室町時代の後期、京都で創業された和菓子の老舗・とらや。そのフラッグショップともいえる赤坂店がリニューアルオープンしたのは、2018年10月のこと。

世界的にも有名な建築家・内藤 廣氏によって手掛けられた店内は、壁から天井に至るまで奈良県産の吉野ヒノキをふんだんに使用。細やかな木目と柔らかな色味がおりなす温かくも洗練された空間は、和菓子のもつ繊細な美しさがそのまま表されたかのような建築となっています。

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吉野ヒノキの香りが漂う店内
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2F・売場

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3F・虎屋菓寮

見た目に美しく、触れて心地よく、そして香しい店内。
今回は、モデルでありカフェライターとしても活躍中の斉藤アリスさんに『とらや赤坂店』でのひとときを過ごしていただきました。

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インタビュー:モデル・ライター 斉藤アリス

――こちらの赤坂店には今回初めて来店されたそうですが、とらやさんの和菓子を召し上がったことはありますか?

はい。とらやさんと言えば羊羹が有名ですが、葛切りやあんみつもすごく美味しいですよね。身体中に染み渡るような濃厚な甘さが本当に美味しくて。それから、私の地元・愛知県西尾市はお茶の名産地なんですけど、お茶づくりが盛んな土地には和菓子屋さんが多かったり、小学校でも茶道の授業があったり、和菓子は小さい頃からよく食べていましたね。

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あんみつ(黒蜜)

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--アリスさんにとって和菓子は馴染み深いものなんですね。では、今回は実際に赤坂店に来ていただきましたが、店内の雰囲気や内装など、どんな印象を持たれましたか?

陽の光がたくさん入る構造になっていたり、細い木を組むことで浮遊感のあるエアリーな空間になっていて、すごく気持ちがいいですね。それと、お店に入った瞬間にすごくいい香りがしました! 初めて来たのに居心地が良くて、木の奥深い香りがすごく落ち着きます。

以前、日本アロマ環境協会主催の「東京2020」をテーマにした香りを何百作品もの中から決めるというイベント(AEAJイメージフレグランスコンテスト)で審査員をさせていただいたことがあり、その作品の中にヒノキを使っているものがとても多かったんです。その時に、海外の方にとってもヒノキの香りはすごく日本を感じるものなんじゃないかなと思ったことがあって。日本の侘び寂びみたいなものを日本ならではの木の香りで感じてもらうのはとても素敵だなと思いました。とらやさんではこれだけたくさんの木を使っているので、わざわざ香りを焚かなくても本物のヒノキの香りが漂ってきますよね。

--都内でもここまでふんだんに木を使った建物は他に見られないのだとか。「簡素にして高雅」というコンセプトを基にデザインされたそうです。

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伝統的な組子を新たにデザインした千本格子
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売場から虎屋菓寮へ繋がる螺旋階段

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SHOP INFORMATION

とらや 赤坂店

住所|東京都港区赤坂4-9-22

電話|03-3408-4121

営業時間|
直営店
8:30〜19:00(平日)
9:30〜18:00(土日祝)

虎屋菓寮
11:00〜18:30(平日) ラストオーダー18時
11:00〜17:30(土日祝) ラストオーダー17時
※ランチタイム 11:30〜14:30
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取材・文:野中ミサキ(NaNo.works)
写真:佐藤大輔
ヘア・メイク:つばきち