PALLADIUM Interview

HAPPY

Photo by Kodai Kobayashi
Text by TAISHI IWAMI

     

ファッションと音楽はなぜ密接な関係にあるのか。それは作り手にとっても受け手にとっても、その人のキャラクターをダイレクトに表すものであり、シチュエーションを彩るものであるからだと言える。だからこそ、両者は意図的なものであれ結果的なものであれ、時に作り手同士が互いに強く求め合い、いくつもの歴史を作ってきた。そしてここにまた新たなシーンが生まれようとしている。

フレンチミリタリーをルーツに持ち70年以上に渡って、さまざまな分野で挑戦を続ける人々ともに歩みながら、アウトドアライフやタウンユースに新しい風を送り続けてきたシューズブランド・PALLADIUM(パラディウム)が、現在掲げるテーマである「CITY EXPLORING – 都市探検 -」のもとにラブコールを送ったその相手は、京都府綾部市出身で都内を拠点に活動する5人組バンド・HAPPY。The Beatlesを中心として 1960年代半ば~後半に巻き起こった新たなポップ・ミュージックの熱狂や、世界照準のインディー・ミュージックの流れといった、さまざまな音楽の歴史を小さな田舎町で幼い頃からシェアしてきたからこその、遊び心溢れるサウンドが魅力的なバンドだ。

HAPPY – STONE FREE(Official Video)

彼らの結成は2012年。当時リリースしていた音源は、自作のアルミホイルに包んだCDのみ。ライブもほとんどしていなかったにも関わらず、その噂は瞬く間に広がる。まだ本格的なデビュー前だった2013年には<SUMMER SONIC>に出演。2014年にリリースした1stアルバム『HELLO』は各メディアが大きくプッシュし、数々のフェスやビッグイベントに呼ばれるようになった。以降も彼らは、サイケデリック・ロックやブルーズ、レゲエやパンク、エレクトロニック・ミュージックなど、自身が影響を受けたさまざまな音楽の間を自由に往来し、独自のセンスを磨き続けてきた。

そして現在は5年振りの2ndアルバムを制作中とのこと。今回はメンバー5人全員に集まってもらい、PALLADIUMの靴を履いて渋谷の街を歩きながら、普段の生活やファッションのことについて話を聞いた。

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PALLADIUM×HAPPY
ファッションと音楽の関係性を探る都市探索

PLACE1:HOOTERS SHIBUYA

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――今日はみなさんに渋谷を案内してもらいながら撮影をおこなう企画でした。最初に行ったHOOTERSを選んだのはなぜですか?

Alec 通い詰めてるわけではないんですけど、雰囲気が楽しいじゃないですか。だから、今回のロケにあたって「どこか選んでください」って頼まれた時に、HOOTERSがおもろいんちゃうかって。最初に行ったきっかけは”HAPPY”って書いてあったからです(HOOTERSのキャッチフレーズが”HOOTERS makes you happy”)。

Ric ハンバーガーが美味い。

Alec Bobの誕生日の時も来たよな。

Ric 「こいつが誕生日なんです」って言ったら、20人くらいセクシーな店員さんが集まってきてくれて。

Alec 20人は言い過ぎちゃう?

Ric それくらいの勢いはあった(笑)。

Bob びっくりしました。東京って感じ。

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――みなさんは京都府綾部市の出身。東京に出てきてどのくらい経ちましたか?

Chew 2013年の11月だったんで、約5年半ですね。

――当初はどこへ遊びに行ってましたか?

Ric 最初は忙しかったしよくわからんかったんで、呼ばれたライブで出会ったおもろい奴らとそのまま朝まで遊んでました。で、そこからいろいろ広がっていった感じです。

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――新宿のROLLING STONEで何度か会いましたよね?

Syu 終電逃してどうしようもなくなったら「とりあえずストーン行こか」って。

Chew あとは青山のOATHとかもよく行ってました。カッコいい音が鳴ってるところとか、おもろい人がいそうなところは、手あたり次第。

Alec 大箱より小箱ですね。当時はEDMが流行ってたんですけど、僕らは苦手やったんで、なるべくEDMのかからないところを探してたらそうなりました。で、そんな遊びも1周した頃にできたのがここ、Bar SUBTERRANEANSです(2015年オープン)。

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PLACE2:Bar SUBTERRANEANS

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――入口への階段を降りるところで時間の流れが変わるような感覚があって、開けたら実際に異世界に来たような。たまらないですね。

Alec 不思議ですよね。DJもできるしセッションもできるしグダグダもできる。だから音楽やってる友達とか海外のミージシャンと行ったら最高なんですよね。

――わかります。私も海外の人に「どこか気軽に演奏できる場所はない?」ってよく聞かれるんで。

Alec The Stone Rosesのライブで出会ったメキシコのSei Stillってバンドを連れてきた時とか、めちゃくちゃ楽しかった。Thomas(Thomas Lamb)もそうやし、おもろい奴とはここで仲が深まるんですよね。

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――Thomasのジャパンツアーにも出演してましたね。

Syu 音を鳴らしたい時に鳴らせる。そうやって演奏できるバーってなかなかないし、そこはめちゃくちゃ魅力的。僕らに合ってると思います。

Alec マスターも朝方になると気付いたらバーカウンターからいなくなってて、ブルースギターでセッションがはじまったり。音楽はめっちゃ好きやのに、MGMTのメンバーが来ても気付いてないとか、そういう誰が来たとか気にしてない感じもいいんですよね。渋谷の繁華街の果てにある楽園ですよ。もしかしたら地獄かもしれませんけど(笑)。

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――HAPPYのいることころにはいつも音楽がある。今日も屋外での撮影中、スマホから音楽を流して踊っていたのが印象的でした。前はラジカセを持ち歩いてましたよね?

Alec Syuが持ってきたんです。ライブ前に対バンのリハ観るのもなんだし、って。

――どこでもパーティが始まる。

Alec どこでも踊るしどこでも寝るし。

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――クラブで店じまいの時間になっても、絶対に5人の誰かが「お願い、もう1曲だけ!」とか言ってるじゃないですか。

Ric 確かに(笑)。早く帰ろうって言ってたのに、気づいたら飲んで踊ってるのが僕らだけとか。

Chew 楽しいですもん。そこはいつ頃どうだったかとか、東京とか海外とか、関係なく、いつでもどこでもそうですね。

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――幼馴染でずっと音楽とともに遊んできた。それは確実に曲作りやライブに活かされていると思うんです。HAPPY独特の遊び心がある。みなさんにとっては普通のことなので言葉にしにくいかもしれませんが。

Ric 遊んでるわけではないんですけど、確実に遊びの延長ですね。音楽を聴くのもセッションするのも曲を作るのも、昔からそれとなく集まって自然にやってたんで、それが音に活きてる部分はかなりあると思います。でも、言ってくれたように当たり前のことだからそれが何かを説明するのは難しい。そうですね……、よく「HAPPYのこの曲、〇〇っぽいね」って、他のバンドの曲に例えて言われるんですけど、ちょっとズレてることが多くて。そういうことより先に、”空っぽいな”とか”橋を車で走ってる感じ”とか、5人で同じ景色を見てきたからこそシェアできる、抽象的な話を形にしていくことが根底にあって、そのなかに好きな音楽もあるって感じですね。

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「MUSIC=FASION」

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――今回は街を歩くことがテーマなので、ファッションについてもいろいろ話しを聞きたいです。私のなかでHAPPYのファッションを総称するなら、”グランジ×ウッドストック”。

Alec なるほど。いいとこ突きますね。ファッションって”その服を着たらこうなれる”みたいな、何にでもなれるもの。まあ、好きなものを好きなように着てるだけですけど。

Ric Alecは自分で買ってきたものをよくアレンジするよな。ワッペン付けたり、スタッズ付けたり、何か描いたり。いま着てるジャケットもそうやんな?

Alec そうそうこれ、中学くらいから気に入って着てて、もうボロボロ。リアルグランジ(笑)。

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Chew ファッションって時代を表すものでもありますけど、そういうことより、”人が着るもの”であることに興味があります。「その人らしいな」って、感じさせてくれるものが好きです。逆に「服はカッコいいのに……」って思うこともあるし、いろいろひっくるめてすごくリアルに”人間”が出ると思うんです。自分のことはわからないですけど。

Syu うん、そう思う。

――Syuさんも、すごくSyuさんらしい。

Alec Syuは写真も撮るしアートも好きやし、それが服にも出てるよな。物事をちょっと違う角度から見てる感じ。

Syu 僕らが古着を好きな理由も、店頭でサイズ別に並んでる同じ商品から選びたくないってのが一つあるしな。

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Chew 一点ものに対して「この服、俺を待ってたんや」みたいな。

Alec あとは誰かのおさがり。Bobなんてお爺ちゃんからもらった服、めっちゃ多いし。スーツとか。

Bob 祖父が渋くて体系も似てるからサイズもばっちりで。古着屋に行っても、祖父の時代、60年代のものとかに目がいきます。その服はどんなことがあって今ここに置かれてるのかとか、想像すると熱くなるんです。

――今日はみなさんが普段着ている服に、PALLADIUMの靴を合わせてもらったんですけど、どうですか?

Syu さんざん古着の話をしておいてあれですけど、新しい靴っていいですね。

Alec これめちゃくちゃいいですよね。正直、みんな服には自分なりのこだわりがあるし、この靴に寄せたコーディネートを意識したわけではないんですけど、全員はまってる。こうして見てみると、これはポリエステルですけど、キャンパススニーカーっぽい雰囲気も、ミリタリブーツっぽさもある。サイバーパンクな雰囲気もあるし。シンプルだから自分でペイントしてもいいかも。

Ric アレンジ好きやなあ(笑)。

Alec しかも水に強いじゃないですか。さっき屋上で撮影した時に、昨日の雨で芝生がめっちゃ濡れてたけど問題なかった。

Syu これで<FUJI ROCK FESTIVAL>に行ったらめっちゃ楽しいやろうなあ。たぶんぜんぜん違うで。

Alec フェスにもいいし、都会ってけっこう歩くじゃないですか。

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――撮影含めてトータルで5時間くらい、ほとんど座らずでしたね。かなりの距離を歩いたと思います。

Alec びっくりするくらい疲れてない。軽いしクッション性もあるし。

Ric ジャンプしたり塀から飛び降りたりしたけどぜんぜんいけた。

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――靴って直接地面に当たる部分なので、機能によって気分や見える世界がかなりかわりますよね。

Ric そこで機能を求めたら見た目が難しいこともあるじゃないですか。そうなると気分は晴れない。

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――ハイテクスニーカーなどを履かない人はけっこう苦労しますよね。

Ric シンプルでカッコよくて個性もあるって、なかなかないんで。

Alec そこは自分たちの音楽が理想としていることにも似ていて。音楽を作る時に機能性は意識しないけど、作る過程のなかでいくら利便性に頼っても、アナログなやり方が生む質感とかエネルギーは常に頭にあって、そのうえで現代に通用する音を出したいんです。

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――現在、アルバムを作ってるんですよね?

Alec はい。夏に出そうと思ってます。

――昨年、アルバムを出すことをアナウンスしてツアーも組んだにもかかわらず、アルバムは出さずにツアーのテーマを変えましたが。

Chew あの段階で出そうと思ったら出せたんです。でも、どうしてもあと一歩、納得いくものにしたかった。そのぶん聴いてもらったらびっくりするような作品になると思います。

Alec そうやな。やっぱり「めっちゃカッコいい!」って驚いてもらいたいし、新鮮な気持ちになってもらいたい。今回は新しいところにいけたと思うんですよね。楽しみにしていてください。

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PALLADIUM

PALLADIUMはフレンチミリタリーをオリジンに1947年以来、機能的なシューズを開発。
現在は「CITY EXPLORING – 都市探検 -」を追求。

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PAMPA PUDDLE LITE WP +
パンパ パドルライト ウォータープルーフ プラス
Unisex ¥14,904(税込)
パラディウムを代表する人気モデル。アッパーの縫い目にテープ処理を施した軽量レインブーツで、アウトドアやフェスでも活躍。
詳細はこちら

HAPPY

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京都府綾部市出身、幼馴染み5人組により2012年1月11日に結成。 全員が複数のパートを担当し自由な発想で創られた楽曲がライブハウスシーンとSNSによる口コミで広まり、デビュー前にして2013年<SUMMER SONIC>出演をきっかけに注目が集まる。

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