スコットランドのミュージシャンと、
日本のミュージシャンたちとの間には不思議な繋がりがあるんだ

——新たに公開された“Helicon 1”のMVは、沖縄、京都、大阪が舞台となっているそうですね。これはバンド側のアイデアですか? それとも監督のクレイグ・マレー(Craig Murray)のアイデアでしょうか。

クレイグのアイデアだよ。MVを作る前に僕らと相談はしたけれどね。とても良いアイデアだし、完成したビデオも素晴らしいと思う。このMVに出てくる中で沖縄だけは行ったことがないから、ぜひ行ってみたいね。

Mogwai – “Helicon 1” (Official Video)

——先日、BBCのドキュメンタリー『Storyville: Atomic – Living in Dread and Promise』の音楽を手がけていましたが、このプロジェクトへ参加することになったきっかけは? また、これを機に広島の原爆投下について新たに学んだことはありましたか?

▼『Storyville: Atomic – Living in Dread and Promise』のトレイラー

フィルムメーカーたちから、僕らに参加しないかと打診があったんだ。このシリーズのそれまでのプログラムもとても素晴らしくて、スコットランドについての回をキング・クリオソテがやったり、シェフィールドについての回をジャーヴィス・コッカー(パルプ)がやったりしている。僕はCND(Campaign for Nuclear Disarmament)のメンバーで、反核兵器という立場で強い意見を抱いているから、このプロジェクトに参加する強い動機があったんだ。監督のマーク・カズンズはとても熱心かつクレヴァーな人物で、良い関係を築くことができた。実際来月一緒にスタジオに入って、これをレコードにする仕上げの作業をする予定なんだ。だから、来年にアルバムとしてリリースできると思う。そして、日本でそれを映像と共に演奏しに行けたら良いなと思っているよ。

——それは興味深いですね。

うん、できれば広島でそれを実現しようと計画しているんだ。広島についてはこのプロジェクト以前からある程度知っていたから、新しく学んだことは原爆投下の背景にあった様々な面、冷戦やキューバ危機、テクノロジーがもたらしたポジティヴな変化といった新しい部分を学んだと思う。

——『モグワイ・ヤング・チーム』やリミックス盤『A Wrenched Virile Lore』(12年)におけるアートワークはもちろん、envyとの交流など、モグワイは日本との繋がりが非常に深いバンドですよね。あなたたちにとって、日本はどんなインスピレーションを与えてくれる国ですか?

はっきりと何かはわからないな……。スコットランドと日本は色々な面でかなり違っているけれど、なぜかスコットランドのミュージシャンと、日本のミュージシャンたちとの間には不思議な繋がりがあるんだ。僕らはenvyやあふりらんぽといった日本のバンドをリリースしているし。その繋がりが何なのかは説明できないけれど、間違いなく存在しているのはたしかだよ。僕の一番好きなシンガーのひとりはカンのダモ鈴木だし、日本からは音楽的にも影響を受けている。そしてそれは僕らだけじゃなくて、他の多くのスコットランドのミュージシャンにも言えることだよ。

——フェスティバルを含めコンスタントに来日し、いつも素晴らしいステージを見せてくれるモグワイですが、これまで日本でプレイした中でもっとも忘れられないライヴは?

日本では何度も演奏しているから、選ぶのは難しいよね。何年だったかは思い出せないけれど、2回目に<フジロック(・フェスティバル)>に出演したときかな(※01年か03年のことだと思われる)。10年くらい前のはずだけど、すごく良かったのを覚えているよ。僕らは選ぶのに迷うくらい何度も日本で演奏することができていて、とても幸運だと思う。

——2回目の<フジロック>の何が特に印象的でしたか?

あんなにたくさんのオーディエンスの前で演奏するのはあれがほぼ初めてだったし…。まあ、その観客の多くは別のバンドを待っていたんだと思うけど(笑)、それでもみんな熱心に聴いてくれて、とても特別な体験だったね。

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