだろう? とずっと思ってたんですけど、ミルくんとAtsu Otakiくん(EVOEL STUDIO)のミックスが全部それを叶えてくれて。
篠田 うわ〜(嬉)。
May J. 「日本でできるんじゃん」って(笑)。
──何年か前だったら一緒にやらなかったであろう人同士がケミストリーを起こしてますね。
篠田 なんかこういう並び、他所でももっと増えて欲しい。こういう感じ、「そことそこ? 面白い!」みたいな。
──新たに増えることが大事だし、影響がある気がしますね。今、篠田さんがおっしゃったように、また違う座組みで一つの動きみたいになっていくと面白いし。
篠田 なんかちょっと感じるんですよね。宇多田さんと小袋さんもそうだし。青山テルマちゃんがAisho(Nakajima)くんとかとやってみたりとか。アイナ・ジ・エンドさんと三船さんとか。
でも、まだまだお互い伸び代があるので作り続けていきたいけど、多分ゴールとしてはMayさんがめっちゃ成長していって、「じゃあ私こういうことやりたいから、今回お前」みたいに、別のプロデューサーが呼ばれたりとか(笑)。今回はこいつとこいつ、みたいな。そうなっていけば面白いなと。
──ジャンルは違うけど、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)みたいな作り方とか。
篠田 そう。テイラーの『folklore』もすごく触発されましたね。だから、Mayさんと僕だけがやるんじゃなくて、なんか自分より若いプロデューサーとかも引っ張ってこようと思ってて。Lapistarくんていう、トラックメーカーがいて。彼はすごいR&Bが得意な方なんですけど、20代前半とかなのかな? Daich Yamamotoさんの釈迦坊主との曲(“Simple feat.釈迦坊主“)とか作ってたり。そういう子をどんどん引き入れて。
Taylor Swift – folklore
May J. 今話してたLapiくんだったりとか、それこそラッパーと作りたい曲もありますし、Daichiさんとかできれば楽しいし、Aishoくんもやりたいね。
篠田 Mayさんに男性の声が絡むのは聴いてみたい気がします。プロデューサーが僕一人でやり続ける楽しみもあるんですけど、海外のプロダクションとか見てるとチームでやってる面白さもあるなと思ってて。チームMay J.(笑)。
May J. 今回実は裏テーマで「3.0」っていうのがあって、May J.の軌跡の「1.0」がR&Bの初期の頃で、「2.0」がJ-POPの時代で、「3.0」が今のこの「DarkPop」の感じっていうイメージ。今はMay J.と「DarkPop」のMay J.が別々なんですけど、いずれはここが一つの線に繋がっていってくれたらいいなと思ってます。
Text by 石角友香
Photo by Maho Korogi
May J.
May J.(メイジェイ) 日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち、幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りをもこなす。圧倒的な歌唱力とパワフルかつ澄んだ繊細な歌声、そして前向きでポジティブなメッセージが共感を呼び、幅広い世代から支持を受けている。 2006年ミニアルバム「ALL MY GIRLS」でメジャーデビュー。 記録的な大ヒットで社会現象にもなった、2014年公開のディズニー映画「アナと雪の女王」の日本版主題歌(エンドソング)を担当。 同年の第65回紅白歌合戦に初出場。 2015年1月には自身初となる、日本武道館の単独公演を開催。
yahyel
2015年東京で結成。池貝峻、篠田ミル、大井一彌、山田健人の4人編成。エレクトロニックをベースとしたサウンド、ボーカルを担当する池貝の美しいハイトーンボイス、映像作家としても活躍する山田の映像演出を含むアグレッシブなライブパフォーマンスで注目を集める。2016年、ロンドンの老舗ROUGH TRADEを含む全5箇所での欧州ツアー、フジロックフェスティバル〈Rookie A Go Go〉ステージへの出演を経て、11月にデビュー・アルバム『Flesh and Blood』を発表。翌2017年には、フジロックフェスティバル〈Red Murquee〉ステージに出演、さらにWarpaint、Mount Kimbie、alt-Jら海外アーティストの来日ツアーをサポートし、2018年3月に、さらに進化した彼らが自身のアイデンティティを突き詰め、よりクリアで強固なものとして具現化することに挑んだセカンドアルバム『Human』をリリース。その直後のSXSW出演を経て、フランスのフェス、韓国・中国に渡るアジアツアー、SUMMER SONICなどに出演。同9月にはシングル「TAO」をリリース。楽曲、ミュージックビデオの両方を通じて、yahyelの芸術表現が完全に別次元に突入したことを証明した。同じく11月には水曜日のカンパネラとのコラボ楽曲「生きろ」をリリース。2019年には再びSXSWに出演、数多くの海外メディアに紹介されるなど、ますますグローバルな動きを見せている。