——“風”には5lackさんがフィーチャーされています。彼に依頼した経緯を教えてください。

自分が日本語ラップを聴き始めたきっかけが5lackさんだったので、昔から憧れの存在で、いつか曲を一緒にやりたいとは思ってたんです。元々、5lackさん抜きのバージョンで“風”ができてたんですけど、Ryuくんに「ここに5lackさんが入ったらどうかな?」って相談したら、「絶対ヤバい」っていう話になって。自分の自信を持って聴かせられる曲だと思ったので、お願いしました。

——“Shinagawa Freestyle”という、出身地の名前がついた曲を入れたのはどういう意味があるんですか?

この曲は最後の最後まで入れるかどうか迷ってたんですけど、自分の中で区切りをつけるという意味もあって、自分の全てを込めるために入れることにしました。これを作った時は、私すごくラップがしたかったんです。自分は結構チルなラップをすることが多いから、私だってこれくらい出来るんだぞって感じで(笑)。

——その区切りというのは、何と何の区切りですか?

次に進む、っていうことです。曲を作っている時に葛藤が出てくる瞬間っていうのは誰にでもあると思うんですけど、そういうのをぶち壊して自由に開放したいっていう思いがあって。それでこの曲を作りました。アーティスト/ラッパーとして、自分の中で納得したかったんです。

——その次の“群れたくない”という曲は、ゆるふわギャングにしろNENEさん個人にしろ、すごくオリジナルなことをやっているからこそ意味を持って響いてくる歌詞のような気がします。

元々群れるのとか、馴れ合いが好きじゃないんですよね。友達はいますけど、小さい頃から一人でいるのが好きだったりして。自分だけの世界観っていうものが強いんでしょうね。音楽を作っていると、自分だけに集中できて、他の情報は頭の中に入れたくなくなってくるんです。このアルバムは、本当に自分だけの世界観で作りたかったので。

【インタビュー】ゆるふわギャング SOPHIEEからNENEへ。「東京の中のオアシス」を描いたデビュー・アルバム interview_nene_7-700x1016

——“朝に得る”は、SALU さんのアルバム『INDIGO』でゆるふわギャングがゲスト参加した“夜に失くす”と対になっています。この曲はどのように作られたのですか?

7月に、軽井沢のスタジオで1週間泊まり込みの合宿みたいなことをしたんです。最後の2曲“朝に得る”と“TEAM”は、その時に出来た曲です。そこにSALUくんも遊びにきてくれて、一緒にセッションして作りました。最初からアルバムに入れると決めて作ったわけではないんですけど、雰囲気もアルバムと合うし、入れたいと思って入れました。

SALU / 夜に失くす feat. ゆるふわギャング (Ryugo Ishida, Sophiee)【Official Music Video】

——この曲の最後には、セリフが入っていますが、あれは何と言ってるんですか?

「ディディ! 僕の部屋から出てってくれ」というセリフで、カートゥーンネットワークでやっていたアメリカのアニメ『デクスターズラボ』の中で、主人公のデクスターがよく言うセリフなんです。“朝に得る”では、自分達がいた軽井沢のスタジオが森の中にあって、ちょっとラボっぽかったので、『デクスターズラボ』のイメージと繋がっていって。

——なるほど、そういう意味だったんですね。ちなみに、森というモチーフは、“High Time”でも歌詞に出てきていますね。

あの曲は普通に都内のスタジオで録ったんですけど、その時にスタジオが森に見えたんですよね。東京にずっといるからかもしれないですけど、緑とか自然が好きで、何か落ち着くんです。だから、そういうイメージはずっとあるのかもしれないです。

NENE “High Time” feat. Ryugo Ishida

——最後の“TEAM”というのは、レーベルのスタッフも含めた、NENEさんとゆるふわギャング周りのチームについての曲ですよね。

これを作った時、めちゃくちゃ高まってたんですよね。すごい恵まれてる! って思って(笑)みんな一緒に軽井沢のスタジオにいて、曲を作っている時に、何か幸せだなぁって思いながら書いた曲で。これは、出来たときに絶対アルバムの最後にしたいと思って、最初からこの曲がラストっていうのは決まってました。

——パーソナルな面が詰まったソロ・アルバムの最後を“TEAM”で締め括るというのは、とても素敵だと思います。

ありがとうございます。自分1人ではこのアルバムは絶対に出来なかったので。曲は書けても、みんなの協力がなければ完成しなかったし、みんながいるからこそ自分のレベルも上がってるのを感じられるし。やっぱり周りの人がめちゃくちゃ大切だと思っているので、そういう感謝も込めています。

——では、最後に、このアルバムを聴くシチュエーションとして、NENEさんのおすすめがあれば聞かせて下さい。

やっぱり、女の子には、彼氏が横で運転してる助手席で聴いてもらいたいかな。ちょっとエモくなってる時とかに、風でも浴びながら軽く聴いてほしいですね。

【インタビュー】ゆるふわギャング SOPHIEEからNENEへ。「東京の中のオアシス」を描いたデビュー・アルバム interview_nene_6-700x1016

RELEASE INFORMATION

NENE

2017.12.06(水)
NENE
[amazonjs asin=”B075X57XZN” locale=”JP” title=”NENE”]

[TRACKLIST]
01. Price
02. Famous
03. 稼ぐ女
04. Damn Phone
05. Game Boy Life
06. High Way feat. Ryugo Ishida
07. I Smoke
08. High Time feat. Ryugo Ishida
09. 風 feat. 5lack
10. I Know
11. Shinagawa Freestyle
12. 群れたくない
13. 朝に得る feat. Ryugo Ishida & SALU
14. Team

Produced by Automatic, Estra

詳細はこちら

EVENT INFORMATION

ゆるふわギャング ~NENE album release live~

2017.12.26(火)
OPEN 19:00/START 20:00
WWW X
チケットぴあ、ローチケ、イープラス
LINE UP: ゆるふわギャング
詳細はこちら

Twitter

text & interview by 青山晃大